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44:In magnis et voluisse sat est.

「ユーカー、本当に俺に剣教えるつもりなの?」

「ぶっちゃけお前みたいなのが一朝一夕でどうこう出来るもんでもねーと思うんだけどな」


 人を裏庭まで連れ出しておいて、ユーカーは投げやりだ。アルドールは苦笑してしまう。


「じゃああれか」

「ん?」

「ジャンヌとランスってちょっと似てるから、俺より相談相手には相応しいって思ったんだろ?」

「……は?」


 こいつは何を言ってるんだという視線を送られて、俺はしばし目を瞬いた。てっきり俺は、俺が墓穴を掘る前に、フォローをランスに頼んでくれたのだとばかり思っていた。


「あれ?そういう意味じゃなかったの?」

「はぁ……お前、自分のことは聡い狸の癖に、他人のことは相変わらずだな」

「え?」

「ランスの阿呆は、お前以上に女心が解ってねぇぞ」

「いや、それは流石に解るけど」

「大体あいつらの何処が似てるってんだ。アークはあそこまで薄情じゃねぇだろう」

「あはは、ユーカーもちゃんとジャンヌのこと褒められるんだ?」


 それを本人の前で言ってあげればいいのに。未だにユーカーだけ苗字呼びされててなんだか可哀想だ。


「で?」

「え?」

「どうなんだよ」

「何が?」

「やる気あんのかって聞いてんだよ」


 ユーカーが背負った剣を手にとって、俺の方へと突き付ける。そこまでされて、ユーカーが剣を教えてくれるつもりがあったんだと俺は知る。


「言っとくが俺は厳しいぜ?」


 パルシヴァルと戦った時の様な弱音を吐いたら、その度に一発打ってやると言わんばかり意地の悪い笑みを浮かべ、剣を括り付けていたベルトを鞭の如く撓らせる。ユーカーはランスよりスパルタそうだ。本当にビシバシ指導されるかも知れない。


「まさかユーカー、パルシヴァルにもこんな真似を」

「人を変質者みてぇに言うな!馬鹿野郎っ!」

「あ痛っ!」


 さっそく一発打たれてしまった。


「で?どっちだ」

「解った、やるよ」


 俺の答えにユーカーは、少し驚いている。そりゃそうだよ。アロンダイト領でランスに稽古を付けて貰った時の俺は、本当に情けない理由で逃げ出したんだ。


「どういう心変わりだ?」

「……ジャック。エフェトスってあの子」

「あの青髪のガキ?」

「俺は助けたつもりで、でも助けられなくて」

「アルドール?」

「それは俺がイグニス任せだったからいけないんだ。だから俺は……イグニスを頼らないでも、ああいう子を守れる王にならないと」

「アルドール……お前」

「イグニスは遠くを、大きな物を見ている。イグニスは……一を見捨てられる人間なんだ」


 話したかったこと。話せなかった。ユーカーに言い訳して逃げた。でもこうやって結局吐き出してしまった。彼に言っても何も変わらないけど、誰かに知っておいて欲しかったんだと思う。気付いたんだ。このまま何食わぬ顔して南下しても、いつか俺はその重さに押し潰される。誰かに話して楽になっておくべきだと思った。その相手を誰にするべきか迷っていたんだ。本当はイグニスとちゃんと話し合えればいいけれど、今の俺はイグニスと対等じゃない。どんな言葉を話しても、俺は立場の違いから丸め込まれて言い負かされる。当たり前だ。俺が守って貰っている立場なんだ。仕方ないとは言え、そのままで良いとは思えない。俺のためにも、カーネフェルのためにも。


「俺、頑張るよ。イグニスを、俺はもう頼らない。俺が……俺がちゃんとしてれば、守れていたんだ」


 そうだ。そのために俺は王になったのに。結局誰も守れていないじゃないか。


「剣、教えてよユーカー」


 *


(とは、言ったものの……)


 憂鬱です。ジャンヌははぁと息を吐く。


「ジャンヌ様、鍋が焦げています!」

「あ、いけない!すみません」


 慣れない厨房での作業。そんな時に上の空だなんて私は何て馬鹿なことを。これでは折角指導してくれている彼に申し訳ない。とは言え……ぐるぐるとかき混ぜる鍋の中身のよう、私の心も濁って行く。


「やはり、頼りない俺では貴女を友として支えることは出来ませんか?」

「ランス様?」


 不意に投げかけられた、少し気落ちしたようなその言葉に思い出す。ああ、そう言えば。私はアルドールを見習って彼を呼び捨てにしてみたのだった。結局相手は貴族、私は唯の村娘。今の立場は私が上でも申し訳なさからついつい様付けしてしまっていた。


