第9話 他の属性も試してみよう
初日からフェニさんに自習と言われてしまった俺は、とりあえず奈々が今までどんな訓練を行ってきたか聞く事にした。
「奈々は今までどんな訓練して来たんだ?」
「私?私はね~、火魔法はちゃんと使えたからとりあえず火魔法をたくさん練習してたよ。」
「火魔法は、ってことは他の属性も使ったのか?それと、練習ってのは具体的には何やってたんだ?」
「んとね~、まず他の属性はフェニさんが風魔法が使えるからそれを教えてもらったんだけど、上手くできなかったの。」
「上手くできなかった?」
「うん。ああ、でも一応成功はしたよ?ただ魔力を込め過ぎて、中級魔法ぐらいの威力になっちゃった☆」
「なっちゃった☆っじゃねぇよ!アホか!」
「むぅ〜。しょうがないじゃん。魔法の制御って難しいんだもん。」
「はぁ。お前そんなんで勇者としてやっていけんのかよ?」
「さあ?」
「………」
こ、こいつは此処が今まで俺達がいた世界とは違うということと、此処は決してゲームのような世界ではなく本当に死ぬかもしれないということを理解しているのか?
……はたして、こいつらを放置して自分1人で異世界観光なんてしてていいのだろうか、凄まじく不安になるな。
「はぁ、とりあえず俺は他の属性を試してみるから、お前は魔法の制御でもしてろ。」
「なんかバカにされてる気がするけど、まぁいいや。じゃあ、私は向こうで練習してるから何か分かんないことあったら聞きに来てね?」
「ああ。」
さて、奈々が離れて行ったことだし他の属性を試してみるか。とりあえず、俺は今の所火魔法が使えることが分かった。闇の加護があることだし、何が使えて何が使えないかなんて分かっているようなものだが、一応確認のために試してみないとな。
しかし、あんまり目立ちたくないから出来るだけ目立たず周りからは気付かれない魔法を使おう。まぁ、この場合新しく魔法を作らなくちゃいけないが、そこらへんは元の世界のテレビやらなんやらで鍛えられた想像力で何とかなるだろ。
「それじゃあまず最初に風魔法からいくか。使う魔法はそうだな……そよ風でも起こすか。しかし、詠唱何て考えられねーぞ。いいか、めんどくさいし、無詠唱でも出来んだろ。イメージ出来ればいけるはずだしな。……ブリーズ。」
ブリーズと呟いた瞬間、自分にそよ風が当たるのを感じた。此処は屋外だから1回じゃあ、ちゃんと成功してるかどうか不安だから何度かやってみる。すると、俺がブリーズと呟く度にそよ風が起こった。これなら風魔法が習得出来たと思ってもいいだろう。まぁ、ステータスを見れば1発だがめんどいので、他の属性に移ることにする。
「火、風と来たから水魔法でもやるかな。水魔法なら手のひらに小さな水の球でも作ればいいだろ。そんじゃあ……ウォーターボール。」
今回も俺が呟いた瞬間、体の前に出していた手のひらに小さな水の球が現れた。特に攻撃するようなイメージを入れていないからか、水の球は勝手に飛んで行くことはなく、手のひらに微妙に浮いている感じになっている。これで水魔法も習得したな。この調子で土魔法も習得するか。
「土魔法はそうだな……。土の球を作るのが一番かな?屋外だから土に関しては問題ないし。そうと決まったらやるか。……ソイルボール。」
俺がそう呟いた瞬間に足元にあった土が一箇所に集まりだして1つの球を形成した。これで土魔法も習得することが出来ただろう。
本当なら此処で光魔法と闇魔法も試したいところだが、光魔法は闇の加護を持っている以上出来ない可能性が高いし、闇魔法に関しては魔族しか使えない属性だから誰かにばれた場合面倒なことになるのが分かりきっているから、此処で使うようなことはしない。
なので、とりあえずは今日の魔法の訓練は終了することにする。使ってみた感じ、やはりINTの値が高いからか制御している感じもせずに簡単に魔法を使うことが出来た。やはり俺のステータスは魔法に関してのみでチート過ぎる。その他の部分が改善された瞬間に俺は本物の化物になるだろうな。
まぁ、その力を使う俺自身が堕ちたりしない限りは化物として扱われることもそこまでないだろう。少なくとも、あいつらに討伐されるなんて未来が来ることは無いはずだから、俺自身がしっかりしてればいいさ。平和な日々が続くように願いながらな。