第二章~Chapter 2~Cattleya=Fortune
テレビの音量を最大にして映画を見ているかのような爆発音がした。
気が付くと一〇体弱いた魔獣が姿を消したと共にそこにあった机や椅子、扉や壁ごと消し飛んでいた。
佐々神がしたことに呆気にとられ、梓は今の状況を理解できないでいた。
そこへ肩まで伸びているウェーブのかかったブロンドヘアに上下黒のスーツの外国人らしき女性が入ってきた。
「あららぁ、折角助けに来たのになぁ。こんなに滅茶苦茶になってるし……。さすが佐々神君ね」と上品に笑った。
なぜか佐々神を知っていた。そして、意外にもその外国人の女性は日本語が上手かった。それも日本人の佐々神や梓が聞いても違和感が無いほどに。
「あ。もしかして日本語喋れるのにビックリしてる? 大丈夫、小さい時から国際交流があって七ヶ国語喋れるから」
そう言って優雅な笑みを見せた。
「この国では七ヶ国語ってなんていうのかしら? トリリンガルは三ヶ国語だし……まぁいっか。ちなみに母国はイギリスね。あ! そうそう、自己紹介がまだだったわね。私の名前はCattleya=Fortune、lastのzero/first所属。ちなみに、情報屋経営しててシャチョーです」
カトレアと名乗る女性は、一人でどんどん会話を進めていく。
「……lastってなんだ?」
そこでようやく佐々神が会話に入る。
「ん~、君達がよーく知ってる人物に対抗する教団ってところかしら」
佐々神はすぐに誰のことか理解した。佐々神と梓の共通の知人で教団に関係のある人物、
「翔……EARTHか?」
「お、EARTHのことまで知っているのね。話が早いわ。ちょっと話があるから君達二人とも付いて来てもらえるかな?」
そう言ってまた微笑んだ。