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天と地と人  作者: 豊臣 亨
二章  鉄拳修道女 カトリーナ・フォン・ブラウツヴァイク
35/49

鉄拳修道女 カトリーナ・フォン・ブラウツヴァイク (二十四)

5/17 誤字やら色々訂正。



「頑張ってんじゃね~か」


 ディルツ騎士団総長。


 にやっ、と爽快に笑う、レオポルト・フォン・シュターディオン。


 その人であった。


「………どう、して!?」


 瀕死の状態のノルベルト・グリモワールが、必死に声を発する。


「ミハエルじゃないのか、ってか?」


「ノルベルトさん! 何てことにッ!」


 フランコ・ビニデンが顔面を蒼白にしてノルベルトに駆けつける。


「………フランコ、ミハエルは、どうした?」


「そ、それが」


「ったく、ミハエル、ミハエルと。お前はそっち系かよ。あいにく、あいつらはいね~よ。だから俺たちが駆けつけたんだ。二人だけってわけじゃねぇぞ。旦那もいる」


「………旦那?」


「フンッ!!」


 レオポルトの後ろにいた、リザードマン・チーフにだって負けてはいない三メートルを超す巨漢の人物。


 プロンゾ前族長、龍革甲冑に身を包んだグナクト・フォン・プロンゾであった。


 一歩踏み出し、戦場を睥睨する。


「………俺が、皆殺しにしてやっても構わんのだろう?」


 静かに、それでいながら身震いしそうなほど威圧感のある重厚な声で。


 しかし、重厚な声には、どこか、喜んでいるような響きがあった。


「ああ。盛大にやってくれグナクトの旦那。あ、できるなら親玉は半殺し程度でもいいから殺さず、引っ張ってきてくれ」


「………応」


「そうか………援軍は総長と前族長か………でも、せっかく間に合っても、俺の………俺の足が、ちくしょう!」


 拳を握り、打ち震えるノルベルト。


 砂地に拳を叩きつける。


「だ、大丈夫ですよ、ノルベルトさん!」


 フランコが言う。


「そうだ。その程度なら問題ない」


 レオポルトも言う。


「そ、その程度、って! 俺の、俺の足がこんなんなったんですよ………!」


 さすがのノルベルトも取り乱して。


「ほれ、みろ。旦那の右手を」


 レオポルトがグナクトをかえりみる。


 そういわれて、仕方なくノルベルトもグナクトを見る。


 グナクトは、背中にあった蛮刀のようなものを引き抜いているところだった。


 右手で。


 何だ? 何だっていうんだ?


 動揺の最中のノルベルトには何のことかさっぱりわからない。


 右。


 ………右。


 右手。


 右手があるな。だからそれが何だって言うんだ。


 ………。


 ………って、おい。


「前族長の右腕って!」


 ここに至って、ノルベルトも気づく。


「ああ」


 にやり。と改心の笑みを放つレオポルト。


「欠損した傷でも、今のミミクルちゃんなら、完治可能なんだよ」


 レオポルト登場を上回る衝撃が、ノルベルトを駆け抜ける。


「そ、そんな途方もないことが………」


 ケット・シーのニーモでも、欠損するほどの傷の治療にはとてつもない莫大な魔力を必要とし簡単にはできないと言っていた。そういえば、ミミクル・フォン・プロンゾが天使の召喚魔法を授けられて、何故か高位の天使が来てしまったという話はノルベルトも知っていたが、欠損するほどの怪我を完璧に治してしまうという話はさすがにノルベルトも初耳だった。どうやら、高位の天使クラスにもなるとそんなことすら可能になるということだろう。


「まあ、そういうこった。お前は回復に専念しろや」


 レオポルトが回復魔法を唱える。


 上位の聖騎士であるレオポルトは中級程度の神聖魔法が使えるのだ。


 いまさらになって激しい痛みが襲ってくるが回復魔法によって痛みが緩和され、ノルベルトは安堵のため息をついた。あのグナクトは右腕をほとんど失うほどの大怪我だったのだ。それが、完全に元の姿を取り戻していた。ならば、自分のこのボロ雑巾のようになった脚も完全に治るのだろう。ましてや、グナクトはレオポルトすら上回るとされる超戦士。一安心だ。


 責任感やら緊張感やら、いろんなものが一気に抜け、脱力したノルベルトは気を失った。


「ノ、ノルベルトさん!?」


「うるさい、騒ぐなド阿呆!」


「いたっ!?」


 気を失ったノルベルトを気遣ったフランコに、レオポルトの拳骨が飛ぶ。


 そんなやり取りを尻目に、グナクトは蛮刀のような剣を見る。戦線復帰祝いにと、レオポルトがくれた特注品だ。


 長さ二メートル。形は剣というよりかはナタといった方が近い。ナタのような形状でそのまま長さが二メートルあるのだ。そして、刀身のほとんどがミスリル銀で出来ている。ミスリル銀特有の乳白色が混ざった艶やかな銀色。そして、(つば)の中央に埋め込まれた大きな宝玉が豪雨の中でもひときわ怪しく輝いた。強力な魔法が込められた魔法剣であった。