「光栄です、貴方にそう思っていただけたなんて」


 共に国を憂うる同志。そう口にしたのは私。それでも彼は恐れ多いと逃げ出した。そんな彼がこうして私を友と呼んでくれる。それはとても嬉しいことだ。なのだけど……


(ラハイア……)


 志半ばで散った彼のことを思うと私は無念でならない。アルドールの前では気付かなかった、暗い心が顔を出す。彼の明るさに、優しさに救われて……忘れたつもり、目を背けていた私の心。


「じ、ジャンヌ様!?」


 突然ボタボタと涙を零し始めた私を見、ランス様が……ランスが取り乱している。


「私、酷いことを言ってしまったかもしれません」

「ジャンヌ様?」

「アルドールを鍛えていただくのは喜ばしいこと。彼が自分の身を自分で守れるようになるのは良いことです。それでも……」


 剣が折れたと彼は言った。戦うことを、人を殺すことを恐れていた彼から戦う術を奪って、私が守ればいいと口にした。それなのに私は先程、彼に戦うための手段を植え付けようとした。


「駄目ですね、私……彼を付き合わせてしまってる。振り回してしまってる」


 私の現実逃避。身体を動かしたり鍛えたりすること。少しでも強くなれば、間違わずに守れるって、今度こそって。


「ラハイアとアルドールは……違うのに」


 私の親友は私と気が合った。同じ方向を見て正義について語り合った。鍛錬は私にとっても彼にとっても必要なことで、意気投合するための一つの手段で。だからってアルドールにそれを強要したところで、私は……私と彼が親友になれるわけじゃない。

 アルドールはラハイアとは違う。全然違う。それでも彼は私を友と呼んでくれたから、私は……あの人を失った悲しみから目を背けるため、楽しかった頃の再現をしようとしていたんだ。


(私は最低だ……)


 途中から折れて溶けて歪んだ剣。綺麗なのは柄と鞘だけ。戦う力を無くした彼。アルドールは普通の男の子。弱くて頼りなくて優しくて……人を傷付けたり殺したり出来ない。だから私が盾になり剣になる。そう誓ったはずなのに、私は……私の心のままに、彼を、彼らを振り回したのだ。アルドールをラハイアに、セレスタイン卿をエティに例えて私は今から目を背けようとした。

 沈んだ顔がスープに映る。こんな顔で作って美味しくなるはずがない。甲冑とは違う、軽すぎて着慣れないエプロン。その袖で滲む涙を拭った。何やってるんだろう、私。私はカーネフェルのためでも友のためでもなく、我が身を厭って泣いている。


「ジャンヌ様、それは俺も同じです」

「え?」

「俺もそうでした。アルドール様には戦わせない。俺が彼の剣になる。そう思ったけれど……そうやって頑張ろうとすればするほど、俺はあの人の心に背いた。必要なのはもっと……ちゃんとした会話だったと思うんです。俺が心を開いて話をすれば、すれ違うことなんか無かった」


 私の悩みは既に自身が経験したことだと口にするランス。


「俺が料理と口にしたのは、貴女に助言が出来ると思ったからです。ユーカーもそのつもりでしょう」

「助言……と申しますと?」


 料理は口実だったのだと言われ、私は驚きを隠せない。それでは私のあれが空元気だったとランス達には知られていたのか。私自身、気付いたのはようやく今になってからなのに。


「アルドール様はお優しい方です。ですから他人の心まで気にしてしまう。気を使ってしまうんです。気を使われたままでは話せないこともあるのでは?」


 ああ、そうか。そうかもしれない。アルドールは現実逃避の天才なんだ。彼に笑わせられた私は、何も解決していないのに癒されて和んで、現実から目を逸らした。だけどそれじゃあ駄目だ。私や彼のためにならないと、今ランスは言っている。


「アルドール様には貴女が必要です。そのために貴女には強くあって頂かなければなりません。そのための手助けとなるのなら、俺はどんなことでもしてみせましょう」

「ランス……ありがとう、ありがとうございます……貴方のような素晴らしい方に友と呼んで貰える私は幸せです。でも……」

「お聞かせ下さい。いつもの貴女に戻っていただけるのなら、俺はどんな話でも」


 そう言いながら何故だろう、彼は物凄い勢いで野菜を切っている。それが何かと尋ねれば、彼も涙目のまま私に言うのだ。


「玉葱は、目に染みます」


 私が泣いたから、その言い訳のためにこんなことを。こんなに玉葱を切って、何を作るつもりなのだろう?解らなかったがその心遣いが嬉しかった。だからもう一度、私はありがとうと口にする。そうして、アルドールには話せなかった……私のもっと暗い心を打ち明ける。この人は少し私に似ているのかもしれない。彼ならば、この悩みの解決方法も知っているのかもしれない。


