第5話:初めての気持ち
ぁれから1ヶ月ほどたった。
もぅ5月も半ばに入った。
入学式の時に咲き乱れていた桜も散って、今は緑の葉ばかりだ。
はぁ〜今日も学校だ〜ι
そんなことを思いながら教室の扉を開けた。
--ガラガラ--
「おぅ!!悠斗おはよう〜!」
威勢良く朝の挨拶をしてくるのは、入学式から連んでる小沢誠
コイツ何時もテンション高いんだよなぁι落ち込むことなんてあんのかと思うくらい。
まぁ、そこが俺的には良いんだけど♪
「おぅ!おはよう♪」
俺は小沢に挨拶を返す。
そして自分の席に着いた。俺と小沢は前後の席だ。
カバンを置いて後ろを向いて小沢と話していた。
すると後ろから足音が近づいてくる。
いつものごとく嫌な予感ι
--タッタッタッタ--
--ドスッッ--
「っっおゎっ!!」
教室だというのに猛スピードで近付いてきたそいつが、いきなり俺の背中に乗っかってきた。
そのせいで俺はよろける。
「おっはぁ!!悠チャン今日も元気だよvv」
やっぱりおまえか!!っと思いながら俺は振り向いた。
コイツは相田尚。俗に言う天然チャン??だからコイツには何言っても無駄だったりする。
だからまぁ野放しにしてあったりする。
「おぃ尚!もぅちょっとまともに挨拶しろよι」
後ろから俺の首に腕を絡ませ離れようとしない尚に、突っ込みを入れながら近づいてくるのは桜井英太。
俺ら4人の中で一番の冷静さんだ。
「英チャン堅いんだからぁ〜〜!これはちょっとした何時ものスキンシップでしょvv」
ねぇ〜っと尚が俺に同意を求めてくる。俺は、うんとは言えず困った表情を返した。
「可愛そうに悠斗ι俺はお前に同情するよ(泣」
っと苦笑する英太。
「まぁ天然チャンに何言っても無駄だもんねぇん〜〜♪♪」
っと笑いながら小沢が言う。
「何言ってんの?!俺よりまこチャンの方が10倍天然チャンだもん!!」
「バカ言うなょ?!尚のが100倍天然だ!!」
ぅんιお前等まず天然ってとこ否定する事忘れてるなぁ?
「うるさいチビ!!」
「この前の身体測定お前のが5ミリ低かったろ?!」
ぅんι5ミリとか威張るほど変わんないからι
ぁ…あ、始まったよι
俺は何時もの事だとその光景を英太と呆れ顔で眺めていた。
ってかコイツら俺らからしたらどっちもお馬鹿でおチビな天然チャンだし?? だって両方とも身長160ないんだもんι
……っあ!!今日月曜日じゃん!!
しばらくいつもの2人のやり取りを眺めていたが、俺はハッとして思い出した。
この学校では月曜日イコール朝礼なのだ。
「おぃ!!今日朝礼だからもぅ行くぞ!!」
俺はそう言って英太と教室をでた。
すると後ろから慌てて2人が追ってきた。
そうして4人で朝礼のある体育館へ向かった。
何か何時もと違う胸の高鳴りを覚えながら。
体育館に着いてクラスごとに整列する。
別に特別な行動でもないのだか……
何でこんなドキドキしてんだろ…俺ι
今日はなぜか朝早く目が覚めた。
俺的には超珍しい。
だって、何時も家出る30分前に目覚まし5個鳴らして起きる俺がょ?!
今日は1時間も早く、しかもスッキリ目覚めた。
それに何故か朝からこの胸の高鳴りが収まらない。
俺病気なのか?!
動悸・息切れなのか?!
俺はそんな心配を本気でしていた。
すると、俺の後ろでじゃれあっていた小沢たちがいきなり声を上げた。
「っっぉゎ!!スッゲー美人//」
「ぅわぁ//ホントだぁ!!ねぇ英チャンvv」
「確かに美人だなぁ…//」
俺は無意識に後ろを振り向いた。
そして3人の目線を追ってみる。
するとそこにはギャルばかりの中に一人、大人びた女の人が立っていた。
----って!あれってもしや!!!--
いや、間違いない!!
そぅ、そこには紛れもなく…
始業式の日の電車から見えた彼女がたっていた。
長いサラサラの髪を片手でかき上げ、化粧は多分眉毛を書いたくらいなのに、それだけで十分な顔だち。
背は160センチくらい。
周りはまだ騒いでいるのに、どうするわけでもなく、ただ真っ直ぐ強い眼差し。
でも何故だか、その眼差しは、どこか優しさがと寂しさを感じさせる。そんな不思議な瞳。
始業式のあの日、あの一瞬しか見ていない彼女を、何故だか俺は同一人物だと確信した。
なんだ?!まただ。なんで俺こんなドキドキしてんだよ?!俺は恋する乙女か!!
………。
…………?
…コ…イ…?
俺が恋?!んな訳無いだろ!
だって俺がよ?!15年間なんも無い俺がよ?!
でも一体この感じって何なんだ?!




