表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
13/16

第13話


黒の要塞最深部、玉座の間。


崩れ落ちた壁と天井の瓦礫の中で、アリスは大剣を杖代わりにして立っていた。全身から汗が滴り落ち、息は荒い。


目の前に立つ漆黒の魔王——ヴェルグ・ナハトは、まるで何事もなかったかのように静かに佇んでいた。


ヴェルグ:「……よくここまで来た。8大精霊の完全契約者よ」


ディネがアリスの肩の上で警戒を露わにした。


ディネ:「ヴェルグ……ついに直接対決ね」


サラ:「でかい口叩いてんじゃねえ! 今ここでぶっ飛ばしてやる!」


シルフ:「みんな、気をつけて! この人の闇、すごく濃いよ……」


セレネ:「……あなたが世界の澱みを吸い続けた存在……ヴェルグ・ナハト」


魔王は低く、静かに笑った。


ヴェルグ:「気づいていたか。ならば話は早い。

私は世界が生み出した『影の意志』だ。1200年前、8大精霊がお前たち人間を『強制的に安定』させた結果、生まれた存在だ」


アリスは剣を構え直しながら、息を整えた。


アリス:「……世界を混沌に還すのがあんたの目的だってことはわかってる。でも、それが本当に正しいとは思えない!」


ヴェルグ:「正しい、か。

秩序という名の檻に閉じ込められ、成長を止められた世界に『正しさ』などあるまい。

私はただ、世界を一度壊し、再び混沌から新しい可能性を産み出そうとしているだけだ」


セレネが冷たい声で切り返した。


セレネ:「……破壊を美化しないで。あなたはただ、世界を自分の理想に塗り替えたがっているだけよ」


ヴェルグ:「理想、ね。面白いことを言うな、月の精霊。

お前たち8大精霊こそ、世界を自分の都合の良い形に固定しようとしているのではないか?」


ディネ:「はあ? 私たちが世界を守ってきたというのに、随分と上から目線ね」


サラ:「うるせえ! とにかく殴り合おうぜ!」


アリスは8大精霊の声を聞きながら、ゆっくりと前へ踏み出した。


アリス:「私は……この世界を、みんなが笑って生きられる場所にしたい。

あんたの混沌じゃ、誰も救われないよ!」


ヴェルグ:「ならば、力で証明してみせろ」


**最終決戦、本格始動。**


魔王が右手を軽く振っただけで、玉座の間全体が黒い影の海と化した。


無数の影の刃が全方位から襲いかかる。


アリス:「みんな、力を合わせて!」


8大精霊が一斉に反応した。


ディネ:「アイスカノン・フルバースト!」

サラ:「インフェルノ・ブレイク!」

シルフ:「ハリケーン・テンペスト!」

ウィプス:「セイント・エクスプロージョン!」

セレネ:「ルナ・エクリプス・インパクト!」

ノーム:「グランド・クラッシュ!」

ジェイド:「シャドウ・エターナル・バインド!」

エント:「ライフ・フォレスト・ウォール!」


8色の光が融合し、アリスの大剣を極彩色の極光へと変えた。


アリスは全力で剣を振り下ろした。


「8大精霊の力……全部受け止めて!」


光と闇が正面から激突し、要塞全体が激しく震動した。


ヴェルグは一歩も引かず、影の奔流で光を押し返していく。


ヴェルグ:「……素晴らしい。だが、まだだ」


魔王の体から黒い霧が爆発的に膨れ上がり、8大精霊の力を徐々に飲み込み始めた。


ディネ:「くっ……! この力、予想以上よ!」


アリス:「まだ……負けない!」


ミクリが横から突っ込み、魔剣で援護する。


激闘はさらに激しさを増した。


アリスは何度も膝をつきながらも、精霊たちの声に支えられて立ち上がった。


ディネ:「アリス、立て! あなたはもう一人じゃない!」


サラ:「俺たちを信じろ!」


ウィプス:「一緒に戦おう!」


セレネ:「……あなたの道を、信じなさい」


アリスは最後の力を振り絞り、8大精霊の力を完全に一つに束ねた。


大剣が眩い光を放ち、魔王に向かって一直線に突き進む。


アリス:「これが……私たちの答えだぁぁっ!」


極光の一撃がヴェルグの胸を直撃した。


ヴェルグ:「……ぐっ……!」


魔王は初めて大きく後退し、玉座に背中をぶつけた。


しかし、彼はゆっくりと立ち上がり、影に覆われた顔の奥で笑った。


ヴェルグ:「……よくやった。アリス。

お前は我の予想を遥かに超えた。

だが……これはまだ始まりに過ぎん」


黒い霧が爆発的に広がり、ヴェルグの姿がその場から完全に消えた。


アリスは力尽きてその場に膝をついた。


アリス:「はあ……はあ……逃げられた……」


ディネ:「でも、確実に傷を与えたわ。次は……倒せるはずよ」


サラ:「チッ、惜しかった!」


セレネ:「……油断しないで。あの者はまだ本気の半分も出していない」


アリスは荒い息を整えながら、ゆっくりと立ち上がった。


アリス:「みんな……本当にありがとう。

8大精霊と一緒に戦えて……私は幸せだよ」


8大精霊が一斉に優しい声で応えた。


ディネ:「当然でしょ。これからもずっと一緒にいるわ」


ウィプス:「これからも冒険しようね!」


セレネ:「……ふふっ。面白い契約者だわ」


アリスは笑った。


しかし、彼女はわかっていた。


魔王ヴェルグとの真の決戦は、まだ終わっていないということを。


黒の要塞の奥深くから、新たな闇の波動が静かに、しかし確実に広がり始めていた。


元王女アリスと8大精霊の、笑いと毒舌と熱い絆に満ちた戦いは——

これからも続いていく。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