「私はこれまでカーネフェルのため。そう思って生きてきました。それでも親友がセネトレアに殺された今……私の中にはこれまでより深い憎悪の炎が生まれたんです」


 私がセネトレアという国を怨むのは、生まれ育った村や大事な祖国へされたことへの怨みだったはず。それが……私個人の憎しみ、復讐の意味も持ってしまった。


「セネトレア女王……彼女と対峙するときに、私は国のためだけに……正しき道を説いて戦うことが出来るでしょうか?こんな憎しみを抱えたままでは……私は私の言葉が綺麗事にしか聞こえないんです。きっとそれは……他の人々にとってもそう」

「ジャンヌ様……」

「こんな私がアルドールの伴侶として、カーネフェルを引っ張っていく大役を担えるのか、不安になります」


 俯く私に、ランスは優しい言葉を送ってくれる。


「ジャンヌ様、復讐は何も悪ではありません」

「ですが大義名分とは言えません」


 それでも私は素直にそれを受け取ることが出来ない。そうできたら良いのに。項垂れたままの私を労るように、彼は少し言いにくそうに言葉を続ける。それは私にとって


「ジャンヌ様。俺はアルドール様に出会うまで……先王のため仇討ちをして、この命を使い捨てるつもりでした」

「あ、貴方ほどの方が……!?何故そのような……」

「ジャンヌ様……主君が、或いは友が殺されて、それで悔しいとも悲しいとも思わない人間が説く正義など、俺はそれこそ綺麗事だと思います」


 常に正しくあろうとすること。それは人の道を踏み外すこと。絶対の正義を求めることは、多くの人の心を踏みにじる。理解の及ばぬ存在になる。だから感じたままの怒りを、無かったことにするのは止めなさい。私はそう諭されている。


「……貴方は人の心がとても良く、解っていらっしゃるんですね」

「いえ……唯、やはり俺もそんな風に間違えたんです」

「間違えた?」


 目の前にいるのはこの国で一番立派な騎士様。そんな彼が何を間違えたと言うのだろう?山賊を殺したことは、確かに残酷なことだったかも知れない。それでもカーネフェルのため、正義のためをも思えば……彼が絶対に間違っていたとも言い切れない。アルドールが優しすぎただけ。ランスという騎士様はいつも正しい立場に立っていたように私は思う。唯、正しさを追い求めれば見返りがあるとか幸せになれるとか、そういう保証がないだけで……


「俺も……正しい騎士の姿を追い求めるあまり、多くの人を傷付けました。今だってそうかもしれません。だから俺は……貴女にはそうなって欲しくないんです」

「ありがとうございます……少し、考えてみますね。私……」


 国のために。そう考える内に、私の言葉は変わって来てはいないか?少しでも人の心が得られるように、聞こえの良い言葉ばかりを拾っていない?私はちゃんと私の思ったことを口にしている?私が伝えたいことは何だった?それを私は見失っていない?

 厨房の窓を開ければ風が吹く。その風が撫でる私の耳飾り。揺れる金属の音に目を閉じて、懐かしい日々を思い出す。友と語らった日々のこと。そして……あの頃の私が見つめた物。はっと私は思い出し、いてもたってもいられなくなる。


「ごめんなさい、ランス様!料理の続きはまた今度ではいけませんか!?」

「いえ、構いませんが」

「ありがとうございます!」


 慌ただしく厨房を飛び出す私を見る彼は、穏やかに苦笑していた。


 *


「おい」


 此方の戸惑いなどお構いなしに、少年は向かってくる。こんなにやる気のあるアルドールなんてなんだか不気味だと、ユーカーは居心地の悪さを感じてしまう。


「まだまだっ!」

「だから……」

「くそっ!もう一回だ!頼むよ!」


 深海色の青が俺を見つめる。その目は何処を見ている?解らない。唯言えるのは、それが今ではないと言うことだけ。貸してやった練習用の模造剣。それを何度はじき飛ばしても、転ばせても、アルドールは食らいつく。あちこち擦り傷切り傷だらけになりながら、俺から学べる物は無いかと凝視する。

 何をそんなに必死になっているんだ。最初に言ったじゃねぇか。今更お前みたいな奴が剣を齧ったところでさほど上達などしない。無駄な努力だ。やってて解る。才能ねぇよ。こいつは数術が使えるからまだ何とかなっているレベル。


「ユーカー、数術も使って良い?」

「は?」

「だってそっちの方が実戦に近いじゃん。良いだろ?ユーカーだって数術使いとやり合った方が練習なるだろ?」


 なるほど、一応は考えてやがんのか。数術使いの欠点は接近戦。此方から仕掛ける必要はない。そこをカバーできる程度の剣術が身につけば、アルドールのフォローに回る役が必要なくなる。狂王とやり合った時、それでこいつは何か思うところがあったらしい。

 もし全力で前衛が攻め込めていて、自分が数術でそのサポートも出来ていたなら。このブランシュ領で決着が付いていたのかも知れない。そう思ったのか?


