表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/22

僕はビンボー道を極めて幸せになりました!

十七

 私は情に厚い男だと思うが、いわゆる寄付や施しといった類のことは全くしない。というか、ある事件がきっかけで、できなくなってしまったのだ。

 お金がないのではない。ビンボー道を極めており、低収入でも楽ちんで貯金できる。貯金も数千万円ある。

 私は寄付や施しをしない。これも途上国冥利と言えよう…。

 私はフィリピンでボランティアをやっていた時に、時より用事で首都のマニラに滞在することがあった。マニラは人口数千万人の大都市だ。東京よろしく、お金さえあれば欲しいものは全て買える。

 そんな大都市マニラでは、貧富の格差が激しく、またスラム街も広がっており、そこかしこに物乞いがいる。子供の物乞いもいる。ストリートチルドレンだ。

 実はこのフィリピン人の物乞いが曲者で、日本人を含む外国人観光客に「情」に訴えて、お金をかすめ取る術を知り尽くしている。フィリピン人のプロの物乞いが、日本人から金をもらうためにはどういった方法があるだろう。例えば、実際にそこかしこで行われているアプローチの一つに、物乞い間における赤ちゃんや子供のシェア(貸し借り)がある。つまり、物乞い達が一種の協同組合のような組織を作り、その組織内のメンバー間でメンバーの赤ちゃんや子供を貸し借りする。そして赤ちゃんを借りた物乞いは赤ちゃんを抱いて一見するとみじめな境遇の親子を装い「マネー」と日本人に迫るのである。一見さんの日本人観光客は、まさこの親子が赤の他人とは夢にも思わないので、偽装親子を哀れに思いお金をあげてしまうのだ。人間は、お金が絡むと本当に頭がよく回る。これはもはや、詐欺といっても過言ではないのだが、こうして獲得したお金は協同組合にプールされて、メンバー間で分配されるのである。

 私はフィリピンで金に対する人間の悪知恵や執着心を目の当たりにしてきた。もちろん、これは貧しい人たちが生き残るための生存戦略である。その一方で、世界第三位の経済大国にして老大国の日本において、そこまでしてお金に執着する意味は全く見いだせない。

 お金とは一体何であろうか。

 ビンボー道に通じる思想的背景が途上国にあった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