7話 グラドッツはおねぇさん。
投稿!
今日は長めです〜。
本当に誤字脱字報告ありがとうございます。
毎度指摘貰ってて1投稿に1指摘レベル。申し訳ないです。なんでなんだろう毎回確認してるんだけどねぇ……。
パチ
「此処は……。」
目が覚めた僕は辺りを見渡すと、紫がかった空間に閉じ込められていた。
「う〜ん……。」
本来ならば全く知らない場所に突然連れてこられたのだから、焦らないといけないんはずなんだけど、でもなんだか妙に懐かしい気持ちになってそれどころじゃないんだよなぁ…。
「なんだろ、この感覚。」
<<おはよ。花薫ちゃん。>>
ビクッ
急に耳元からなんとも言えない声をした誰かに呟かれた。
「だ、誰!。」
<<も〜う。そんなに警戒しないでん。私達の仲じゃないのよん。>>
あ〜…。何だか分かっちゃった気がする。
「もしかしてだけど、グラドッツ?。」
<<正解よ〜ん。パンパカパーン。>>
正解の音に合わせて巨大なクラッカー達が鳴り響き、同時に待ってましたと言わんばかりに、今まで姿が見えていなかったグラドッツがポーズを決めて登場した。
「わぁあ!。綺麗だぁ…。」
独特なポーズは置いておいて。マリィ達、妖精族も綺麗だったけど。先輩にあたる精霊は妖精族の幼さを抜いて綺麗に極振りした、そんな存在だった。
「でも、なんで中華の衣装なんだ。」
<<あら〜ん。花薫ちゃんはやっぱり目の付け所が男の子ねぇん。>>
シュン
魔法を使ったのか僕の真横に一瞬にして現れ、気が付く頃には腕組みをしていた。
「あ、はは…。それよりも近いですよ。グラドッツさん、女性なんですから。もう少し自分を大切に…。」
<<女性じゃないわよ。>>
「え?。」
低い男性ボイス<<私、女性じゃないわよん。ほら。>>
グラドッツに手を掴まれ、身体をペタペタと触らせられる。確かに筋肉質だ、あとは……
数分後
「本当に、男性だった………。」
<<そうよん。普通、この声で気が付くはずなんだけど、鈍感な花薫ちゃんも可愛い。>>
「はは…、ありがとう。それよりもグラドッツはどうして此処に僕を呼んだの?。」
<<マリィから、聞いていると思うけど。挨拶がしたかったのと、可愛い顔を拝みたかったってのもあるかしらね。>>
「えっと……。」
<<いやん。困った顔もす・て・き。>>
グラドッツはだいぶ濃いキャラの部類なのかもしれない。
<<おほん。改めて私の名前はグラドッツ・エルバー・アルバン・ユニット・グロリ・エルゼン・リニファー…、よ。>>
いや、だいぶ濃いキャラだな!!。
<<周りからはグラドッツと呼ばれているわ。花薫ちゃんもグラドッツって呼んでねん。>>
「よろしく、グラドッツ。じゃあ僕も改めて自己紹介するよ。花薫です、冒険者してます。よろしくね。」
<<あぁー……。>>
グラドッツが鼻血を出しながら突然倒れた。
「大丈夫!?。グラドッツ!!。」
<<ええ、花薫ちゃんの笑顔が尊くて倒れただけよ。>>
うん。
これはいちいち反応してたらダメなタイプかもしれない。ここは心を鬼にして重要な事じゃなければ無視をしていこう。
「そ、それより。マリィが何か力になりたいって言ってたけど?。」
<<それの事なんだけど、もう送っといたわん。私からのプレゼントよぉん。称号の欄を見てみなさ〜い。>>
僕はグラドッツの指示通りに称号の欄を開く。
――――――――――――――――――――――――
称号
New
「精霊グラドッツの推し」
〜説明〜
精霊グラドッツの推し冒険者。この称号を持っているものは精霊が扱う魔法を使える様になる。
使用可能 魔法
「乾燥」「???」 「???」「???」
New
「花畑許可証」
〜説明〜
各エリアにある、花畑に入れるようになる許可証。
――――――――――――――――――――――――
「これって……。」