 その特注品の魔法剣が、グナクトが握り締めたことによって徐々に赤みを帯びだしていた。


 再び、戦場に舞い戻った高揚感を心地よく感じつつ剣を握り締めた。龍革甲冑の右腕部分はディルツ騎士団との戦いで失っており、右腕は革手袋。だが、そんなことはさしたる問題ではない。


 右手を見つめる。


 何事もなく、まるで、切断があったということすらなかったかのように何の違和感もなく思い通りに動く腕。


 まさか、このようなことが起こりえようとは。


 グナクトも心底、驚いた。


 話は、闇の存在から襲撃を受けたミハエルたちがパラレマ王宮に帰ってからにさかのぼる。




   ※     ※     ※     ※     ※




 皇帝フリーデルン二世の賓客として、貴賓室をあてがわれたミハエルらは、存分に王侯貴族の待遇を享受していた。色々なことに召使が対応してくれてかいがいしく世話をしてくれるのでミハエルなどは申し訳ないという気になっているほどだった。


 ただの騎士という身分ではそうそう味わうことのできない豪華な食事をいただき、くつろいでいたときのこと。ミミクルがまだ知らないであろう座天使(スローンズ)には驚くべき特徴があることを伝えるべくカトリーナ・フォン・ブラウツヴァイクが口を開く。


「そうだ、ミミ、座天使(スローンズ)のすごさは何も驚異的な戦闘力だけではないぞ」


「まだ、何かあるの?」


「もちろんだ。天使は高位になればなるほど、まさしく奇跡を実現できる」


「奇跡………」


 何の苦労もなく高位の天使が来てくれて、ミミクルもあまりのことに、恐れ多いと思い始めていた。


「神に至ったわたしといえど、さすがに高位天使の奇跡まで真似できないね」


 数百年の時を経て神格位を得た妖精であるケット・シーのニーモであっても、この世界の支配者たる神々の力を直接行使する天使の力には及ばない。


「うむ。わらわとて伝聞だが、不治の病を完全に治したとか、致命的な病巣を取り除いたとか、今にも死にそうな赤子に生命の炎を新たに灯したとか、生命に関する奇跡を数多くなしたとされるが、その中のひとつ、失われた体の一部を完全に治す、ということも出来るそうだ」


「体の一部を………おい、それって」


 リリクル・フォン・プロンゾががたっ、と豪勢なソファから立ち上がる。


 に。と笑うカトリーナ。


「あの、三メートルの巨漢の戦士。そなたらの親父だそうだな。恐ろしいエネルギーを放つ鬼のような男だったが、右腕が断ち切られていたな」


 フリーデルンと一緒の食事の場には、レオポルトやグナクトもいた。


 カトリーナはグナクトの腕の具合を見ていたのだ。何せ、三メートルの巨漢の右腕がないのだ。嫌でも目立つ。さすがに皇帝がいる食事の場で根掘り葉掘り聞くわけにもいかなかったから、カトリーナは後で聞いていた。


 その切り取られた腕を見て、失われた体の一部をも癒せる力を座天使(スローンズ)はもっていることを思い出したのだ。


「カトリーナ!」


 驚きに目を見開くミミクル。


「戦士が片輪では、不都合も多かろう。まあ、あの鬼ならその程度苦にならんだろうが、それでも、両手があった方がいい。そして、もはやそれが可能となったのだ。治してやれ」


「うんッ!!」


 部屋を飛び出し、広い廊下を走る。その背後の上空には当然、ニーモが従う。そして、グナクトの部屋へ飛び込む。


「おとーさん!」


「………なんだ」


 末娘の不意の来訪に、さすがのグナクトもたじろぐ。


 グナクトは片腕で腕立て伏せをしていたところだった。ミハエルもそうだが、一日たりとて訓練を怠ったりはしないのだ。もちろん、筋力を維持するのが目的だが、それだけではない。体の内から沸いて、あふれてこぼれそうなエネルギーを発散させないといけないのが本当だ。


 体勢をかえ、あぐらをかく。


「右腕、治せるかも!!」


 ミミクルの剣幕に、グナクトの目が大きく見開かれた。


 だが、静かに息を吐く。


「………たわごとはよせ」


「嘘じゃないよ! わたし、座天使(スローンズ)さんに力を貸してもらえるから!」


「高位の天使、だと………」


「挨拶は先程すませたが、もう一度名乗ろう。カトリーナ・フォン・ブラウツヴァイクだ」


 カトリーナも入ってくる。


 先程、グナクトのことを鬼、と評しておきながらまったく臆することなく入ってくる。自分の立ち位置もどこにあるか、理解しているということだ。


「ミミの言っていることは妄言でも戯言でも何でもない。事実だ。ミミには天の恩寵があることはご存知だな? 恩寵を受けしミミには高位の天使すら味方につく。その天使のふるう奇跡に、欠損した体の一部でも治せるという力があるのだ」


