僕はビンボー道を極めて幸せになりました!
十五
日本人はランキング好きだ。子供の時から学校で偏差値教育されてきて、人と比較されること(人目を気にすること)が骨の髄まで染みついている名残だろう。日本人の平均貯蓄額をインターネットで調べて、一喜一憂している人も多いのではないだろうか。
収入から支出を引いた残りが貯蓄であり、したがって毎月、銀行口座に貯金するためには、収入を増やすか支出を減らすかして、貯金しなければならない。
お金というものは興味深く、その本質は学校で教えてくれないから、「独学」して学ぶ必要があるのだが、お金の本質である「信用」を、若いうちからコツコツと貯めていけば、知らず知らずのうちに仕事が舞い込んでくるような環境になり(収入アップ)、また信頼(又は信用)できる人からの情報や知識を活用して、支出を最大限に抑えて「生活防衛」することも可能だ(支出ダウン)。
さて、とかくいう私は日本人の貯蓄信仰と決別しており、発想を大きく転換して、年収三百万円で貯金二百万円(年額)を実践しているゲームチェンジャーなのだが、そんな私が東京に出て、朝から晩まで大企業で血眼になって仕事して心身ともにすり減らし、時には病気になってまで、年収一千万円で生活している「やり手のサラリーマン」を見かけると、兼好法師よろしく、世の無常とは何かについて熟考してしまう。
人間、金銭感覚がマヒしてしまうと、贅沢から逃げ出せなくなる。つまり、年収一千万円の人には年収一千万円の生活があり、そういった贅沢な環境で二・三年も生活すれば、生活の質を落とすことは、どだい精神的なハードルとなって難しいのだ。
年収一千万円世帯の生活が苦しいようだ。年間に一千万も稼ぐと、東京などの首都圏で不動産(土地や建物)が欲しくなるらしい…。夢のマイホームである。
日本は既に一億総ジリ貧社会に突入している。戦後から脚光を浴びてきた住宅ローンシステムは、高度経済成長に伴う安定的な収入増の家族世帯を対象にしてきたという事実を今一度よく考えるべきだ。
住宅ローンは天使か。それとも悪魔なのか…。この前借りの金について、ビンボー道の日本代表として宣言しよう。すなわち、毎月のローン(借金)を返済するためだけに仕事はしたくない。仕事は面白い。仕事は生きがいだ。少なくとも、この軸がブレたらいけないのだ。




