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常に悪夢にうなされる。

幼い頃からそうだった。


いつも見るのは歴史書でしか見たことない断頭台。

命を散らそうとしているのは私で、周りを取り囲むように群れる人々の目は憎悪なんかより醜く汚い好奇心に溢れていた。


人の首が跳ぶのを見てみたい。

そんな幼稚な好奇心しか感じ取れない。


私がいったい何をしたと言うのか。


もちろんただの夢なので誰も答えなどくれやしない。

「なぜ」と口にしたくても自由のきかない夢では大人しく首を差し出すしかない。


そして冷たく鋭い最期を迎える直前に必ず聞こえる言葉。



「呪いあれ」



誰が言っているのか分からない。

誰に言っているのかも分からない。

もしかしたら夢の中の私が言っているのかもしれない。

けれど耳に届くのは私の声ではない。


その言葉にどんな思いが込められているのかは分からないけれど、背筋が凍るように冷徹で無念を孕んだ声色なのは確かだ。

不思議なのは周りにいる人々に言っているようには感じられないこと。




では誰に?


でも、最近になってなんとなく分かった気がする。

あれは特定の誰かに向けての言葉ではなく、世界全てに対する言葉なんじゃないかって。


だって私もそうだから。

厨二病みたいに私は私が嫌いで、人間が嫌いだから。

痛いのは百も承知で、早く世界滅びろと願っているから。

なのに私は私が可愛いから、希死念慮を抱いているくせに、大きな一歩は踏み出せない。


だから願うことしか祈ることしかできない。



「早く消えられますように」と。


自分から行動できないくせに思想だけは一丁前。

他責思考なのもやめられない。

人として未熟なのに他人を批判して、自分より劣ってる人を見ると心から安堵する。


そういう性根が腐った自分が一番嫌いだ。

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