「………到底、信じられんな。だが、ワシをだましたところで得るものはなにもない。………治せるもんなら治してみせろ」


 ふんぞり返るグナクト。


「ここでは、無理だな」


「………あのね、おとーさん、座天使(スローンズ)さんはものすごく大きくて、部屋に入れる大きさじゃないの」


「………なら、どうしろと?」


 族長時代なら、この時点で怒鳴りつけていただろう。


 思えば丸くなったものだ、とグナクトも自嘲する。


「外だ。それも、人に見られない場所がいい」


「………明日にしろ」


 我慢の限界だった。


 皇帝フリーデルンがいる王宮は警戒厳重、内部で人に見られない場所などないに等しい。しかも、夜間に申告もなくうろつくなどいくら賓客とはいえ許されない。謀反人として征伐されても文句は言えない。もちろん、グナクトを征伐できるものなどそうはいないだろうが、そういう話ではない。


 有無を言わさずミミクルとカトリーナを追い出す。


 突然何かと思いきや、大騒ぎしおって。グナクトは憤慨する。だが、あのしおらしい、別の言い方をすれば抜け殻のようだったミミクルがああも元気に走り回るとは。いや、よくよく考えれば小さい頃はあんな感じだったかも知れない。それが抜け殻のようになったのは、


 ………自分のせいか。


 ため息をつくグナクト。思い当たる節なら、掃いて捨てるほどある。さすがにニーモの目が光っていたから手をあげるまではしなかったが。


 翌、昼。


 昨日の丘に登った。


「………天の御心にして天の慈悲、天の剣にして天の盾、天の怒りにして天の嘆き、天縦(てんしょう)なる使命を伝えし御使いよ、いまここにそのラッパを吹き鳴らせ。――――兤光降襽!」


 ミミクルが天使召喚魔法を唱える。


 空を突き破るように宙天より突如出現した座天使(スローンズ)がすさまじい速度でミミクルの前に降り立つ。


「うおっ」


 あまりの迫力に、さすがのグナクトもたじろいだ。


 全長十メートルの戦闘用馬車、チャリオットの迫力だけでもすごいが、座天使(スローンズ)も身長六メートルはある。巨漢であることを自覚しているグナクトですら半分の大きさだ。さらに古代の甲冑に身を包んだ、四枚の羽をもち六腕の天使。その戦闘力に太刀打ちできるものなどいやしない。グナクトですらゴミのように蹴散らされるであろうことを否応なしに自覚せざるをえなかった。しかも、神聖なる光と気配をあたりに振りまき、絶対不可侵の場を一瞬にして作り出したのだ。


 気おされない生物など、この地上にはいないはずだ。


 知らず、大量に冷や汗をかいていた。強者であることを自覚し、それを当然と受け入れていたグナクトだからこそ、自分をはるかに超越する存在が、こうもたやすく現れたことに驚愕を禁じえない。最強を誇っているからこそ、それを上回る最強の出現に愕然たらざるをえないのだ。


「あの、バグティマヌエルさん、お願いがあるんですけど、おとーさんの腕を治してほしいんです」


 ミミクルが親しげに高位の天使に話しかけ、天使もそれをさも当然と受けている。


 自分より強いものなどほとんど見たことがないというグナクトでも、高位の天使と対等に接するわが子、という状況、世界の違いに思わずめまいを覚えた。


 プロンゾの大森林の奥で、ひっそりと生きているだけだったはずのミミクルが、いつの間にか自分をはるかに凌駕し、超越的な存在に接している。自分のそれまでの常識を時代遅れだと、嘲り笑われた気分なのだ。


 グナクトが激しいショックを受けるのも、むべなるかな、であった。


「………はい、はい、おとーさん、こっちに来てください、って」


 ミミクルが呼ぶ。


 数歩、歩み出したとき、めまいを覚えたが根性で押し隠しグナクトは進む。


「本当に、右腕を元通りにしてくれるのか………?」


 ない右腕を持ち上げる。


 あまりの光輝に、その顔も満足には見えないが、六メートルの大きな天使、座天使(スローンズ)が確かにうなずいた。


 六腕のうち、一本の腕を差し出し、グナクトにかざす。


 熱量を感じたのはすぐだった。


 たちまち、まぼろしのように右腕が見えたかと思った次の瞬間、それは物質として、質量をもって現れた。


「うおっ!」


 右腕が現れた!


