17話 ルートル王子
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エピソード20の最後はスピーカーではなくメガホンでした。訂正しました。
メガホンだ…。めちゃくちゃデコレーションされたド派手なメガホン持ってる…。
「メガホンなんてアイテム、この世界にはなかったはず…作ったんですか?。」
「むふふふふぅ。チカちゃん気になっちゃったかな?。あのギャルかわメガホンについて。」
「もちろん気になりますよ。運営からお知らせにはなかったですからね。」
「じゃあ、このイベントが無事終了したら特別にラブちが教えてあげるね。」
「今はとりあえず3人とも耳を塞いで欲しいかも〜。」
僕ら3人はラブさんの指示に疑問を持ちながら、耳を塞ぐと
<<<”みなさん”Brightのマスターをしています。”紅朱音です。”>>>
メガホンから尋常ではない程の爆音がフロアに響き渡った。
う、うるさい。
リアルな世界のメガホンは聞こえにくかったり、音声にがさつきがあるという認識だったけど、ゲームの世界ともなればこうも変わるのか。
<<<単刀直入に言います。ルートル王子が探している冒険者を見つけました。列をお譲りして頂きたいです。>>>
そんな紅さんの声に列に並んでいる冒険者が反応し、海がふたつに割れるトンボロ現象並にルートル王子までの道のりが切り開いた。
えぇ…。言うこと聞きすぎて逆に怖い。
流石No.1クラン bright、改めて彼らの凄さを思い知らされてしまった。
「さぁ、行きましょうか。」と紅さんに誘導され、ものの3分で最前列に到着してしまった。
これは、ほんとにbrightの皆さんには頭が上がらないな…。このまま感謝もせずに無言で立ち去るのは人としての尊厳を失いかねない。
ごめん!マリィ。
マリィには悪いけど喋らせてもらうよ。
「brightの皆さん、助けていただいてありがとうございます。」
「ちょ、おにぃ「大丈夫だ。」
突然僕が喋ったものだからチカが焦って止めようと前に出てきてくれた。だが僕の一言で、分かったよと納得してくれた。
「いえ、このイベントにかける想いはみんな一緒ですから、協力するのは当然です。」
「ありがとうございます。そしてすみません。ずっと無視をしてしまって。」
「いえ。謝らないでください。何か事情があって、私達を無視しているのだろうなと薄々感じていましたから。」
ですよね、やっぱりバレてますか。
どうして、無視をしていたのかは言えないけど、僕達兄妹を案内してくれた良い人達だヒントぐらい伝えてもいいよね。
「僕が無視をしていたのは、とある人から注意を受けていたからなんです。」
「それはやはり、お兄さんと一緒にいた妖精ですか?。」
さすがは最強クランのマスター勘が鋭い。
「それは言えません。ただその人はあなた達がおかした行動に怒っているとだけ言っておきます。」
「お兄ちゃん時間ないよ!急ごう。」
「ま、待ってチカ。そんな腕引っ張るなって。抜ける抜ける!。」
「ふふ。掲示板で噂になっていましたが、2人は本当に兄妹なんですね。お兄さん、私達が協力出来るのはここまでです。後は任せました。」
「はい。任せてください!。」
こうして僕達兄妹はbrightのメンバーの皆さん、魔女っ子エリナさん、列を譲ってくれた冒険者の皆さんに見守られながらルートル王子が待っている別室へと向かった。
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「お兄ちゃん、fvenは楽しい?。」
「ん?。どうした突然?。」
「う〜ん…。だってまだ始めて2日しか経ってないわけじゃん。なのにこんな大事に巻き込まれるわ、掲示板でお兄ちゃんのせいでもないのに炎上するわで楽しんでくれてるのかなぁ…って。」
そうだなぁ…。
昔の僕なら掲示板の事件に巻き込まれた時点でゲームをやめていたと思うけど…。
僕も大人になって色んな闇に触れながら成長して、ゲームという癒しを楽しんでるのかもしれないなぁ…。
いや違うな。楽しんでるんだな。
「大丈夫だよ、チカ。案外楽しんでるからさ。」
「ほんとに?。」
はは、誰かに似て心配症だなぁ…。
ゲーム好きな妹からすると珍しく僕がゲームにハマっているから嬉しいんだろうな。
「あぁ。オマケに妹が有名なクランに入ってる事も知ってしまった以上、ますますゲームを辞めれなくなったからね。」