「そうだな……」


 俺の貸した触媒がある。恐らくは問題はないだろう。

 クラブの殆どはカーネフェリー。例外であるレクスは数術が使えないようだ。火属性の敵と戦う機会なんてそうそうあんのかね。まぁ、教皇サイドは信用ならねぇし、エルス=ザインは多種多様な精霊を持っている。そういうこともあるかもしれない。


「まぁ、良いぜ。ぶっ倒れない程度に、来なっ!」

「うんっ!」


 微かに笑ったアルドール。あいつが数術の計算に入ったのか、耳鳴りが聞こえ始める。その音の流れを辿るよう俺は剣を振りかざす。叩き斬ったその場所に、生まれた炎が風圧により流れて消える。「この程度じゃ駄目か」とあいつは呟きながら、もっと大きな炎で俺を取り囲む。


(こいつ、容赦ねぇ!)


 以前は蟻一匹に泣いてたガキが、俺が怪我をするかも知れないことも躊躇わず、こんな危ない攻撃を。俺の方が強いカードだからって、優しさとか配慮がないにも程がある。それはこいつに今、余裕がないって事なんだろう。でもそんなに何を焦る?だって今更だろ。お前が弱いのも頼りないのも今に始まったことでもねぇし、今日明日でどうにかなることでもないはずだ。


「くそっ!」


 俺は勢いよくその場にしゃがみ込み、片足を横に伸ばす。地面に突き立てた剣を軸に回転。蹴り上げた砂埃で火の勢いを衰えさせる。そうして炎を潜り抜け、アルドールへと距離を縮める。


「これで、終わりだっ!」


 降参を迫るよう振り上げた剣。そっちで相手の注意を引いておき、反対方向から蹴り付ける。二人で倒れ転がった先、奴に跨った俺が、その首に刃を突き立てる。


「てめぇの負けだ、アルドール」


 まぁ、お前にしては頑張ったじゃねぇか。そう褒めてやる間もない。ほんの僅かな隙。これで終わったという俺の油断を突いて、あいつが俺の心臓傍に差し向けたのは折れた剣。湖城で狂王とやり合った時に壊れたというこいつの剣だ。まだ持っていたのか。


(そうか、こいつは!)


 これは装飾剣。切れ味などさしてない。しかし触媒。刃の殆どが折れて溶けて無くなってはいるが、まだその柄は残っているし、樋の一部もまだあった。大きな数術は使えないだろうが、まだやれる。こいつの炎で金属が溶かされたら、この至近距離で俺がそれを浴びればどうなるか。ぞくと肌が鳥毛立つ。

 驚き飛び退くが、逃げられない。転ばせられ、地面に突っ伏して、折れた剣を強く押しつけられたのは俺だ。俺を上から見据える、アルドールの冷たい目。それは俺を見ていない。


「ジャンヌが、泣いたんだ」


 その言葉に俺は一瞬、動きが止まる。驚いたのだ。俺は誤解していた。アルドールがこうして向かってくるのは全部エフェトスとイグニスのためだと思っていたのに。


「ジャンヌは普通の女の子なんだ」


 呟かれた言葉に、これ以上の攻撃をこいつがして来ないことは悟ったが、これが実戦だったら。そう思うと今更ながらにぞっとした。


(こいつ……)


 俺は言いしれぬ不安を感じていた。先程までは何時も通りに見えたアルドール。それがジャンヌに感化されたのか、酷く不安定な精神状態。あの女は他人への影響力が強すぎる。だから士気を盛り上げることが出来る。しかしこうして一度悪い方向へ傾けば、皆が引き摺られて落ち込んでしまう。そのリスクを教皇は理解しているのだろうか。

 ダイスを転がせば六の目が出ることもあるだろう。幸福値を費やせばそんな奇跡も暫くは続くだろう。しかしそれが尽きればどうなるか。


「道化師がジャンヌの正体に気付いてる。これからきっと、彼女は狙われる。あんな風に……友達思いで、優しい人なのに。俺はまた……姉さん達の時みたいにっ!そんなのもうっ!もう嫌なんだっ!」


 そうか。そうだったのか。俺は少しだけアルドールを温かい目で見つめてやった。哀れんだんだよ、多分な。お前はお前自身の気持ちに気付いていない。自分の心がまるで見えない。いつかのランスみたいだな。だから剣をぶつけることで、何か見えてくる答えがあるんじゃないか……そうして俺に食らいつく。それで答えは見つかった?今吐き出された。

