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第6話:朝の出来事

俺は彼女に目を奪われたまま、内心で思いっきりパニックを起こしていた。



----バシっっ!!


--「ぅわぁ!!」



肩に感じた、いきなりの強い衝撃に、俺は驚きの声を上げると同時に、スッとパニックを収める事ができた。



そして誰かに肩を叩かれたんだ!と、やっと理解して、慌てて振り向くと、そこにはメールのゆうちゃんが立っていた。


ゆうちゃんとはあれから、なんだかんだでメールしていて、学校で会えば話したりと、大分親しくなっていた。


第一印象は最悪だったものの、今では結構良い印象に変わっていた。



「悠斗チャンおっはぁvv今日も格好いいねぇvv」


「ゆうちゃんおっはぁ(笑」


俺は軽いノリで挨拶を返す。


「裕子!!もっとちゃんと挨拶くらい出来ないの?ねぇ悠斗君?」


そぅツッコミを入れてきたのは、ゆうちゃんがアドレスを聞いてきた時に一緒にいた背の高めの先輩。三田麻衣子(ミタマイコ)通称まいちゃん。(このあだ名も半強制的に呼ばされてるι)



「まいちゃんおっはぁvv元気ぃ??」


「尚〜〜vv今日も可愛いねぇvvもぅお姉ちゃん食べちゃいたいvvキャハッ//」



何気に危険な発言しないで下さいよお姉さん?!


“キャハッ//”とか勝手に照れてる場合じゃないから?!



…てかあんたもゆうちゃんと変わんないじゃんかι



俺はまいちゃんにバレないように心の中でツッコミをいれた。



「ねぇねぇ、悠斗さっきずっと何ボーっと見てたの??」


っっ!ゆうちゃん意外に鋭いιι


てかいつから居たんだ?!



「別に何も見てないよぉ〜?!」


俺はそぅとぼけながら、何となくまた遠くに居る、パニックの原因となった彼女を見やった。



「悠斗君vvそぅ言いながら目線が麗奈(レイナ)に杭づけよんvv」



……麗奈??



「まいちゃん!あの美人な人麗奈っていうの??」



まいちゃんとじゃれていた尚が、ゆうちゃんの話しに即座に反応して、そぅ言った。


…そぅいうことなのか?!


俺は尚と一緒にまいちゃんの答えを待った。



「そぅだよvv美人に似合った名前でしょ??私達いつも3人でいるのよ♪♪」



ん??でも学校でまいちゃん達に会うとき何時も2人だけど……?



「でも学校で会うとき何時も2人っすよねぇ??」


英太ナイス!!

俺の聞きたいことを直球で聞いた英太に、俺は心の中で拍手を送る。



「あぁ、あの子よく先生に呼び出されるから(笑」


「そぅそぅ!まぁ委員長だしねぇ(笑」



……そぅだったのかぁ…。


俺はただ普通に納得をした。



この学校では、委員長が休み時間に、毎回呼び出されるのも日常茶飯事なのだ。


ったくι自分で動くって事しないんだよなぁ…この学校の先生方はι



「ねぇねぇ悠斗チャンvvそんなに麗奈に見とれちゃってぇ//」


俺はその言葉で我に返り、慌てて言葉を返す。


「そんなことないって//」



「隠したって無駄ょんvvじゃぁ、この裕子チャンが一肌脱いであ・げ・るvv」



「あ・げ・るvv」って今時そんなフレーズ聞かねぇぜ?ι


てかどういう意味だ??




その言葉の意味が理解できず、ぽかんとしていると、ゆうちゃんがニヤリと笑い、俺の顔を見た。


俺が言葉を返そうと口を開いたその瞬間、俺の口をゆうちゃんが手で塞いだ。



「ぅう?!」


俺が慌てる様子を見ながら、ゆうちゃんはさっきよりも更に黒い笑いを浮かべた。


俺はただ呆然とするしかない。



…?

一体何するつもりなんだ?!



すると、隣でいきなり大きく息を吸う音がした…かと思うと…



--

「麗奈〜〜!!!おっはぁ〜〜〜!」


----ビクッ!!



俺はいきなり叫んだゆうちゃんに、ただただ驚き、目を丸くしてゆうちゃんに視線を向けた。



ん?今確か“麗奈”って…。


……。

………。

…………は?!


やっと状況を飲み込んだ俺は、慌ててその“麗奈”の方に目をやった。



すると、その“麗奈”は、キョロキョロと周りを見渡して、こちらを振り返った。


--ヤ…ヤバい//心臓止まりそう//


俺の心臓の鼓動は、まるで長距離走でも走った後のように早かった。


そして俺の体は石のごとく固まった。



そんな俺を気にすることもなく、“麗奈”はやっと、俺の隣にいるゆうちゃんとまいちゃんの姿を見つけ、パッと満面の笑みを浮かべた。



--ヤバぃ!!笑ってるし////



彼女は、今まで見せていた冷静な表情ら、ニカッという、はにかんだ様な笑顔に変わっていた。



すると“麗奈”は控えめに手を振りながら、こちらに近づいてきた。



ヤバい!!鼓動が//


“麗奈”が俺達のところにたどり着く頃には、俺の鼓動の早さはMAXを越えていた。



--ドキッ--ドキッ--ドキッ--



こちらにたどり着いた“麗奈”は、初めて俺の間近で口を開いた。



「おはよう♪今日も朝から元気やねぇ(笑)

うちにもその元気分けてや(笑)」



俺はそのとき少し違和感を覚えた。

いや、声はな?それはそれは綺麗な、女性らしい声だけど//


何がおかしいんだ?



…………??




…っっ!!分かった!!関西なまりなんだ!



ここは関東。

だから関西弁を使う人もなかなかいない。




……///でもこのギャップ嫌いじゃないかも///





あの冷静な顔や瞳と、笑ったときの優しい感じ。




あのキリッとした顔つきに反して、この柔らかい感じの関西弁。




俺はこのギャップにさえも、どこか胸踊らせていた。






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