「ふふ、なんでよ?。」
「メンバーの皆さんに迷惑を掛けていないか聞くためだよそりゃ。」
「それはないね。私がメンバーをお世話してるから。」
そ、それはそれでどうなんだ?。
「まぁ、迷惑かけてないなら僕も安心かな。」
「それ以外聞かないの?。」
「聞かないって?。」
「どんなメンバーがいるとか、どんな活動してるんだとか。聞かないのかなっ と思って。」
うーん…。別に聞こうと思えば聞けるけどさ
チカが聞いて欲しくない顔をなんだかしていたから、無理して聞くこともないなぁと思ったんだよなぁ。
「あぁ。楽しくメンバーの皆と遊んでるならそれでお兄ちゃんは十分だよ。」
「そっか。」
この会話以降、僕ら兄妹はしゃべることなく
ルートル王子がいる別室へ到着する。
「よし!。ルートル王子の別室に着いた事だし。チカ準備できてるか?。」
「もちろんだよお兄ちゃん!。」
コンコン コン
「どうぞ。」
と扉越しに青年の声が聞こえた。
「失礼します。」「失礼しま〜す。」
「初めまして、ご兄妹の冒険者は今回が初めてです。良ければこのソファに座ってください。」
「ありがとうございます。」
「やっぱり何回みても美形だわ〜、さすが王子。」
「チカ、ちょっと黙らうか。」
そんな僕達の会話が面白かったのかルートル王子は笑いながら気を楽にしてお話くださいと幼いながらに気を遣ってくれた。
なんて優秀な王子なのだろうか、チカにもその賢さを分けて欲しいレベルだ。
「素敵な心遣いありがとうございます、ルートル王子。早速ですが、僕らが王子を尋ねた理由はこのポーションを見ていただきたかったのです。」
僕はアイテム欄からマリィのお手製ポーションを取り出し王子にどうぞと手渡す。
「これは、もしかして?。」
「はい。マリィのお手製ポーションです。」
しばらくの間、マリィが作ったポーションをじっと眺めていた王子が突然頭を下げ
「すいません、あなた方を信用していない訳ではないのですが、ここ数日同じ様に僕を助けた冒険者だと偽る者が数多く来訪していて、このポーションも念の為に鑑定をしても宜しいですか?。」
「はい、大丈夫ですよ。王子の疑いたくなる気持ちはよく分かります。」
「私もそう思う。本当に沢山の冒険者に会いすぎて、王子も気が参っちゃうよね。」
「ありがとうございます。今日は偶然このポーションを知っている大叔母がお城に訪れているので、確認の為にも大叔母も呼んできます。」
と可愛らしい笑顔で王子は大叔母と鑑定師を呼ぶ為に部屋から立ち去ってしまった。
「ねぇ、ねぇ。お兄ちゃん。」
「なんだ、妹よ。部屋を物色するのはいいが絶対に壊すなよ?。」
「分かってるよ!。そんな子供じゃないんだから。」
分かってんのかなぁ…。
「それでどうしたんだ?。」
「あれなんだけど、なんか見た事ある気がして。」
チカが指をさしたのはどこにでもある様な肖像画だった。
「肖像画がどうかしたのか?。」
「いやね。肖像画が着てる服の紋章がさ、私達が着てる服にもそっくりな紋章があるの。」
ほら。と刺繍されている紋章を見せてくれた。
確かに…。肖像画が着けている紋章と僕らの服に着いている紋章はかなり似ている。
やっぱり…
ガチャ
「お二人共、お待たせしました。」
「いえ、全然です。」
「鑑定をする前に大叔母が2人にどうしても会いたいと言うので扉の前で待機して貰っているのですが、会っていただけますか?。」
「それはもちろん。な、チカ。」
「うん。私も大丈夫だよ!。」
「お二人ともありがとうございます。大叔母様、お二人の許可がおりました。」
「あらほんとに?、良かったわぁ。でも、優しい2人だから誰が来たとしても許可してくれると思っていたわ。」
とルートル王子の呼び掛けに応じながら部屋に入ってきたのは
「うそ!。クエンさん!。」
「やっぱりなぁ…。」
「ふふふ。私去り際に言いましたよね。またすぐに会えると。」
読んで頂きありがとうございます!。
ルートル王子と会えました。ルートル王子いい子。
ブックマークと評価ありがとうございます!。
いやぁ毎度ながら嬉しいですね。
こんなツッコミどころしかない小説にブックマークと評価をしてくれるとはいつもありがとうございます。
実はクエンさん夫婦と兄妹のエピソードが異様に人気が高いです。僕も好きです。分かります。