 それでもその言葉をお前は自分の耳からどう聞いた?お前の脳は何も解っちゃいねぇみたいだ。だから俺に言わせるんだな、お前って奴は。


「アルドール……お前、あの女をどう思ってる?」


 不意に口を吐いて出た言葉。それは何もランスのためだけじゃなかった。がむしゃらに俺に向かってくるアルドール。そのエネルギーは、今の目は……数年前の俺に似ている。親父に認めて貰いたくて、必死になって……アスタロットを蔑ろにした。

 この審判が進めば、ジャンヌは間違いなく死ぬ。教皇はあの女の命を食い潰す気でいる。その時アルドールは、何を思うだろうか?あの日の俺と同じ後悔を、抱えるようにはならないか?


「……え?」


 先程自分が口にしたことも忘れたように、目を見開いたアルドール。嗚呼、こいつはガキなんだな。解ったつもりで何も解っちゃいねぇ。あの日の俺にそっくりだ。だからこそ腹が立ったり、放っとけなかったり。何の因果か。俺は確かにここに生きていて、あの頃より年を取ったのに、まるで時間が巻き戻されたようなその異様さは。俺の天秤に掛けられているのはもしかしたら……大切な親友と、自分自身の再来なのか。

 あの女の影響力は、異様だ。しかしあの堅物ランスが惚れるくらいの相手だ。吊り橋効果ってんならあの場から救われたアルドールだってそうなっていておかしくもない。女が怖いと口にしたアルドール。またルクリースやフローリプのように失ったらと言っていたのを思い出す。新しく手に入れることが怖い。皮肉なくらい、こいつは俺に似ているんだ。嫌味な色の目の癖に、こうして向かい合えば過去の鏡を覗いたようだ。


(俺は……)


 俺は今までランスの肩を持とうとしていた。その裏付けとしてアルドールと教皇の微妙な関係があった。アルドールの阿呆はジャンヌよりもイグニスばかりを見ている。あれほど伴侶を蔑ろにする馬鹿だ。おそらく気はない。そう思っていたからこそ、悪びれなくランスをサポートしようと思えた。だけど今……不安が胸を過ぎるのだ。


「アルドールっ!」


 聞こえてくるその声。駆けてくる足音。ランスを置いて、アルドールの方へと戻って来たあの女。その名前の呼び方一つ、顔色一つにさえ……俺は嫌な既視感を知る。


「え、ええと……お、お取り込み中でしたか?」


 俺に馬乗りになったままのアルドールを見て、あの女は立ち止まる。トリシュに汚染されたのか、妙な勘ぐりを入れて来たのが腹立たしい。あのなぁと俺は呆れて溜息だ。しかし俺を見るジャンヌの目は、少し脅えている。一応俺の方がアルドールと過ごした時間は長いのか。大した時間一緒にいねぇのに。カーネフェル王に仕える身として、不本意ながら信頼されている俺に嫉妬?ならまだ可愛いもんだが、それが違う意味を持つのなら、いよいよランスが哀れでならない。

 いや、あの顔は何か戸惑っている。さっきのアルドールと同じ。自分の中身が見えなくて、混乱して取り乱す様子。ジャンヌ自身気付いていないのかも知れないが……健全な若い男女が互いの関係を友人だと言い張って、青春してるのはある意味不健全に思える。どちらも嘘を吐いているようにしか見えない。


「もう済んだ」

「え?」

「褒めてやれよ、こいつこの俺様から初めて一本取りやがった」


 俺はアルドールを蹴り飛ばし、芝生の上から身を起こす。俺達の手に得物が握られていたことを知り、ジャンヌはこれが試合の攻防の末に引き起こされた状況なのだと理解して、ほっと胸をなで下ろしたよう。落ち着きを取り戻したその耳に、俺の言葉が浸透して行き、みるみる彼女の顔が明るくなった。


「えええ!?アルドールがですか!?凄い凄い!凄いですアルドール!やはり貴方はやれば出来る人なんですね!」


 こいつら大丈夫なのか?都攻めに付いていかないと言った矢先にあれだが、不安になってきた。こいつらがこんな調子じゃランスの阿呆もどうなってるかわからない。


(仕方ねぇ、見に行ってやるか)


 そんなことしてる場合じゃないが、晩酌くらい付き合ってやるかな。そう思って城へ入った。厨房を探し歩く内、俺は会いたくない奴に出会した。


「セレスタイン卿?」

「よ、よぅ」


 見るからに嫌そうな顔で俺を見る。今は俺の粗探しをする暇もないほど忙しい様子。しかしよそよそしさは昔通り。本当に俺のこと忘れたんだなこいつは。まぁ、お互いその方が良かったんだ。うんうんと俺は頷きながら理解を示す。


