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第8話 初めての魔法

 仕事が忙しく、あまり時間が取れなかったので、今回は1話のみの投稿となります。

 今回のように仕事の関係で間がかなり空く可能性がありますので、ご了承下さい。

 俺は自分のステータスが理論上はチートであることを知ったため、それを確かめるべくある場所へと向かっていた。その場所とは凪達が訓練している場所、兵士達の訓練場である。訓練場はかなり広く作られていて、大体の大きさは野球場のグラウンドぐらいの大きさはあるだろう。そこは屋外に作られているため、何かあっても大丈夫だろうと思い、向かっている。まぁ、今回はあくまでおれの性能を知るために魔法の練習をしようとしているだけなので、そこまで大きな魔法を使うつもりはないが。




 というわけで、やって来ました訓練場。訓練場にやって来た俺はとりあえず、凪達を探す。まぁ、探すといってもキョロキョロ見回さなくてもすぐに分かるんだけどな。ある一帯に全員が固まって基礎的な訓練やら対人訓練やらやっていて、あいつらはその中心部で騎士隊長自ら教えている。今は武器の扱い方を教えてもらっているようだな。奈々はどうやら魔法の訓練のようだが、全員一ヶ所に固まっているなら好都合だな。なら、あいつらと騎士隊長にちょっと挨拶してくるか。




「バトスさん、こんにちは。」


「む…。エイト君…だったな。どうした、何か私に用でもあるのか。」


「ええ、ちょっと自分も訓練をしようかと思いまして。まぁ、魔法の訓練何ですがね。」


「……詠斗。……調べものは、もういいの?」


「おう。大体のことは調べてきた。だから俺もそろそろ訓練しようと思ってな。」


「……そうなんだ。……それじゃあ、奈々との訓練になるね。……頑張ってね。……私はまた訓練して来るね。」


「おう。怪我しない程度に頑張れよ。」


「……ん。……詠斗もね。」


「ああ。」


「それじゃ、私と一緒に魔法の訓練しよ!」


「そうだな。では、バトスさん、奈々と一緒に訓練しても大丈夫ですか?」


「ふむ。君は魔術師の素質があると勇者達が言っていたが、ステータスはどうなっているんだ?」


「鑑定のスキルを持った方はいないんですか?既に調べられていたかと思っていたんですが?」


「いや、勇者達と君が持っているほど高性能な鑑定スキルを持っている人はいない。せいぜい分かっても名前、年齢、種族、職業のみだ。一部の者は所持スキルも分かるようだが、ここにはいないな。」


「ということは、ほとんどの人が他人の能力値と称号が分からないんですか?」


「ああ、そうだ。だから、能力は戦ったり、自白したりしない限り他人が知ることはない。」




 これは、思わぬ発見だ。つまり、これは俺のチートステータスを頑張れば隠しきれるということだ。俺のステータスは国に知られれば間違いなく魔王を倒すだけではなく、戦争にまで巻き込まれるようなステータスだ。これは良かった。後は、あいつらに他言しないように言い聞かせれば問題はないな。



「それで?君はどのくらい何だ。」


「そうですね。大体の感じで言いますと、奈々より少し強い、といった感じです。」


「ほう。そうか、それなら問題はないな。よし、フェニ!こっちにこい!」


 バトスさんが呼び掛けると、先程まで奈々の魔法の訓練をさせていた人がやって来た。フェニと呼ばれた女性はどうやら人族のようだ。茶色の髪を肩まで伸ばしている。身長は奈々より少し高いぐらいだな。スタイルは、まぁ、その、何というか、色々と凄い、とだけ言っておこう。