 わかってはいても、あまりの衝撃に一歩後ずさる。


 そんなグナクトの動きに、右腕はついてきていた。


 驚きのまま、腕を動かす。


 まるで、今までの生活で、一時たりとも消えたことがないかのように、腕は、手は、指は、グナクトの思うがまま、動いた。


「お、おおお、おおおおおおおおおッ!!」


 思わず、左手で右手を鷲掴みにする。


 痛みがあった。


「おおおおおおおおぉぉぉぉぉーーッ!!」


 両手で、顔を覆うグナクト。


 知らず、滂沱と涙があふれた。


 死ぬまで、このままだと思っていたものが、何の気なしにあっさりと戻ってきた。戦士にとって、腕を失うとは、それがたとえ片腕であろうとも死ぬに等しい。


 あの時、かつてのディルツ騎士団との戦いで右腕を自ら斬り飛ばした時、自分はもはや死んだのだ。そのことは、この前の第六次十字軍遠征に出た時ももやのようにグナクトの心をさいなんでいた。しかも、第六次は戦闘らしい戦闘のない遠征だった。自分は本当に戦士として戦えるのか。いや、戦える、そのつもりだ。だが。


 戦闘がなかった分、心のもやは晴れなかった。


 心行くまで戦えたのなら、こんな苦しい思いはしなかったろうに。


 そんな想いを、ずっとグナクトは胸中に抱いたままだったのだ。


 それが、こうして戦士として復帰できた。

 

 戦士として、息を吹き返すことができた。


 あふれる想いで、知らず涙が滝のようにこぼれたのだった。


「感謝するミミ。感謝する。これで、また戦える。………これで、またワシは生きてゆけるッ!!」


 天を仰いで叫ぶ。


「おめでとう、おとーさん」


 つられて、ミミクルも涙をこぼしていた。




   ※     ※     ※     ※     ※




 ぐっ、と右手で剣を握り締める。


 かつての感触だ。


 何の不足も、何の心配も、ない。


 十全たる、本来の力を、本当の自分を取り戻したのだ。


 ならば、やることは決まっている。


 にやり、とグナクトは凄絶に笑った。


「皆殺しだッ! まずはそこのでかぶつ! お前を血祭りに、復活の狼煙としてやろう!!」


 三メートルのグナクトが、四メートルのリザードマン・チーフをそう、評した。のしのし、と進んでリザードマン・チーフに切っ先を向ける。


 矢を目に受けたままのリザードマン・チーフはすでに死に物狂いだ。


 バルマン・タイドゥアやガンタニ・ティーリウムでも近づくことができないほど大暴れだった。そんなリザードマン・チーフも、強圧的な剣幕で近づいてくるグナクトに気づく。



グガアアアアアアァァァァァァァッッッ!!!



 怒りで、半狂乱で、吠える。


 普通の人間だったら、その咆哮を受けただけで失神しそうなほどの恐ろしい声を、グナクトにたたきつけた。


「フン!」


 だが、余裕のグナクトには通じない。そのまま歩みを止めずリザードマン・チーフに向かう。


 リザードマン・チーフが生意気な獲物をまず蹴散らそうと、かがみ、大きく力をためる。


 必殺のショルダー・チャージ。


「や、やばいですよ、総長! あんな化け物、止められませんよ」


 フランコ・ビニデンが顔面蒼白になって言う。ノルベルトですらこんな大怪我を負うようなモンスターなのだ。まともにぶつかってかなうはずがない。そう思うのが当たり前だった。だが。


「まあ、見てなって。あの旦那は、俺が送った剣は、すげぇぜ」


 自信たっぷりに、言い切るレオポルト。


「ええっ!?」


 まさか、そんな。フランコは蒼白のまま成り行きを見守るしかない。


 ためはすんだ。


 リザードマン・チーフは今もてる最大の力を込めた。これで潰せない人間など、いない。


 怒りと、憎しみと、嗜虐心と、色んな感情で脳が沸騰しそうになりながら、リザードマン・チーフはグナクトを見た。もはや正気ではない、殺意や狂気でぐちゃぐちゃになったおぞましい視線でグナクトをにらみつけた。


 潰す。


 渾身のショルダー・チャージ。


 無策にただ、歩み進んできただけのものなど、このぶちかましに潰されてしまうがいい。あまりの激情ゆえに笑みをすら浮かべて突進する。


「………突っ込んで来てくれて、助かる」


 二メートルの魔法剣を構える。赤みを帯びていた魔法剣は今や遠目でも分かるほどに真紅に輝いていた。豪雨が、その剣に触れた瞬間、蒸発して煙を発している。


 リザードマン・チーフの渾身のショルダー・チャージがまさにグナクトにぶち当たる、まさにその時グナクトは剣を振り下ろした。


「フンッ!!!」




ドグチャアアァッ!




