第11話:一波乱?
秋野悠斗。
高校1年生。
片思い歴1ヶ月が過ぎました。
初めての恋を自覚してから季節も変わり、7月も半ば。
最近じゃ熱い日が続いて、クーラーのある私立高校に入った自分を、誉めてやりたくなる今日この頃。
ただ……。
「暑いっっ!!!」
「暑いねぇ〜。」
「……。」
「…悠〜く〜ん?」
----ブチッッ
あ、切れた。
ハッハァン♪
今は体育の授業。炎天下のなかグランドに立つ俺に、これでもかと言わんばかりに、全体重をかけて寄りかかる…尚。
そんな尚の能天気な発言に、ピンと張っていた俺の中の糸が…切れちゃいました。
「コラ尚!何が『暑いねぇ』だ?!このただでさえクソ暑い日にベタベタくっつくな!!」
「え〜!だって疲れちゃったんだもん!」
「だからって俺に寄りかかるな!俺は自分の体重で手いっぱいなの!!」
「悠君♪体重は足で支えるから“足いっぱい”vv」
----ブッッツン
「まだ言うか?!じゃあその疲れて使いものにならないお前に着いてる足、引っこ抜いてフラミンゴの足でも着けてやろうか?!ぁあ?!」
マジだぞおい?!お前なんて、あの細い足で片足立ちでもしてやがれ!!
すると流石の尚もヤバいと感じたのか、慌て過ぎて、自分の足に引っかかりそうになりながら走って行った。
「英ちゃ〜ん!!僕悠君にフラミンゴにされちゃう〜(涙”」
「は?!」いきなりきた尚の意味不明な発言に、英太は驚きながらも、尚を引きずりながら俺のそばに来た。
「おいιこいつどうしたんだ?!」
英太は苦笑いを浮かべながら俺に問いかけた。
「いや、こいつが言うこと聞かねぇからちょっと脅かしただけι」
すると、いつの間にか隣にきた小沢が口を出した。
「確かにι今のは尚には良い薬だなι」
「もぅ!僕本当に怖かったんだからね!!」
「今度やったらマジで実行するぞ?」
「…英ちゃ〜ん!僕の足が〜!」
英太はまだ話が読めない様で、ポカンとしていたが、“いつもの事だ”と、すがってくる尚に無視を決め込んだ。
「保父さ〜ん!お宅の園児が脱走して来ました〜!」
「僕は犬じゃない!!」
いやιその前に園児ってとこ否定しろよι
英太から、いつの間にか竜也に乗り換えた尚と、尚の首の後ろの服を掴んだ竜也のやり取りに、俺は心の中で突っ込みを入れた。
てか俺はいつから保父さんになったんだ?!
「ダァ!俺は保父さんじゃねっつの!」
「まぁ、向いてるかもな(笑)」
英太が嫌みを込めながら言った。
「勘弁して〜ι」
--キーン--コーン--カーン--
と、俺達がそんな会話をしていると、グランドに、授業終了を告げるチャイムの音が鳴り響いた。
「チャイムなったぁ♪」
小沢が嬉しそうに声を上げた。
はぁιやっと1日終わったなι
そうして、皆一斉に教室に戻り始めた。
「俺達も行こうぜι」
英太の提案に、俺達は頷いて歩き出した。
「悠君!おんぶ♪」
「フラミンゴ。」
「歩けますvv」
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---翌日---
今日もこれでもかと言うほど、空は晴れ渡り、雲一つない真っ青な空が広がっていた。
はぁι今日も1日始まったよι
1学期ももう直ぐ終わるし、マジでやる気でねぇι
俺はそんな事を頭で考えながら、教室のドアを開けた。
と、俺がドアを開いた瞬間、小さいのが2人ほど、俺に飛びかからん勢いで迫ってきた。
「悠斗!!はぁ、はぁ、大変だ大変だ!!スクープだ、はぁ、スクープ!!」
うんι息切れてるしな…?ι
「見ちゃったの!聞いちゃったの!」
……うんι
何を?
まぁとりあえず…ι
「俺に分かる日本語で、初めからちゃんと話してくれるか?」
「「だからね、ゴチャゴチャ……なの!!」」
「ダァ!俺は聖徳太子じゃないんだよ?!2人同時に喋るな!!」
すると、小さい2人組の後ろから、英太が俺に話しかけた。
「なんか目撃したらしいぜι麗奈関係で…。」
----ッ!!
麗奈関係?!
「おい?!何見た!何聞いた!吐け!言え!洗いざらい話しやがれ!!」
俺は小沢の肩を前後に揺さぶりながら、慌てて問いかけた。
「話す〜ι話すから〜ι」
「悠斗ι小沢が白目になってる!!」
俺はその英太の言葉で我に帰り、慌てて小沢を揺らすのを止めた。
あι本当に半目になってやがるι
「小沢〜?!悪い悪いι戻ってこ〜い!」
すると小沢はやっと正気に戻った。
「もう!何すんだよ!」
「悪い悪いιんで、お前等何見たんだよ?」
俺はこの後、この問いかけをした自分を、酷く悔やんだ。
読んでいただいて有難うございます!
今回は少し終わりが中途半端でしたがι続きは次回のお話で書きます!
また読んでいただけたら幸いです☆