「どしたん、バトス?私に何か用?」


「……おい、フェニ。(ここ)では敬語を使えといつも言っているだろうが。」


「もう、固いな~バトスは。別に良いでしょ、私とバトスの仲でしょ。それにここには兵士達と勇者しかいないんだし、別に問題ない、問題ない。」




「奈々、あの人は?」


「あの人はフェニさんで、バトスさんの奥さんだよ!」


「…………は?あの人が、バトスさんの奥さん?」


「うん、そうだよ。」


「は~。すげぇなバトスさん。一体どうやって籠絡したんだ?是非ご教授していただきたいな。」


「詠斗もやっぱり男だね。胸が大きい人が好きだなんて。」


「ふふっ、奈々は分かっていないな。大きさだけが胸の良さではないのだよ。」


「……え?」


「胸は大きさだけではなく形や、その人の体格や、性格との相性と、様々な要素が組み合わさってその人の魅力として出てくるんだ。」


「……え?…え?」


「つまりだ奈々。大きさだけで胸の良さを決めるようではまだまだだぞ。」


「え、え~と。私は女だから関係ないような。ま、まぁ、いいや。それなら凪ちゃんはどう?」


「ん?凪か?……そうだな。あれは一種の完成形と言えるだろう。凪は貧乳ではあるが、元々小柄なためにそれが丁度良く、そして、顔立ちも童顔。更に性格も幼さを感じさせる。なのに、17歳という合法ロリが認められる状態だ。あそこまで完璧な要素が集められた胸に勝てる胸は少ないだろう。」


「ふふっ、本当に詠斗は凪ちゃんのことが大好きだね。」


「……まぁ、な。」


「……ねぇ、詠斗。そんなに好きなのに、どうして旅に凪ちゃんを連れていかないの?」


「……………。」


「言えないこと、なの?」


「悪い。少なくとも、今は言えない。」


「……そっか。でも、せめて凪ちゃんには言ってあげてね。」


「……善処する。」


「お前ら、こっちこい。」


「バトスさんが呼んでる。行くか。」


「……うん。」






「エイト君、こいつが家内のフェニだ。魔法の訓練はフェニが担当している。そして、宮廷魔術師だから、色々なことを知っている。分からないことがあったらこいつに聞け。それじゃあ、フェニ。後は頼んだぞ。」


「は~い。それじゃあ、エイト君。私はフェニ・クリュート。バトスの奥さんだよ~。よろしくね、エイト君。」


「はい、フェニさん、よろしくお願いします。」


「そんなに固くならなくてもいいよ~。私はそういうの気にしないから。」


「はぁ。そうですか。じゃあ、敬語は無しで大丈夫か?」


「あら?切り替え早いのね。まぁ、それでいいわ。私も堅苦しいの好きじゃないしね。それじゃ、早速訓練開始しましょうか。」


「いきなりですか?俺はまだ魔法を使ったことも、見たこともないんですが。」


「あら?そうなの?それじゃあ、軽いの見せてあげるわ。」


 そういうと、フェニさんは俺達から少し離れ、魔法訓練用に立てられていると思われる的に体を向けた。


「それじゃあ、行くわよ。……求むるは敵を打ち砕く火の弾丸。我が魔力を糧として、仇なすものを討ち滅ぼせ!ファイアーボール!」


 フェニさんが詠唱を終えた瞬間に的に向かって突きだしていた右の手のひらからこぶし大の大きさの火の玉が現れた。そしてそれは的に向かって一直線に向かっていき……爆発した。煙が晴れるとそこには木っ端微塵になっていた的だった。



(……え?ちょっと待って。威力高すぎじゃないか?それともあれが普通なのか?でもファイアーボールって下級っぽい感じがするんだが。)



「ふふっ。どう?エイト君。私の魔法は。」


「……正直威力が高すぎで驚いてる。」


「そりゃそうよ。これでも元は冒険者として色んな敵を相手にしてきたんだから。これぐらい出来て当然よ。」


「いや、ホントにすごいな。さっきの詠唱って自作か?」


「私の師匠が考えたやつだよ。まぁ、詠唱しなくても出来るけどね。初めて見るなら詠唱があった方がそれっぽいでしょ?」


 すごいな。まさかここまで威力があるとは。しかも無詠唱も体得してるのか。ちょっとフェニさんのステータスを見てみるか。




フェニ・クリュート

種族 人族

性別 女

年齢 33

職業 宮廷魔術師

Lv 40

HP 350/350

MP 640/650

STR 250

VIT 200

INT 500

MND 550

AGL 200

LUK 100

~スキル~

火魔法

風魔法

光魔法

生活魔法

~称号~

炎嵐の魔女

Aランク冒険者

バトスを影から支える者




 おお、宮廷魔術師やってるだけはあるな。っていうか、Aランク冒険者だったんだな。しかも二つ名っぽいものまであるし。多分これが人族の中で上位に値する能力値何だろうな。そうなると、俺のステータスはホントに規格外になるんだが。