 真っ二つ、だった。


 突進したリザードマン・チーフは、突進したそのままの速度で、グナクトによってふたつに裂かれ、地面に激突した。断末魔の叫びも、最後の力を振り絞ることもなく、ただ自らが生み出した速度でバランスを崩して盛大に転がり砂地を引っかき巻き上げた末、ただの肉と成り果てリザードマン・チーフは絶命した。


 あまりの事態に、その場にいたすべてのものが、リザードマンといえど例外なく、呆然と、ふたつに裂かれたリザードマン・チーフと、剣を振り切って立つグナクトを見つめることしか出来なかった。


「味気ない………」


 そう吐き捨てると、もはや斬って捨てたものに何の感興も起こさず、他のリザードマンに切りかかるグナクト。ミミクルによみがえらせてもらった人生だ。感謝するには、ここは敵を皆殺しにするのが最大の感謝の示し方なのだ。


 グナクトは凄絶に猛り笑って剣を振るった。


 あの堅固なリザードマンが、まるで紙のようにずぱずぱと斬られてゆく。対峙していた王国兵も、あまりといえばあまりの突然の援軍の登場にあっけにとられて立ち尽くしていた。


「な、な、な、な、なんですか、あれは!」


 ようやく、声をあげるフランコ。


「うるせぇな」


 とりあえず拳骨を叩き込むレオポルト。


「あだっ」


「すげぇ剣だって言ってるだろ。特注の魔法剣でな。強力な炎熱の魔法が込められてあって、触れるだけで切れる。あのリザードマンの親玉といえどあの通りよ。実戦で目にするのは初めてだが、狙い通りの性能だぜ」


「………そ、そんなすごいじゃないですか、すべての剣があれになれば!」


 自分も欲しい、と思ったフランコ。


「そう、思うが残念ながら、欠点がある」


「欠点?」


「その魔法を発動するのにとんでもないエネルギーを食う。今回、あの剣は魔法の代わりに持ち主の体力を食うように宝玉を作ってあるのさ。柄を握った瞬間から、あの剣は魔法を発現し続ける。あんな剣を戦場で振るえるのは体力の塊である旦那以外にはありえねぇ」


「………そうなんですか」


 どれほどの勢いで体力を食われるのかは分からないので実感はわかないが、レオポルトが言うからには相当なものなのだろう。グナクトの伝説を聞くととんでもない化け物だと知っていたから、グナクトだからこそ可能な行為なのだ。


 さすがに試してみたい、などと無謀な気は起こらないフランコである。


「まあ、見てな。旦那が戦場に立ったからにはもう勝負はついたも同然よ。しかも右腕が復活したときた、海賊共が哀れに思えるぜ」


「………ですね」


 グナクトの、まさしく獅子奮迅の戦いぶりをみてフランコもつぶやくように返答するしかなかった。


 防波堤からうじゃうじゃと上陸してきたリザードマンが、なすすべもなく切り刻まれてゆく。強力な熱量によって焼き切られて両断されているのだ。剣や槍、盾で応戦しようとしたものも、武器や防具ごと焼ききられ、逃げようとしたもの、取り囲んで数にものを言わせて排除しようとしたものも、あっけなく駆逐された。周囲に、肉の漕げる異臭が満ちた。


 助かったはずの王国兵も、顔を抑えて吐き気をこらえるものが続出した。


 一方的。


 今の状況は、この言葉がもっともぴったりな有様だった。たった一人の巨漢の戦士が乱入してきただけで、戦局が一瞬にして切り替わったのだ。


 もはや戦う相手がなくなって、バルマンやガンタニが、屋根からおりてヨハン・ウランゲルがノルベルトのもとに集まってくる。


「まさか総長自らが援軍に来ていただけるとは思ってもおりませんでした」


 バルマン。


「おう。ミハエルらはちょっと野暮用でな。ま、旦那に任せときゃもう安心だ。とりあえず、傷を負ったものを集めてくれや。回復魔法をかける」


「………はい」


 もはやそこは戦場ではなく、殺戮場に成り代わっている。


 巨漢の戦士の迫力と、その手にもつありえない武器、なすすべもなく無残に倒れてゆく仲間に姿に、さすがに獰猛にして冷血なリザードマンといえど怖気づいて逃走を図った。だが、そこはすでに2000ものリザードマンが上陸してきているのだ。仲間が邪魔となって逃げられず、背後から炎熱剣でばっさばっさと切り倒されてゆく。


 意気揚々と上陸を果たしたリザードマンも訳も分からないまま両断され、今やリザードマンは大混乱に陥っていた。前方の状況も分からず上陸を急ぐリザードマンと、大混乱に陥って逃げ惑うリザードマンが入り乱れ阿鼻叫喚の地獄絵図だ。逃げるものと進もうとするもの、何の区別もなく炎熱剣は無慈悲に切り刻んでゆく。