「んで?お前こんな所で何ふらついてたんだ?チェスター卿の見舞いか?」

「いえ……私は、私の本が何処に行ったのか探していて」

「本?確かお前新しい本買ったんじゃ……?」

「ええ、しかし何故私は新しい本を……?あれは僕の母さんの形見で……大切な」


 そこまで言って、トリシュが俺を振り返る。


「何故僕は……貴方なんかにこんな話を」


 自分で口にしたことが信じられないと言うように、トリシュは目を見開いている。


「そうだ。あるはずがない、僕はランスと決闘で……あの本を。だけど、どうして……?僕は何故、そんなことを」


 やばい、あの精霊が食ったのは都から北部への旅、北部での出来事……その間の俺の記憶だ。つまりその間、他の連中と過ごした記憶をトリシュは持っている。誰のために、何のために?それが解らない。それでも本を失った事実は覚えているのだ。脈絡のない話、バラバラになったパズルの記憶。それを組み合わせる内に、こいつは何かがおかしいと気付き始める。そうなっては駄目だ。あまりこいつには関わらない方が良い。それがトリシュのためでもある。


「お得意の妄想でとうとう現実を見誤ったかトリシュたん」

「そ、そのあだ名で僕を呼ぶなっ!今度言ったら決闘を申し込むっ!」

「へいへい」


 俺は適当に手を振りトリシュの傍を通り過ぎる。奴は一人、通路に残された。自分でもよく分からない、不確かな記憶に脅えるような目で。だけど他に何て言えばいい?言えるはずがないだろ。


 *


「結局また……ランス“様”か」


 はぁと、ランスの口から溜息が出る。焦って素が出たのだろう。心の中ではまだ友人にもカウントされていないのだと知って落ち込む。ユーカーにあれだけ後押しされたんだ。少しは頑張らないと思って頑張ったのに。結果として人の良い相談相手みたいな顔しかできなかった。それでも厨房を出て行く際のジャンヌ様の笑顔を見れば、少しの憂さも吹き飛んだ。


「そうだな、俺はあれだけでも十分満足……」

「なわけあるか、ど阿呆っ!」


 俺の口から漏れた満足げな息に、キレの良い突っ込みが入った。後頭部を強かにチョップされたのだ。


「痛いよユーカー」


 振り向けばやはり……怒った様子の従弟が見える。こいつがここに来たと言うことは、ジャンヌ様がアルドール様の所へ向かったのだろう。


「ったく、お前は何考えてんだよ」

「いや、だってジャンヌ様が笑ってくださったんだぞ?それだけでも身に余る僥倖だ」

「阿呆かお前は」


 ユーカーが心底呆れたと言わんばかり盛大な溜息。その顔を見て俺はあることを思い出していた。


「でも良かった。丁度いいところに来てくれた」

「は?」

「わけあってこの大量の玉葱を処理しなきゃいけないんだが、どうしたらいいか一緒に考えてくれないか?」

「お前、あの女に包丁の使い方から教えてたのか?」


 厨房の中には料理らしい料理が何も完成していない。底が焦げて変色した中身のないスープと、切り刻まれた玉葱の山。この玉葱をスープにぶち込んだとしても、全てを処理しきれない。

 もしかしたら料理が完成したと思って、少しは期待して来たのだろうか?ジャンヌ様がどうあれ、俺がサポートするのだから味はまともな物が出来ると信じて。で、その結果こんな物を見せられたユーカーは唖然としているわけだ。


「仕方ねぇな。んじゃこうしようぜ」

「何のつもり?」

「これを使ってより多く美味い飯を作った方の勝ち。多くってのは量じゃなくて品目な」

「審査は?」

「ここらで飯でも振る舞って、ブランシュ領の領民手懐けるのも良いだろ?これから戦場に連れ出すことになる連中も大勢いるんだ」

「それは良いとも思うが、これから戦況がどうなるのかも分からない内から食料を無駄にして良いのか?」

「この城の連中くらいにだったら良いだろ。胡弓弾き共と俺らは対立してたんだ。多少は打ち解けねぇと安心して領地を任せられねぇはずだ。違うか?」

「……そうだな、お前の言うとおりだ」


 確かにこれだけの玉葱、俺達だけでは食べきれない。俺は頷き、小さく笑う。


「たまには剣以外での勝負というのも、面白そうだ」


 面倒臭がりのこいつ相手じゃ、こんなことはこれが最初で最後かも。


「言っとくが、やるからには負けねぇからな」

「いつもその調子だと助かるんだが、無論俺もそのつもりだ」


 互いに背を向けて、包丁を放り投げる。相手の投げたそれをキャッチし、それが問題ないことを確かめて、今度は相手に投げ飛ばす。勿論それを受け取り損ねるような俺達ではない。


