五話
お気に入り登録が少しずつ増えて嬉しい限りです。
それと、本当に今更ですがこの小説はビッチの絡むイベントがあると若干の性的描写が大体あるかな?と思われます。
そういった時はこれから前書きにビッチ注意報と書いておきます。
不快な方は気をつけて。
おかしい・・・さっきからなにかが変だ。
蛇と出会ってから数分経った頃。
「シャーーーーーッ!!」
「そう簡単にゃ当たらねえよ!!」
感じるのは違和感―――どうして俺は、さっきからこいつの攻撃を避け続けることができる?
最初にこいつの攻撃を避けることができたのは反射によるものだと思う。
だが、それからは違う。
目で見て、体で避ける・・・すなわち、反射が働いていない状態、自力で避けている。
なんていったらいいだろう・・・動体視力が上がった・・・いや、動体視力だけじゃなく、身体能力の全てが上がっている気がする。心なしか体全体が軽く感じるし、ステップも俊敏になっている。
これが、違和感の正体なのだろう。
蛇の攻撃を避け続けているのはいいのだが、このままじゃジリ貧になって体力が尽きたところを狙われるのは明らか。
さっきからずっと攻撃を仕掛けられているが、蛇の方は疲れた様子がまったく見られない。
なにか効果があるような攻撃でも与えられれば俺にも十分勝機があるのだが・・・。
殴って効くような相手じゃなさそうだしな・・・ん、待てよ?
もし本当に俺の身体能力が上がっているとしたら、パンチ力とかも上がっているのじゃないだろうか?
試しに、一発くらわせてみるか。
さすがにカウンターを狙える程の技術は俺には現段階の状態では無い。
ボクシングは少しかじった程度だからな。
だったら、あの蛇に一発食らわすためには俺から打って出る必要がある。
身体能力が上がっているのは気のせいだった場合、そのまま反撃されて良くて怪我か、最悪死ぬ可能性もあるだろう。
でも、このまま回避するだけじゃどうせやられる。
だったら、一か八かでも試してみるだけだ。
狙うなら、蛇の攻撃が止む一瞬の隙の間だ。
・・・今だ!!
「うおぉぉぉぉぉぉぉッ!!!!」
隙をジャストタイミングで突き、素早く蛇の頭部の部分へ移動。
蛇は、俺が反撃に出るとは思っていなかったのか驚いているような雰囲気を感じとれる。
「くらいやがれ!!」
移動した勢いを利用して、体重と腰の回転をフルに使った俺の全力のパンチを放つ。
ボゴォッ!!
・・・頭蓋が砕けたような手応えを感じた。
蛇の頭を見れば陥没していた。
俺のパンチ力は、こんな大きな生物の頭蓋を砕くほどの威力はなかった。
しかし、今こいつの頭蓋を砕くことができた。理由は分からないが、俺の身体能力が上がっているのは確実のようだ。
それはともかく、だ。
さすがに頭蓋を砕かれて生きている生物は早々居ない。それに、これだけ陥没していれば脳だって無事じゃ無い筈だ。
とりあえず、さっさとコイツを運んで美雪を引っ張りあげないとな。
これだけでかいと抱えて運ぶのは無理だろうな。
とりあえず引きずっていくか・・・。
そう思って、蛇の尾の方に移動したのはいいが、
「g・・・あsfg・・・・・・がいghjはおぱgsjjjjj!!」
「なっ、なんだ!?」
蛇がいきなりこの世のものとは思えないほどの叫び声をあげながら暴れだした。
つーかあのダメージでまだ死んでなかったのか!?
「ちょ・・・やばい!」
突然のことで俺はその場から離れる、という行動に移るのが1テンポ遅れる。
蛇はその隙を見逃さず、大口を空けて飲み込もうとする。
一瞬でも反応が遅れていれば、逃げることのできない速さだった。
だから、俺は攻撃を避けるのを諦めた・・・というよりかは何もできないといった方が正しいか。
(・・・クソ、美雪の野郎が俺を巻き込まなければ」
心の中で悪態をつく。
八つ当たりな気がしないでもないが・・・・・・。
・・・ああもう、本当に厄日だ。
まさか成人を迎える前にこんな訳わからんところで死ぬとか・・・・・・。
『ブレス』
どこからか声がした。
同時に、俺に迫っていたはずの蛇が真っ赤な炎に包まれ、一瞬にして消し炭と化した。
・・・何が起こったかはわからないけど、俺は助かった・・・・・・のか?