 上陸したリザードマンのうち、半数以上は混乱のうちに屍に成り果てたと思われた。ノルベルトたちとフィーコ子爵ジョリコ・シレンダー率いる600の王国兵で必死になって倒した数は恐らく500はないと思われるが、巨漢の戦士の乱入で、瞬く間に屍で山を築くことになったのだ。あまりの戦場の激変に、さすがに海なら安心だろうとリザードマンはたった今来たばかりの海に向かって泳いで逃げ出す。それでも、大混乱によって逃げ遅れ、その数は500程度だろう。


 中にはそれでもグナクトに戦いを挑もうとするもの、海ではなく町に向かって逃走を図ろうとするもの、大混乱に拍車をかける。


 切り傷など中度の傷を負った王国兵がレオポルトによって回復してゆき、もはや敗残兵と成り果てたリザードマンを駆逐し、秩序を回復してゆく。


「フンッ!! 雑魚共が!」


 目に付くすべてのリザードマンが海に逃げ、さすがのグナクトといえど追撃が出来なくなった。炎熱剣をもったまま海に入ったら熱を奪われただのミスリルソードになってしまう。


 しかし、その目は新たな獲物を物色していた。


 左右に張り出した波止場基地の間から、リザードマンが逃げている海の向こうには多数のガレー船が見える。上陸部隊であるリザードマンがほうほうの態で逃げているのだ。再度の上陸作戦を敢行すべきか思案中だろう。


 敵が及び腰なら、こちらから出向いてやろう。


 グナクトはただちに波止場基地に向かって走り出した。


「やれやれ、嵐のような御仁だな」


 走り去るグナクトを尻目に、ガンタニがため息をつく。


 リザードマンを一掃し、辺りは戦後処理へと至った。そんな時。


「………恐れ入ります、ディルツ騎士団の方々、ジョリコ様を引き上げるのを、手伝っていただけませんか」


 消沈とした王国兵がガンタニに声をかけた。


「………わかった」


 ジョリコはリザードマン・チーフのあけた大穴に落ちているのだ。完全武装の騎士を穴から引き上げようとすると一人や二人では到底持ち上げられない。ましてやジョリコも大柄な戦士だった。体重100キロは楽にあったろうし、鎧に身を包んでさらに20~30キロは増えている。600の王国兵はリザードマンと死に物狂いの応戦をし、元気に振舞えるものはそういないのか、結構なものがその場にへたり込んでいた。


 手のすいているバルマンやガンタニ、ヨハンがジョリコを丁重に弔うために集まる。フランコはノルベルトを運んでいた。


 ジョリコは木片や土砂に埋まって、見るも無残な姿だった。だが、王国兵が穴から引き上げるべく木片や土砂を払うと、一トン以上の重さに踏み潰されたはずだが、穴に落ちたことによってほとんど潰れずにその生前の姿をとどめていた。穴の外にひっかかった状態となった脚は無残にも潰されてはいるが、うつぶせのままの上半身は何事もないかのようなのだ。


「………え、これは、もしかすると」


 ノルベルトの状態に似ているのではないか。


 ガンタニが首元に手を伸ばし、脈を測る。



トク トク



「生きてる!」


「ほっ、本当ですか!?」


 微弱だが脈がある。諦めていた王国兵が、まさかの朗報に一転歓喜の声をあげる。


 穴に落ち、木片と土砂に埋もれたこともプラスに作用した。何度も踏みつけられたもののそれらがクッションとなっていたのだ。鎧兜に身を包んでいることもあって上半身には何の傷も負ってなどいなかった。さらに、気を失ったから、砂地に顔を埋めたままでも窒息しないですんだのだ。


 直ちに引き上げられ、レオポルトのもとに搬送され、応急処置の回復魔法をかけてもらう。脚の再生はミミクルを待たねばならないだろうが、痛みと出血を止められる。2000のリザードマンを相手に、立派に防衛線をやり遂げたのだ。


 ノルベルトと共に、治療室へと運ばれて行った。


 そして、次の戦場は、海へと変わった。


「………フン」


 基地のバリスタ部隊は膨大な矢を受けたせいか、すでに組織的な反撃は行われていなかった。兵士たちはやられたのか、バリスタが壊れたのかしたのだろう。基地上部に上り、海上を睥睨するグナクト。


 50隻ものガレー船が健在だ。これらを始末しないことには、次の侵攻もありうる。


 上陸部隊はリザードマンに任せたが、船上での弓部隊は魚人、マーマンが担っているようだった。基地上部に現れたグナクトをたちまち発見し、ただちに弓を射る。


 最初に気がついた船が発射すると、四方の船からも矢を射掛けてきた。


 その数は1000を超える。


 豪雨の中、豪雨を上回る恐ろしいまでの数の矢が、グナクト目がけて襲い掛かる。


「………フン!」


 1000以上の矢に対し、グナクトの行動は単純だった。ただ、振り向いただけだ。


 龍革甲冑は、前方なら隙間もあるが背後なら隙間はわずかにも存在しない。そして当然、矢にたやすく貫通されるようなやわな装甲ではない。むき出しとなった右腕部分を左手で防げば完璧となる。1000の矢がリザードマン・チーフのようにはじかれてゆく。


