第9話:問題児?
麗奈と出会ってから1ヶ月も過ぎたろうか。
6月。最近は雨ばかりで、女子達の
「髪広がる〜ι」ってな声も聞き慣れた。
あれ以来、麗奈とも大分打ち解けて、俺もちゃんと話せるようになった。
まぁ、初めはカミカミだったかんなぁι
「悠く〜ん!あ〜そ〜ぼ〜vv」
最近席替えをして、一番端の、一番後ろになった俺。そして前の席になった尚が俺を振り返り言った。
「遊ぶってなぁιお前も一応高校生なんだからι」
「え〜!!一応じゃなくて、ちゃんと高校生なの!!
ねぇ〜ぇ〜!あ〜そ〜ぼ〜!」
「ダァ!俺は保父さんじゃないの!ι」
「失礼な!僕は高・校・生!」
「中身は小3のなι」
「もぅ!せめて4年生!」
「あんま変わんねぇよι」
「変わるの!!」
「発想は完璧小学生だなι」
俺が尚とそんな会話をしていると、隣から声がした。
「(笑)保父さんも大変だなぁ、悠斗。」
「本当にι誰か〜変わってくれ〜ι」
「俺パス!!」
「早Σ」
こいつは近藤竜也。
前はそんなに仲が言い訳でも無かったが、席が隣になってからは良く話すようになった。
「たっちゃん!あ〜そ〜ぼ!」
「あ、乗り換えた(笑)」
「あ〜無理無理!!俺は保父さんにはなれない!」
「もぅ!みんなして!良いもん!
ま〜こ〜ちゃ〜ん!!」
どうやら小沢に遊んで貰うらしいι
てかあいつ等何して遊んでんだ??
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「ダウト!!」
ダウトかよ?!
今時なかなか聞かねぇぜ?ι
「ダウトかよ(笑)」
隣で竜也が同じ突っ込みを入れた。
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1日の授業も終わり、下校ってな訳にもいかずι
今日は委員長会があるので、俺は1人で生徒会室に向かった。
自分の教室のある3階から、一度1階に降り、中庭を歩いて隣の校舎に入り、そこからまた4階に上がる。
そして、やっと行き着いた生徒会室のドアを開けようとした正にとき。
----ガチャ
----ドン!!
「うわぁ!!!」
「うわぁ!!!」
目の前のドアがいきなり向かって来たことに、俺は驚いて声を上げた。
誰だよ!!俺の反射神経がもうちょっと悪かったら、絶っっ対顔面直撃してるぞ?!
俺がまだ速いままの鼓動を、必死で落ち着けながらも、心の中で毒づいていると、ドアを開けた時に叫んだもう一人。
つまりドアを開けた張本人が口を開いた。
「ごめん!大丈夫やったぁ?!怪我してない?!」
……ん?
この口調って…。
「れ、麗奈?!」
俺はその口調と声から、直ぐに麗奈だと分った。
「…?
あぁ!なんやぁ、悠斗やったん(笑)良かったわぁι怖い人やったらどないしよ思ったわι」
「あ!せや、怪我してない?!モテ男の顔に傷でも付けたらファンに怒られるわ(笑)」
そんな風に笑う麗奈を見て、思わず俺も笑顔になった。
「いや、大丈夫だよ(笑)怪我も無いし、ファンも居ないし♪」
「居るやんか!!特に裕子なんかむっちゃ怖いわι」
そんなやり取りをしていると、中から生徒会長が声を上げた。
「ちょっと麗奈!!美人さん2人でじゃれてないで、早く始めるよ!!」
「じゃれてるってι猫とちゃうねんから!うち美人ちゃうしι」
「麗奈が美人じゃなかったら私はマントヒヒだね〜。」
いや、生徒会長ι何でよりによってマントヒヒをチョイスしたんすか?!
「この前はウシガエルやったやんιまぁええわι
悠斗入り。始めよか♪」
ウ、ウシガエル?!この人が生徒会長でこの学校大丈夫か?!なんて疑問に思いながら、俺は麗奈の言われ、生徒会室に入った。
全員が揃ったところで、生徒会長が声をかけた。
「それじゃ、委員長会始めま〜す!今日の議題は、今年の文化祭の事で〜す!」
文化祭かぁ…。確か9月って言ってたよなぁ??
「じゃ、先週言った通り、クラスで決まった大体のこと教えて下さい♪」
そうして、次々と他のクラスの委員長が、自分のクラスで話し合った結果を述べていく。
「1Aはフランクフルト希望です。」
「は〜い♪」
「1Bお好み焼き〜。」
「は〜い♪」
「1C金魚すくいです。」
「は〜い♪」
「1Dクレープっス。」
「は〜い♪」
部屋にはそんな委員長の声と、気前の良い生徒会長の返事が響いていた。
そぅ言えば…俺のクラス、何になったんだっけ?
確か俺、決めるとき他の用でいなかったんだよなι
え…と…。
……………は?!
俺は話し合った結果の書かれたノートを見て固まった。
あいつら…ぜってぇふざけやがった!!正気でこんなもん出来ると思う筈がねぇだろ!!
………Σ
一人考え兼ねない奴がいるわι
…尚だι
それ以外あり得ねぇ!!
俺が頭に尚の“してやったり”って言う満面の笑みを思い浮かべ、ムシャクシャしていると、次は自分のクラスという所まで順番が迫っていた。
「1Gイカ焼きです。」
「は〜い♪」
来たι
良いのか?!クソ!この際一か八かだ!
俺はやっと決心して、恐る恐る口を開いた。
「い、1H…。
け、健康ランドですι」
………。
やっぱダメ??
ですよねぇ……?
「は〜い♪」
なんだ良いのかι
って良いのか?!生徒会長さん!!聞こえました?!健康ランドですよ?ケ・ン・コ・ウ・ラ・ン・ド!!
俺のそんな心配もよそに、委員長と生徒会長のリズムの良いやり取りが続いていた。
やっぱこの生徒会長……。
大丈夫なのか?!
淡々としたやり取りは、まだ続いていた。
秋野悠斗。
色んな意味で文化祭が不安になってきた今日この頃ですι
今回はあんまり進展がなかったですねι次は少し何かがある…予定です。
また良かったら読んでやってください!




