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僕はビンボー道を極めて幸せになりました!

十二

 人間たるもの、きっかけがないと何かを始めることは難しい。きっかけ、それも強いモチベーションになるような大きなきっかけがビンボー道に進むために必要だ。

 思い返せば、食に対するこだわりをキッパリと捨て去ったきっかけは、フィリピンでのボランティアだったろう。

 私はフィリピンで長期滞在するために公用語である英語だけではなく、現地語を学ぶ必要があり、フィリピンの某国立大学で現地語を学習していた。大学で何か月間にも亘って、朝から晩まで現地語を学ぶのだが、一時間の昼休みがある。その昼休みに大学キャンパス内にある学生食堂でフィリピン人学生と交じって昼食をとることがあった。

 ある時、食堂のメニューを見ると野菜スープがあり、食堂のおばちゃんに注文した。そしてテーブルに野菜スープが供されると気付いたのだ。マグカップに注がれた野菜スープの水面上に大量のアリが泳いでいる。スープに浮かんだ細切れニンジンにつかまってビード版のように活用している猛者のアリまでいる始末だ。

 途上国ではトップクラスの国立大学といえども、地方に行けば食事の衛生管理などはこの程度である。私は途上国での生活が長いので、こういった(日本人なら誰もが動じる)ハプニングに気を留めない。

 野菜スープの具材はほとんどマグカップの底に沈んでいるので、スプーンで底の具材をすくい上げてみると、なんとあろうことか、今度はバカでかいハエの死骸が出てきた。さすがに途上国慣れしている私も面食らってしまった。

 アリはオーケー、ハエはダメという単純な発想ではないが、ハエが入っているスープを飲み干すのには、多少なりとも勇気が必要だ。私はスプーンでハエを回収し、残りのアリと野菜のスープを一気に飲み干した。

 これ以後、私は美食家ならぬ「貧乏食家」へと突き進むのである。

 ビンボー道にショック療法あり。

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