「怪我の方は大分良いみたいだな」

「何処かのお節介焼きが治したみてーだからな」

「そうか、それは顔を見てみたい物だ」

「鏡でも見ろ」


 それを最後に会話は途絶える。代わりに聞こえてくるのはまな板を打つ包丁の音。料理をするのは楽しい。それでも今日は何時もと違う。ジャンヌ様の口にはいるかも知れない。そう思うと、これまで気付かなかったことに俺は気付く。俺の料理はよくユーカーにグロテスクだの発禁レベルなどと糾弾される。それはあの人の目に入った時どうなるか。


(ジャンヌ様の目に、喜んでいただけるような料理を……)


 これまで考えたこともない。いつもは自分の好きに作って楽しんでいた。それで味は付いてくるのだから何の問題もなかった。


(変だな、本当に)


 確かに父さんの言っていたことはある意味で間違っていなかったのかもしれない。恋と言う物を知るだけで、俺という人間が変わっていく。とても些細なことに、これまで感じたこともないような喜びを見出す。無感動な心が脈打って。こんな幸せ、俺は知らない。まるでアルト様に仕えていた頃のよう。いや、あの頃とも違う。だけどあんな感じだ。今、俺はとても満たされている。あの人の笑顔のためならば、俺はなんだって出来そうだ。先程まで感じていた嫉妬の心も何処へやら。そんな醜い心もあの人の、微笑み一つで癒される。目が合っただけで鼻歌でも歌って踊り出したくなるくらい、奇妙な小気味よい気持ち。俺は俺がおかしくなってしまったのかと思うほど、俺が俺と符合しない。これまで考えてきた俺とはまるで違う。それでも空っぽだった俺の中に、降り注ぐ物がある。俺が何なのかなんて、俺はもう……多分二度と迷わない。


「ふぅむ、いい顔になったじゃあないか」

「と、父さん!?」


 戸棚を開けたところで、そこから這い出してきた男。その怪しげな男には悲しいことに見覚えがあった。


「何しに来たんだよあんたは」


 ユーカーも呆れている。


「いや、何。ブランシュ領を平定したと聞いたのでね。都攻めの段取りのためにも、私は必要だろう?聞けばブランシュの爺はとうとうボケが回ったそうじゃないか」


 領民や有力者の支援を訴え、指示を出す役は確かに必要。北部では俺同様評判の良くないトリシュにはまだ荷が重い。これまでずっとチェスター卿達によって良くない噂も流されていただろうから。それを記憶に不備のあるトリシュがどうにか出来るとは思えない。


「ですが……」

「おやぁ、父さんが心配かいランス?よしよし、可愛い子だ。ここは親子水入らずで汗でも流しに行こうじゃないか!」


 俺の肩を掴んで風呂へと連れて行こうとする父さんに、ユーカーが包丁を構えて笑ってみせた。


「病原菌は厨房入んな」

「ははは!ついこの間重傷を負った叔父さんに向かって冷たいことだセレス君」

「だからその名で俺を呼ぶな!今は特に良くない時期なんだ」

「ふぅむ、私の愛弟子のことか」

「そんなことまで、聞こえていたんですか?」


 父さんの言葉に俺は驚く。イグニス様から部下を通じて託されたらしい情報。それはそこまで詳細に届けられていたのか。


「まぁね。でもなければこうしてうっかり口にしてしまうだろう?」

「つまり貴方をここに呼んだのはイグニス様ということですか」

「ああ。何でも私にも考える手助けをして欲しいとのことだよ」

「手助け?」

「都攻めの前におまえ達も一度旧チェスター領まで戻りなさい。そこで重大な発表がある」

「何だよ、勿体ぶるなよ」


 回りくどいこの人の言い草に、ユーカーは不満顔になっている。


「せっかちな子だ。そんなことを言うのはこの口かい?」

「その手には乗るかっ!」


 どうせまた尻でも触るつもりだなと庇ったところで、防御ががら空きの前を狙われたあの子はやっぱり馬鹿だ。


「だからユーカーを苛めないでください」


 服に手を入れられかけたところで、俺の投げた包丁が父の手を掠めて壁に突き刺さる。


「まったくつれない子だなお前は。この位挨拶、スキンシップじゃないかまったく。ちょっと甥っ子のご子息について知りたくなっただけだろうに」


 知ってどうするつもりだとツッコミ入れたいところだけれど、そうするとこの変態がつけ上がって絡んでくるのでスルーしよう。ユーカーもそのくらいは学んだようだ。


「あ、それは……」


 俺達が無視したせいか、あの変態はジャンヌ様が作ったスープの鍋へと近付いて、勝手に装い始める。


「あのお嬢さんが作ったんだって?なかなか香ばしくて良い匂い……」


 この男、何時から隠れていたんだろう。まさか俺とジャンヌ様の会話も筒抜けだったとか!?いや、外での会話を聞いていたんだ。それで先回りして……人の恋路がどうなってるか気になって覗いていたんだ!悪趣味な!文句を言ってやろう。そう思った瞬間……