<<精霊の魔法はまだ花薫のレベルが足りないから使える魔法は少ないけど、レベルを上げていけば次第に覚える事ができるわよん。>>
なんというか、すごい称号を貰っちゃった気がしてならない。
「ありがとう!、グラドッツ。」
<<うっ…。尊いダメージがぁあ……。>>
コレが無ければすごく良い人なんだけどなぁ……。
あと、もうひとつの「花畑許可証」ってなんなんだろう。
説明書には花畑のエリアに入れるとしか書かれていなかった。
「ねぇ、グラドッツ。」
<<どうしたの、花薫ちゃん。>>
「この、花畑許可証って何?」
<<あぁ、これはね。
<専用クエストの提示がされました。>
――――――――――――――――――――――――
専用クエスト
精霊 グラドッツのお願い
各ダンジョンエリアのセーフティーエリア
にいる兄弟4人を見つけ出し、兄グラドッツの話題を提示しよう。
――――――――――――――――――――――――
「わわ。」
急にアナウンスが流れてきて驚いたけど専用クエストのお知らせはこんな感じで流れてくるのか。
――
私の下に弟と妹が全員合わせて4人いるのよ。その子達も皆、ダンジョンにあるセーフティーエリアの花畑を守っているわ。>>
<<身体を壊してないか、元気でやっているか聞いてきて欲しいの。>>
<<この許可書があれば、私グラドッツってあの子達なら分かるはずよ。>>
――――――――――――――――――――――――
専用クエスト
精霊 グラドッツのお願い を受けますか。
YES NO
クエスト制限期間 なし
――――――――――――――――――――――――
それはもちろん。
<YESを選択されました。>
ちょっとキャラが強いグラドッツだけど、それがなければ兄弟が心配な優しいお兄さん…いや、おねぇさんかな?。
僕も長男として親近感が湧くし、色々称号も貰っちゃったから、手伝いの一つや二つは…。いやもっとしないとね。
「もちろん、協力させて貰うよ。」
<<花薫ちゃんならそう言ってくれると思っていたわぁ〜ん。ありがとうね。花薫ちゃん。>>
元気そうな顔から一転しグラドッツは寂しそうな表情を浮かべながらを僕の手をギュッと握る。
<<もうそろそろお別れの時間みたい。>>
一面、紫がかっていた空間に大きな水晶が浮かび上がってくる。
<<マリィが貴方を待ってるみたいなのよん。もう、花薫ちゃんは私のなのに。>>
プンプン言っているグラドッツを横目に僕は水晶を眺める。
水晶には映像が流れており、マリィと身体を丸めながら寝ている僕が写っていた。
「え!?。僕が居るんだけど!。」
<<あぁ、ごめんなさいね。此処、精霊の間には人間族が入れないようになってるのよ。>>
<<だから花薫ちゃんの精神だけこっち側に連れてきたって訳なの。>>
「なるほど…。肉体まで一緒には難しいんだ。」
<<そうなのよん。私達の前精霊王は人間族が大っ嫌いでねぇ…。100年前にとある精霊と人間が恋に落ちて駆け落ちしちゃったもんだから。もう精霊王は大激怒。かんかんよ。かんかん。>>
<<それで精霊王は精霊の間に人間が入れないように制限を掛けちゃった訳。まぁそんな精霊王もこの間亡くなって、跡継ぎのルーベルットが精霊王になったんだけど……。この王も人間嫌いを受け継いじゃって困ったもんだよ。>>
<<あ!。この話は他言無用ね。花薫ちゃん。>>
「もちろん。誰にも言わないよ。」
僕は約束を守る男だ。あと告げ口出来る友人なんて、この世界にはいないしね。はは………はぁ。
<<それじゃあ、花薫ちゃん。また会いましょうね。>>
ちゅ
「あ…。」
ほっぺにキスをされたと同時に僕の視界は再び、黒く染まっていった。
読んで頂きありがとうございます!。
いやぁーー!!。本当に嬉しい悲鳴ですよ。
自分が読みたいと感じた物を書いて
それを見て楽しんでくれている人がいるってなんてハッピネスな世界なんでしょうね。
今回も誤字脱字があったらすいません。