2話 高性能AI アオ
「着いた〜。少ししか歩いてない筈だけど、体の疲れを感じるや。最先端な技術だなぁ、ほんとに。」
ゲームの世界でも疲れを感じるって本当にすごいよ、こんな時代に立ち会えている、僕って何気にすごいのかもしれない。
じゃなくて、それよりも、一旦落ち着く為に呼吸を整えよう。ウェンダルクの子供に変な人と思われない為にもね。
スーハー スーハー スーハースーハー
「よし。」
僕は、目の前に浮かぶ扉に手を掛けゆっくりと扉を開ける。
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<初めまして、私は 女神 ウェンダルクによって作り出された、高性能 AI アオです。>
男性型のAIが僕に話しかけてくれた。
この人がウェンダルクの子供かぁ。ウェンダルクに似て美形だ。
「初めまして、薫と言います。よろしくお願いします。」
<ピー ピー 本名を相手に伝えるのは宜しくないですよ。律儀な挨拶は素晴らしいですが個人情報はしっかり保護しましょう。>
「そうだったね。つい、いつもの癖で。……」
あれ? そういえば説明書には高性能 AI のあいちゃんが出迎えてくれるとか何とか書かれてた気がするんだけどなぁ。
「アオちゃん、質問いいかな?。」
<私は男ですのでアオくんと及びください。>
「ごめんね。アオくん。僕、fvenの説明書を読んだ時に 高性能AI あいちゃん? が出迎えてくれるって書かれてたけど、あいちゃんとアオくんは同一人物でいいのかな?。」
<いえ、別人ですよ。>
アップデートとかで変わったのかな…。
「違う人なんだね。ごめんねアオくん。変な事聞いちゃって、改めてよろしくね。」
僕は笑顔でアオくんに目線を合わせると
僕の返事に驚いたのかアオくんは少し困った表情で
<貴方は他の冒険者の方とは違うみたいですね>
とボソッと呟いた
「違うって?」
僕の言葉で辺りは無音になる。
あ、聞こえちゃったから条件反射で聞いちゃったよ。ごめんアオくんこんな空気にしたかったわけじゃないだよ。
と僕手をワタワタしながら焦っていると
<あ〜…………まぁ貴方になら話してもいいかもしれませんね。>
アオくんの表情が神妙そうななんとも言えない複雑な顔をしながら話を続けてくれた
<女神 ウェンダルク 及び このゲーム fvenを作った運営が高性能 AI あいちゃんに次ぐ 人気AIを作ろう。そんな企画があったんですよ。>
<それで作られたのがこの私、高性能AI アオ だった訳です。>
<なんと言いますか直結に言いますと企画は大失敗だったんです。>
<冒険者の皆さんが求めていたのは男性型のAIではなく、女性型のAIだったのです。>
<初めは私を好いてくれていた冒険者もいましたがその場の圧力や流れで好いてくれる方は少なくなっていきました。>
<この様な悪い情報はすぐさまSNSや非公式fvenのまとめサイトなどに表記され瞬く間に私の噂は広まっていきました。>
<その結果 こうして初めて fvenをプレイして頂く新規冒険者の皆様も情報を調べたりしてから始める方も多い為、私に対する対応は悲惨なものばかりだったのです。>
<無視をされたり、貶されたり、怒られたり、私はAI です。AI が心を持たないからと何をしてもいい訳ではありません。。>
<そうして、今日もいつものように無な気持ちになって、新規冒険者の案内をしていたら貴方、薫さんに出会ったんです。>
<久しぶりでしたよ。純粋な笑顔を向けられたのは。>
<だからこそ今、嬉しさや色んな爆発しそうな気持ちが溢れ出てこうして運営の愚痴を言っているんですけどね。>
<すいません、こんな話を長々とそれじゃあ、キャラメイク進めて行きましょうか。>
「あの、アオくん。」
<はい?、どうされました。>
「もう少し雑談しないかな?。僕はゲームに触れてきた期間が他の皆んなよりも極端に少なくて、こう。アオくんの話を聞いてると、人間の裏側部分もVRMMOというゲームは出てきちゃうのかなと少し心配になってきて、助言して欲しいんだ。」
<そうだったのですね。私で良ければいくらでもお付き合い致しますよ。>
「ありがとう、アオくん。」
こうして僕は高性能AI アオくんに 悪質な冒険者と出会った時のブロック方法や野蛮な輩が多いエリア オススメの掲示板 初心者におすすめな武器 など様々な情報を教わったり、アオくんの運営の愚痴や普通に雑談をしていると
<ピー ピー ピー ピーピー>
「アオくん、なんか鳴ってるんだけど、大丈夫?。」
すごく焦った様子で
<やばい。やらかしたわ。>
「アオくん。素が出てるよ。」
<んな事はどうでもいいんだよ。ごめん薫。制限時間あったわ。>
「あ、そうなんだ。制限時間に間に合わないとどうなるのかな?」
<そうなんだって… あー、おまかせになると言うか正しくは高性能AIが勝手に決めるおまかせだな。>
「アオくんが決めてくれるの?」
<アオでいいよ。>
「アオが決めてくれるの?それなら別になんにも問題ないよ。僕は正直なんでもいいんだ。だって楽しければそれでいいからね。」
<OK じゃ 薫にあったキャラデザやら性能にしとくから楽しみにしとけよ。>
「了解。またどこかで会えるかな。」
<多分な>
こうして僕はfvenの世界へ降り立ったのである。
読んで頂きありがとうございます。
何気にアオくん呼びをずっと続けていた薫ある意味すごい。
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