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四話

とりあえず異世界突入。

どんな世界観にしようか悩んだ結果、とりあえずはゲームのチュートリアルとかでよくあるような草原にしました。

「ふぅ」


焦っても自体が変わるわけじゃない。とりあえず深呼吸して落ち着こう。

・・・よし、少しは落ち着いた。

まずは、状況確認と地理の把握だ。

えーと、不良達に絡まれて、ナイフで刺されそうになる。目を瞑って、また目を開いたら何時の間にかここに居た。

・・・全く以って訳がわからん。

なぜこんなところにいるのかはまず置いておこう。

次は地理の把握だ。

周りを見渡してみたところ、目立つところだけを挙げるなら、体の半分くらいを覆う長さの見渡す限りの草原に、数キロくらい先に村?のような所と、そのさらに向こう側に先がまったく見えない塔のようなものがある。

この風景と一致するような場所を頭に思い浮かべてみたが、どこもこの風景と一致しない。

少なくとも日本じゃないことはたしか。

そもそも、ここは俺たちがさっきまでいた世界なのか、ということすら疑問に思う。

仮に俺たちがいた世界にあんな立派な塔があれば、俺が知らない筈がない。常識的に考えて、だ。

だって、あの塔空を越えるくらいの高さがあるんだぞ?


もしかして、ここはいわゆる異世界ってやつか?

・・・そう決め付けるのはまだ早いか。

とりあえず現地の人に話を聞こう。

先ずはそれからだ。


そう決めた俺は、遠くに見える村へ向かって歩き始め「キャアアーーーーーッ!!」・・・ようとしたのだが、人の悲鳴が邪魔をした。

聞こえた声の大きさからして、ここから大して離れていないだろう。

おまけに、美雪の声のようにも聞こえた。

なにが起こってるのかはわからないがとりあえず行ってみるとしよう。


声の持ち主の所にたどり着くのは簡単だった。

助けてとか、誰か、とか大声で叫びっぱなしだったからな。


「美雪・・・お前、そんなところでなにやってんだよ?」


案の定、声の持ち主は美雪で、3メートルくらいの深めの穴の中に居た。


「弦!?弦なのね?あんた、さっさとここから私を出しなさい!!」


「・・・了解」


あまりの自分勝手っぷりに思わず見捨てちまおうとかも考えたが、さすがに見てみぬフリはちょっと気が引けたから助けることにした。


「ロープ的な物さがしてくるからちょっと待ってろ」


そう言って俺は、早々とロープ代わりになるものを探しに歩き始める。


「さっさと見つけてきなさいよ!!」


ギャーギャー騒いでいる美雪の言葉はとりあえずスルー。

改めて見ると、とても綺麗な草原だ。

綺麗な草原なんだが・・・正直この草は鬱陶しい。

軽く俺の身長の半分以上の長さがあるからすごい歩き辛い。

掻き分けながら進まないとすぐ手足に草が絡まってしまう。


「・・・ん?」


その時、ほんの少し離れたところからガサッ、というなにかが草の間を通り抜けるような音が聞こえような気がした。

音のした方向を見てみると、草が蛇のよな一定の軌跡を描きながらガサガサと揺れている。

推測するからに、長さは5メートルくらいの蛇のような生き物が、草の下を動き回っているといったところだろう。

それだけなら、別になんの問題もない。

これだけの草原なんだから日本じゃ見ない大きさの生き物が1匹や2匹いてもおかしくないだろう。

ただ問題なのは、その生き物が明らかに俺の方に向かってきていることが問題なんだ。


「・・・とりあえずここから離れるか」


一瞬だけ、あの蛇っぽい生き物をロープ代わりに使おうと思ったが、やめた。

あれが本当に蛇だとしたら、毒がある可能性もあるし、首を締め付けられたらこっちが死ぬ可能性もある。

危ない橋は渡るべきではない。

そう思い、コソコソと少しずつ場所を離れるのだが、蛇っぽい・・・もう蛇でいいや、蛇はどんどん近づいてくる。

おまけに、こっちが歩く速度を速めると向こうはそれ以上に速度を上げてくる。

全力で走れば振り切れるだろうけど、生憎とこの草の所為で全力疾走は無理だ。

・・・逃げるのはあきらめよう。

仕方ないし、あの蛇をロープ代わりにする方向で行くとしよう。

俺は歩くのをやめて、蛇の方を向いて、とりあえずファイティングポーズの構えをとる(一応ボクシング経験有り)。

飛び掛ってきたときにでも、パンチの要領で掴んでしまえばいいだろう。


蛇の方は、俺が動きを止めたの好機と思ったのか、一気に俺との距離を縮める。

そして、俺の顔目掛けて飛び掛かってきた。

この時、俺はこの蛇を掴もうという気は一切起きず、しゃがんで回避した。


「たしかに蛇だったようだけどよ・・・軽くアナコンダじゃねえかよ」


さすがに、ここまで大きい蛇だとは思わなかった。

全長約5メートル、太さは直径15センチ・・・こんなやつ掴んで腕締め付けられでもしたら確実に折れるな。

とっさだったけど避けて正解だ。


なにか刃物か鈍器でもあればいいんだけど・・・残念ながらそんなものは持ち合わせていなかった。

この蛇を素手で倒せとか・・・無理。

はぁ・・・どうしようか。





草原とか、村とかが大好きな作者。

無論、ダンジョンとかも好き。

DQとかの主人公が羨ましいw


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