表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/22

第8話:黒は1人で



朝礼も終わり、俺は授業の用意をして自分の席についた。




にしてもι今日の朝礼はやたら長く感じた。


校長の下らない話しも、いつもは他にすることもなくて、心の中で突っ込みを入れてやっているが…ι(相当暇だな?!by英太)


今日はそれどころじゃなかったι




俺はまた麗奈のことを思い出していた。


……恋なぁι

“初恋は叶わないもんだ”ってよく聞くけど…。でもやっぱ、初恋だからこそ叶えたいもんじゃん?!


まぁιでもやっぱり、自分が本当に恋してんのか…。


ダァ!わかんねぇι


にしてもだ、あいつ等3人の、麗奈を誉めちぎった後の『頑張れ』発言って…。

素直に応援として取るべきか…それとも…?!

ライバル宣言か?!

でももしかして…俺って一歩リードじゃん?!

だって名前覚えてもらったし、大体喋ったのも俺だけだし…ねぇ??やっぱ一歩リードじゃん!!




--ッ!


なんだぁι焦ることないんじゃんvv



---君!!


やったねぇvこれでちょっと安心vv



----バシッ!!


「…ッ? 痛ってぇ!!」



俺はいきなり感じた衝撃に、現実の世界に戻った。


そして恐る恐る顔を上げると……?


そこには現代文の教科担任が、鬼のような顔をして仁王立ちしていた。



「痛いじゃないでしょ?!何回呼んだと思ってるの?!

授業始まらないじゃないの!委員長さん、号令!」


……委員長さん号令ってあんたι


……



「…って俺じゃん?!」


俺は慌てて起立した。



「秋野君にしては珍しいわねぇ?

大丈夫??」


教科担任が俺の顔を覗き込んで聞いてきた。



「すいません;

最近寝不足でちょっとι」


俺は慌てて、即興で言い訳を作った。



「そうなのι勉強も良いけど、ほどほどにねι」


どぅやらこの人は俺の言い訳を本気で受け取ったらしい。


……単純で助かったι



「は…はいι」




そして号令をかけ、着席すると、隣の席の尚がニヤリとしながら俺に耳打ちしてきた。



…ボソ



「!!」



おぃ?

こいつも黒キャラなのか?!







…ボソ

「寝不足ねぇ…。

可愛いvv悠斗ちゃんvv」




俺はその授業の内容が、まるで頭に入らなかったι




------------


今日は本当に長かったι

やっと授業終わったなι



にしても…。朝礼の時の英太にしても、授業の時の尚にしても…。


………俺の周り、ブラックなキャラ居すぎだろ?!

あぁ言うのって『クラスに一人は居るタイプ』とかじゃないのか?!

何で2人も居るんだよ?!


「いやιそこ数の問題じゃないだろι」

「ぁあ?!数の問題だろ!!2人だぞ、2人!!1人居れば十分だよ!!」


「てか、1人だったら居て良いのかよι」


「そこ突っ込むとこじゃ無いだろ!!」

「そこ以外どこに突っ込み求めてんだよ?!」


「そこは、3人だったら良いのかよ?!だろ!」


「そんな難易度高い突っ込みできるか?!てか最早それ突っ込みじゃないだろ?!」



……まったく!こいつ分かってないなぁι


……?


……………?


待て。俺さっき一人で考えてただけだよなぁ?


俺誰と話してんだ?!



「悠〜斗〜」


----ビクッッ!!


俺は声のした、自分の後ろの席をそっと振り向いた。


そこには、引きつった笑いを浮かべた小沢がいた。


「なんだ小沢かぁ〜ι」


「なんだじゃないっつの!!」


……でも…?

「何で俺の思ってることに突っ込み入れられるんだ?!」

まさか!こいつもエスパーか?!


「アホか!悠斗さっきから全部口に出てるっつの!!誰がエスパーだよ!」


「…え?」


…マジ?全然気付かなかったし!


「悠斗大丈夫??なんかおかしいぞ?疲れてんの?」


確かにι思った事口に出してるってとこで普通におかしい奴だなι


はぁι麗奈の一件から絶対おかしくなってるはι



「有り難う。まぁそんなとこだと思うわι」


俺は小沢のおかげで、やっと少しづつ冷静さを取り戻し、そう返事をした。


小沢ιお前だけだよι黒を感じないのはι


俺は心の中で素直にそう思った。


…が。


次の小沢の言葉に、そう思った事を酷く後悔した。



「初恋の病は重いのねvv」




拝啓

お母様。


僕の周りには、ブラックは2人。改め、3人居るようです。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