「さあさあ、今度はエイト君。君が逝ってみよー。」


「いや、やり方分からないし、しかも何か今の発言おかしかった気がするんだが。」


「気のせい気のせい。やり方はさっきの火の玉を手のひらから出るのをイメージして、それが真っ直ぐ飛んで爆発する感じで行けば大丈夫だよ。」


「はぁ、失敗しても知らんからな。」


「大丈夫大丈夫。簡単な魔法だから失敗しないって。さあ、あの的に当ててみよ!」


「はぁ。」


 ダメだこの人。マイペース過ぎる。いや、いいか。どうせやってみなきゃ俺のステータスがどれほどのものなのか分からないし。あ、でも流石に全力でやったらここら辺一帯火の海どころか何にも無くなる可能性もあるか。じゃあ、フェニさんが撃ったのをイメージしてやってみるか。


「じゃあ、いきます。……求むるは敵を打ち砕く火の弾丸。我が魔力を糧として、仇なすものを討ち滅ぼせ!ファイアーボール!」


 俺が詠唱を終えると、手のひらからフェニさんの時より一回り大きい火の玉が現れ、一直線に飛んでいき……爆発した。フェニさんの時より大きな爆発だった。


「……え?」


「お~。上手くいったな~。案外出来るもんだな。」


「いやいや、私結構本気で撃ったんだよね。それなのに最初の一発で私の威力超えるって相当だと思うんだけど。どのぐらいMP消費した?」


「ちょっと待ってくれ。今見るから。」




黒川詠斗(クロカワエイト)

種族 人族

性別 男

年齢 17

職業 無職

Lv 1

HP 50/50

MP 4990/5000

STR 50

VIT 50

INT 3000

MND 3000

AGL 50

LUK 1000

~スキル~

異世界言語完全理解

全鑑定

火魔法

隠蔽魔法

~称号~

闇の加護(秘匿)




 ん?何かスキルの欄が2つ増えてるな。まぁ、火魔法は分かるとして、隠蔽魔法?これってもしかして、闇の加護隠す為にやったやつか?あれ、魔法だったんだな。このままにしててもいいけど、一応隠蔽魔法も隠しておこう。……よし、これでよし。それにしても、俺のMPフェニさんと同じ10しか消費してないんだが。まぁ、INTがかなり高いからしょうがないか。


「あー、フェニさん。消費MP分かったぞ。」


「そうなの?どのくらい使ってた?あれだけの威力と、最初であること考えるといきなり50とか使ってたんじゃないの?」


「10だ。」


「……え?」


「10だ。」


「……私、自信なくなってきちゃった。」


「ま、まぁ、俺は知識とか経験とかがフェニさんと比べればかなり少ないからな。実際に戦ったり、威力勝負でもない限り、まだまだフェニさんには劣るからさ。俺の師匠として、俺を鍛えてくれないか?」


「……まぁ、いいわ。君の実力なら直ぐに追い抜かれそうだけど、私の知っている魔法の知識を全部教えてあげる。」


「ありがとう!これからもよろしく頼む、師匠。」


「ええ、任せなさい。とりあえず、今日は自習よ。」


「え?自習?」

「ええ。君のせいでもう精神がボロボロなのよ。こんな状態じゃあ、魔法がまともに使えないわ。」


「……すまん。」


「別にいいわ。まだまだ上がいる事が分かったからそれで良しとするわ。……まぁ、今日はバトスに甘えまくってやるわ。」


「……(ごめんない、バトスさん)」


 ということで、今日の魔法の練習は自習となりました。

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