「がはっ!」

「父さん!?」


 あの男は勢いよくその場に倒れた。見れば口から泡を吹いている。


「ユーカー、どうしよう」


 泣き言を口にした俺が振り返れば、ユーカーは遠い目で頷いた。


「鍋の底が焦げてる。この金属有害だったんだろ」

「意外と繊細だったんだなこの人は」

「死ぬとしたら性病だと思ったのにな」

「俺は捨てた相手に刺されてかと思った」

「それか腹上死とかやらかしそう」


「おいおいおまえ達、少しは悲しむ素振りを見せなさい」


 淡々と死因予想レースが外れた事実に項垂れる俺達に、がっかりしたような変態の声。流石に変態は簡単には死なないか。父さんはむっくりと起き上がっている。いや、父さんだけではない。こんなこと言いたくないが、父さんの息子……勿論俺じゃない。俺じゃない俺、いや俺ではないけど父さんの息子まで起き上がっている。


「まったく、美味すぎるぞこのスープは!出汁に何を使ったんだ!この素朴な味わい、それでいてまろやかでこってりしているにもかかわらず喉越し爽やか!体中にみなぎる謎のエネルギー!ああ、身体が熱い!服なんて着ていられるか!」

「ぎゃあああああああああああああああああああっ!こっち来んな変態っ!」

「そんなこと言っていいのかなセレス君。君の作っていたチキンとハーブのクリーミィシチューにとっておきのとろぉり白い液体ミルクを混入してあげようか、どれ……」

「止めろぉおおおおおお!鶏が可哀想じゃねぇかあああああ!食材に贖罪しろぉおおおおおおおおおっ!」


 ユーカーが本気で泣いている。うん、俺だって自分の料理が変態に汚されるなんて許せない。いや、それ以上に許せないのは。


「アルドール様とジャンヌ様の口に入るかもしれない物に変な物を入れないでください」


 俺は冷静に淡々と、フライパンで父の頭を強かに殴打した、殴打した、殴打した。


「その変な物から生まれた分際で、自己否定をするのかランス!父さんは悲しいぞ!」

「実の父がこんな変態だと言うことに俺が悲しいです」

「ああそうか!それならそうと早く言え!愛しの彼女の口に入る物ならば、自分の物を混入したいという訳か!……青春だな!まさしく性春だっ!」

「黙れ!」


 寸胴鍋でゴーンと音が鳴るまで殴った俺を見、ユーカーも流石に青ざめる。父は床に転がり、全裸のまま伸びている。


「お……おい、ランス。流石に今のはやり過ぎじゃねぇ?」

「ジャンヌ様の笑顔を曇らせる輩は許せない」

「よくぞ言った!我が息子!」


 よろよろと起き上がった父。まだ生きていたか。もう一度と鍋を構える俺を見て、誤解だと変態は言う。


「私は嬉しい!今の言葉が聞きたかったんだ!」

「まだ生きていたんですか」

「いや、それじゃないだろ」


 リクエスト通り繰り返してやった俺に向かって、ユーカーが冷静なツッコミをくれる。


「ようやく少しは自分の心を受け入れたかマイソン、ランス!」

「全裸でそう言うこと言われても嬉しくないんですが」


 違う方の息子まで見えているわけだから、その発言自体悪意に覆われて聞こえるのも無理はない。


「お前の料理はあの子のためか。随分と可愛らしい配膳じゃないかランス」

「おおお!ランスの癖に!何だよこれ!」


 俺の方の料理をまだ見ていなかったのだろう。ユーカーまで大絶賛だ。


「魚好きのお前が肉料理なんて信じられねぇ!でもみじん切り玉葱を加えたハンバーグ、玉葱のソテーを添えたステーキ!確かにこれから南下して体力使う連中には肉料理の方が嬉しいかもしれねぇ!このソースの色も良い!香りも良いワイン使ってやがる!生クリームのアクセントも映えて良い!あっちのデザートも綺麗だ!」


 やれば出来るんじゃねぇか。何故今まで手を抜いてきたと舌打ちまでされている。


「だが肉料理でこの俺に勝てると思うなよ!」


 自分の調理場に走っていくユーカーを見て思う。俺は何時もお前に劣等感を持っていたけど……どうしてだろうな。今は負ける気がしないよ。

息抜き回。次回がアルドールとジャンヌ回。


変態キャラが出ると筆が乗って良いですね。

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