僕はビンボー道を極めて幸せになりました!
十四
日本人の識者の間では、これからの若者がグローバルに生きるべきか、それともローカルに生きるべきかの議論を活発に行っている。この点に関して、私はこれまでの途上国での活動を通して、ビンボー道とグローバリズムの相性の良さを、身をもって実感してきた。
私たち日本人は、モノあふれの中で生きているので、モノを消費することに慣れきっており感覚が完全にマヒしている。私は、途上国の人たちの貧しさ、つまり相対的な貧困と物資の不足からくる困難な生活状況に対して、積極的に「地頭」を使って問題を解決しようとするフィリピン人とネパール人、アフリカのマラウイ人及びウガンダ人と一緒に汗をかいて活動する中で、モノに対する執着心が加速度的に解消されていった。いや、私は元々、ミニマリストも一目置くほどの物欲の無さだから、その物欲の無さに拍車がかかってしまったわけで、もはや途上国の人たちの生活スタイルが心身に染みついてしまったと言った方が正確かもしれない。例えば、靴の底に穴が開いても履き続ける。服に穴が開いても着続ける。野菜スープにハエやアリが入っていても飲み干す。二十四時間営業の飲食店や公園で一夜を平気で過ごすなど、平和ボケの国日本において、もはや天下無双の状態だ…。
ちなみに、フィリピンの州政府での活動において、私のパートナーだった年若い女性は、ルソン島北部の山岳地帯を移動中にドライバーに指示し車を止めて、その辺の草むらで野糞していた。日本のプロフェッショナルな仕事の一つに「糞土師」があるらしいが、今日においても糞土師は男性の仕事であることが多いようだ。
最近、ある雑誌で毎日ひとつ、モノを断捨離することが推奨されていた。これを実践すれば、モノから人生を開放するためのスタートラインに立てるかも知れない。一年間続けば、身の回りにあるモノを三百六十五個捨てられる計算だ。
モノをどんどん断捨離して、自分のフットワークを軽くしていこう。あなたがグローバルに生きようか、ローカルに生きようが、東京都で野糞しようが、ブラジルで阿波踊りしようが私の知っちゃこっちゃないことだが、とにかく、モノをそぎ落としていって、心身ともに気楽になろう。それはビンボー道へと続く千里の道でもある。