 1000。2000。3000。


 普通なら到底防げない数の矢が次々に射掛けられ、そして、そのすべてがはじかれ落ちた。中には炎熱剣に当って燃え落ちる矢もあった。


 微動だにせず、そして何事もなく矢を受けて立ち尽くすグナクトの姿に、矢を射続けることの無意味を感じて魚人たちは次の行動を逡巡し始める。


「何だ、もう終わりか」


 ゆっくりと振り向く。


 にやり、と笑う。それを待っていたのだ。


 数千の矢を浴び続けても何の傷もつけられないグナクトに対して、それでも矢を射込もうとガレー船が近づいて来ていたのだ。そして、一番近い場所に来たガレー船に狙いを定めた。


 だっ、と駆ける。


 新たに放たれた矢に目もくれずガレー船に飛び移る。近づいてきたとはいえ、それでも十メートルほどは離れていたのだ。その距離を一気に跳んだ。恐るべき身体能力であった。


 マーマンたちが、自分たちに向かって跳んでくるグナクトに、必死に狙いをつけて矢を放った。


 あのリザードマンが蹴散らされ、逃げ出すほどの敵がいるのだ。そんなことは彼らの経験でもそうそうありえない事態だ。もし、乗船を許せばどうなるか、彼らとて理解できないはずはない。



カンッ



 顔を斜めにして、矢を回避するグナクト。基地から船に向かって跳ぶという、マーマン海賊にも予想できないはずの行動に出たにも関わらず、その動きを追尾し正確に矢を放ってくる。確かに、いい腕だ。


 次々に射掛けられてくる矢を、龍革甲冑で、炎熱剣で防ぎ、そして。



ドバァーーンッッ!!



 巨漢の超戦士が、乗船した。


 轟音をたて、甲板に立つ。甲板をぶち破ってしまうかと一瞬ひやりとしたが杞憂だった。


 人間には表情の変化が分かりにくいマーマンであっても、甲板に降り立ったグナクトに畏怖しているのが手に取るようにわかった。それでも、排除しないわけにはいかない。矢を放つもの、トライデントを手に取るもの、それぞれ迎撃の準備を整える。


