楽しい流れ星を探す旅
その夜は、雲1つ無い満天の星空。
私たちは星に一番近い山の上に。
私は暖かいコートに身を包み、ベアーは私のお気に入りのマフラーを巻いて、二人でとっても寒いので足踏みをしながら今か、今かと待っていると空から一筋な流れ星が地上へと落ちて行きました。
それからです沢山の星達が私とベアーのまわりを通り抜けます。手に触れた願いの流れ星はゆきのように軽くなかなか捕まえる事が出来ません。
ベアーも虫取あみをフリフリ流れ星を捕まえようとするけれどなかなか上手くいきません。
最初は、私たちのまわりをたくさん通りぬけた流れ星も、目に見えてその数は少なくなってしまいました。
「つかまえた!」
ベアーの声におどろき振り返ると、ベアーの虫取りあみにキラキラのお星さま。
ベアーは、とうとう流れ星を捕まえたのです。
「やったー! キラキラ、ピカピカ流れ星!」
すごく、すごくうれしそうによろこぶベアー。
ベアーの願いが叶うのです。私は良かったね。おめでとうって言っ……。
「ベアー、どこにも行かないでーーうわぁーーん」
次から次へと、涙があふれる私の目前に、光を感じ見てみると――。そこにはベアーの手の中の、ピカピカの流れ星がありました。
「はい、サラちゃん流れ星だよ。僕をおうちに住まわせてくれてありがとう」
ベアーは私の手をとると、その上にそっと願いの叶う流れ星を置いてくれたのです。
「ベアーありがとう。でも、私は流れ星の力で魔法使いになったから私には使えないよ。ほら、見てて星の
輝きがちがうでしょう」
私の手の中の星は、ふんわり光っています。ベアーの手の中にあった時のようにピカピカ、キラキラのまばゆい光をはなってはいないのです。
だがら、星をそおっとベアーに手渡しました。ベアーの手は星より暖かい。
「そうなの? じゃあ流れ星はいいや」
そう言ってベアーが手を広げると、流れ星は別の誰かのもとに流れて行ってしまいました。
暗闇の中の流れ星は、とても、とてもきれいでした。だから、私はベアーに聞きました。
「ベアーは私といて楽しい?」
「すごく、すごく楽しいよ」
「じゃあ、私が居なくなったら?」
「すごく探すよもちろん」
「私もベアーの事をすごく探す。だから私たちは絶対に一緒だよ! だから、だからベアーの大切な思い出を思いだすために、探しに行こう。ベアーのお願いの流れ星を」
「でも、流れ星はみんなのもとに行っちゃったよ?」
ベアーは腕を組んで、首をかたむけます。
そんなとっても可愛いベアー。
「乗って! 魔法のほうきに乗って探しに行こう!」
私たちはどこかに、流れ星が落ちていないか、探しだすために旅立ちました。
どこまでも白い砂浜が続く海にあったのは、太陽の光を反射させてキラキラ光る海でした。
砂がいっぱい、ラクダに乗って旅した砂漠では、サソリを見つけて大声あげて逃げました。
大きな街を探した時は、1番高いタワーの最上階にあがって、はい、チーズ。
すごく楽しかったけど、流れ星はどこにもないのです。仕方がなく私とベアーは、一度お家に帰ることに。
ほうきに乗り、大きな山を越えると、大きな湖が見て来ました。
私たちのおうちは、もうすぐそこ。湖の中には満月へ続く光の道が出来ていて、私は飛ぶ高さを低くして、満月へとつづく道を行くのです。
「きれい……ベアー、そう思わない?」
私が腕のにいるベアーに思わず、そう言うとベアーは、一生懸命に湖面の光を体を乗り出して見ていました。
「サラちゃん、流れ星だ! ほら、あそこ!」
そう言ったと思ったら、ベアー湖の中にポチャーンと飛び込んでしまいました。
「ベアー!!」
私は慌てて、自分に魔法をかけた後、ベアーを発見するため小さな光を魔法で呼び出しました。
この光を追えばベアーの元へといけるはず。
私は小さな光を追って、水の中へサバアァーーンと、大きな音をたてて飛び込みました。
ベアーは湖面にうつる月の光を、見間違えてしまったの!? ベアーを早く見つけなくちゃ!
はやく! はやく! はやく!
小さな光はもぐっていく速度をゆるめて、茶色の足に辿り着きました。
小さな光はベアーを空気と淡い光で包み込み、私はその光に向かって、手を伸ばしてベアーを捕まえようとした時、ベアーの進もうとした先に、ピカピカ、キラキラの光か何かが、湖のもっと奥底にあったのです。
でも、ベアーとその光の間には、まだまだ距離がありました。
だから私はベアーを捕まえて、いつものようにベアーを腕のあいだに座らせました。魔法の光のおかげでベアーの体は少し暖かくなってきていますが、まだまだ冷たくてぬいぐるみでも心配になりました。
そして水圧の変化で、体の調子がおかしくならない様に、ゆっくり、ゆっくりと水面に上がって行ったのです。
そのあいだベアーは、私につかまり私が通ったあと、ううん、きっとその先の流れ星の事を水中にいるあいだ中見ていました。
流れ星まで、あとすこしの距離だったのです。私がその気になれば取れていたのかもしれません。 私はやはりベアーには流れ星を使って貰いたくないのかな?
満月の下、私たちはほうきに乗って、私たちのちょっと懐かしいおうちに帰えってきました。
しかしベアーは、魔法のお風呂に入ると、「疲れた」と言って晩ご飯も食べずに木こりのロッドさんが作ってくれたベアーのベッドに入ると寝てしまいました。
つづく
見ていただきありがとうございました!
また、どこかて。