娘に嫌われているらしいので、父親として頑張ってみることにしました
「絆」
「絆ってタイトルでラノベ書こうと思うんだけど、このタイトルってどう?読まれそう?」
「いや、意味分かんないし、最近、そんな感じのタイトルだと、意味不明すぎて誰も読まないよ。
いったい何の絆なんだよ」
「いやさ、最近、娘が相手してくれないのよ。だから、娘と仲良くなる様子を実録で書いて行こうかなとか思ったり?」
「ふーん。
だったら、娘との絆ってどうよ」
「いや、なんかありきたりというか、何の話ってなるよ」
「最近の流行りだと、もっと題名に内容を盛り込むとかするのが流行りみたいだよ」
「例えば?」
「娘と仲良くなりたいから絆を深めるために頑張ってみた俺
とか?」
「めっちゃ長いな。でも内容は大分わかるな」
「そもそも、その娘ちゃんとは今、どんな感じなん?」
「うーん。
お父さんは臭いから近寄らないでとか、隣に来ないでとか、なんでいるの?とか、もう帰ってこなくていいよ!とか?」
無言。
「お前……それ、もう、無理じゃない?」
「やるなら、
最近、娘が超厳しくて近寄らないでとか帰って来ないでとか罵詈雑言してくるけどなんとか絆を深めようと頑張って見ようと思います。でも友人はもう無理じゃね!と言ってきます
とかかな……」
「まあ、頑張れ……」
「お、おおう……」
「ちなみに娘何歳?」
「中学二年」
「一番難しい時期じゃねえか」
「でも昔はお父さん大好きだったんだぞ?」
「みんなそう言う」
「肩車したら喜んでたんだぞ?」
「みんなそう言う」
「お風呂も一緒に――」
「そこまでにしろ。悲しくなる」
俺はため息をついた。
「どうすればいいんだろうなあ」
「とりあえず距離感じゃない?」
「距離感?」
「娘の隣に座るな。
話しかけ過ぎるな。
部屋に行くな。
干渉するな」
「それもう他人じゃん」
「今は他人以下だろ」
ぐうの音も出ない。
その日の夜。
娘はリビングを横切りながら言った。
「お父さん」
「はい!」
「うるさい」
「はい……」
それでも。
たまに「おかえり」と言ってくれる日がある。
風邪を引けば薬を持ってきてくれる。
だから。
嫌われているのかもしれないが、
まだ終わってはいない気がする。
「で、タイトルどうするん?」
「娘に嫌われているらしいので、父親として頑張ってみることにしました」
「長いな」
「でも内容は分かるだろ?」
「まあ、それはそう」