「………無駄よ」


 走る。


 頬をかすめる矢を無視し炎熱剣を振るう。


 両断。


 数十体が一瞬にしてなぎ払われ、しかも、斬られた体が燃え上がった。


 この魔法剣の特色のひとつだ。グナクトの体力を食らってそれを熱量に換えるが、グナクトの気力が高まれば高まるほどにその熱量も増す。


 敵の船に十メートルも跳んで乗り込んだ。ここは敵地の只中。


 生命が躍動しないわけがない。


 炎熱剣ばかりか、眼光にもぎらりと剣呑な光を発し、グナクトは高ぶった。


「がーーはっはっはァッ!! これよ! この高揚こそ戦よォッ!!」


 帰って来たのだ。


 長かった。


 夢にまで見、心が病むまでに待ち焦がれた、戦場にまた帰って来たのだ。帰ってこられたのだ。


 たぎらずにおれようか。笑わずにいられようか。力を振るわずに、どうしていられようか。


「フンッ!!」


 背後を取ろうとしたマーマンを叩っ斬って燃やし、灰にする。


 自分は戦うしか能がない。剣を振るうしか能がない。それ以外には、何もやりたくなどない。


 そんな人間が、何十年も鬱屈の日々を生きてきたのだ。耐えて、腐って、諦念に心がやつれて、それでもなお、生き恥をさらしていたのだ。


 そうして、今日ここに、復活を遂げた。


 完全復活だ。


 そう思うと、これまでの鬱屈も、今日ここで晴らすことを目指してためにために、ためてきた気がする。


 ………ならば。


「哀れよのう、お前ら」


 今や白光を帯びつつある炎熱剣の輝きに照らされて、凄絶に笑いながら。


「ためにためた鬱憤、お前らで晴らすぞ」


 ニタァ、と笑う。


 地獄の悪魔でもそんな笑い方はしないと断言したくなる、獰猛な笑み。グナクトの正面にいてしまったマーマンは震え上がった。


「フンッ!」


 一方的な蹂躙劇が、またもや展開された。


 人間が震え上がる凶悪なる亜人であるマーマン海賊も、グナクトを前にはただただ震え上がるだけだった。


 抵抗も、命乞いも、抗戦も、泣き落としも、すべてが無意味だった。


 目に付いた船上にいるもの、すべてが斬られ、燃やされてゆく。


 出来たことは船から飛び降り、海中に逃げることだけ。もしくは、死んだ振りをすれば一時は生きながらえた。


 しかし、それも間違いであることをすぐに思い知ることとなる。


「フンッッッ!!!」


 何と、グナクトは剣を甲板に突き刺したのだ。


 強烈な熱量に甲板は燃えながら、溶けるように剣をすべらせる。そして。


 両断。


 大きなガレー船は、その下にいるオールの漕ぎ手ごとぶった斬られた。死んだ振りをしていたマーマンは燃え上がるガレー船に巻き込まれ死亡した。


 両断され、たちまちのうちに沈み行くガレー船から、グナクトはまた、跳んだ。


 必死の抵抗として矢の雨を降らせるのが、マーマンに出来たほとんど最後の抵抗だった。しかし、それもグナクトにはいささかの痛痒にもならまい。それどころか、ますます戦場の高揚を得て興奮するグナクトの命の炎に油を注ぐ行為に他ならなかった。


 体中に降り注ぐ矢を浴び、中には右腕を傷付け、頬をかすめ、血を垂らしもした。


 しかし、戦場での痛みですら、今のグナクトには逆効果だったのだ。


 懐かしい痛み。戦場でなければ得られない傷。


 今を生きている証なのだ。


 今も生きている証なのだ!


「ウオオオオオーーーォォッッ!!!」


 ますます生命の大火を轟々と燃え上がらせ、さらに動きが加速され俊敏になってゆく。戦場に出て、すでに小一時間。並みのものなら疲労を覚える頃だが、巨漢の超戦士のスタミナは底なしだった。全力で飛躍し、全力で剣を振るい、全力で目の前の亜人を屠ってもいささかの疲れも感じない。


 次々に軍用ガレー船を沈めてゆく。


 波止場基地から次々に船を沈め、乗り移り、進んでゆく。せっかくグナクトの猛攻を切り抜け船に戻ったリザードマンも、他の船がなすすべもなく沈んでゆくのを目の当たりにし、慌てて再度海に飛び込まねばならないほどであった。


 手当たり次第に乗り込み、手当たり次第に屠り、沈める。そして、とうとうその視線には目当てのものが見えた。


 他の軍用ガレーよりひときわ大きなガレー。


 船体から突き出たオールが三層にもなった大型軍用ガレーだ。当然、三層もオールを備えた分大きな推進力を生み出す。当たり前のことだが多くの人的資源を必要とするので軍用以外で運用することはない。また、こういった構造のガレーは古代から存在するが、船の構造上漕ぎ手の配置だけで結構な船内内部を占め、寝る場所にすら事欠くので長期運用はまったくできない。強い風も吹きにくい地中海という海だからこそ存在しえた存在だ。もちろん、外洋になど漕ぎ出でられるわけがない。


 ほとんどすべてのガレーが炎上し海中に没するにも関わらず、親玉のいるであろう大型ガレーはひるむことも、ましてや逃げ出すなどという風にも見えない。泰然と、悠然と、グナクトが蹂躙するに任せているようだった。グナクトから十数メートルほどの距離にあり、オールだけで三層ある分少し高い位置に甲板があり様子は伺えないがざわついている様子にはみえない。


「………フン」


 最後のガレーに炎熱剣をつきたて炎上させつつ、いまだ沈黙を保つ大型ガレーにグナクトは違和感を覚えた。


 ここまで一方的に、たった一人の人間に戦力をずたずたにされ、それでも何の対抗手段も逃亡もしないのは、親玉のもつ戦力だけでもグナクトを撃退できると考えているのか。


 油断するつもりなどないが、それでも一段と警戒しないといけないだろう。


「フンッ!」


 船を真横に真っ二つに斬り、下部の漕ぎ手まで炎に包まれて悲鳴をあげる阿鼻叫喚の地獄絵図を現出させるがまったく気にも留めず、沈む前にグナクトは体を大きく傾けて疾走した。そして、今までで一番飛躍する。


 これで残ったのは親玉のいる本船のみ。ここを潰せばこの戦いは終わる。


 少しは手ごたえのある奴が出て来いよ?


 グナクトは頬を吊り上げた。





 片輪。


 身体障害者に対する言葉は差別にもつながるので軽々に取り扱ってはいけないものでしょう。


 ですが、わたしはうかつな言葉狩りにも反感を覚える生き物ですし、会話の流れ的にこうしゃべった方がいいだろうという判断で用います。源氏物語でも登場する言葉だそうですし。


 そもそも、言葉狩りなどというものを始めたのも、米国人では? ちびくろさんぼは差別語だ、とかなんとか。日本人が黒人を差別した歴史はほとんどないはずですけどね。自分たちの正義こそ世界の正義、とか言い出すとか米国人はどれほどあh(ry

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