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魔法使いのサラとぬいぐるみのベアー

 小さな魔法の女の子のサラと熊のぬいぐるみベアーの冒険です。(全4話)


 童話のイベントのために書きました。どうぞよろしくお願いします。



 クヌミの村は、山間(やまあい)に出来た村で時々、雪雲(ゆきぐも)が山にぶつかり大雪を降らせます。 


 昨日の晩、積もった大雪を小さな魔法使いサラは、村の家々を魔法のスコップ片手にまわり、スコップはまるで踊る様にひとりでに雪をおろしていくのです。


 魔法がありふれたこの世界でも、サラほどの魔法使いはそういない、そんな彼女が村に居てくれる事でみんなが少し幸せになりました。


 そんな小さな魔法使いのサラは、森の中の小さい家に住んいる。


 村のみんなは彼女が寂しくないように、彼女の家に何かと様子を見に行き、魔法使いの師匠や友達が小さな魔法使いの女の子の前に現れてくれないものかと思っていました。


 けれどある時から彼女の家にぬいぐるみの熊が住みだしてみんなほっとひと安心したのでした。


          ☆


 ある日のくもりの日


 書きかけのノートのまわりにはインクとペン。そして多くの植物辞典や薬草図鑑が置かれてる机。


 そこから少し離れた場所にある。ベッドの中で小さい魔法使いのサラは、スヤスヤと眠っていました。彼女のベッドは、きこりのロッドさんの手作りで、とてもスヤスヤ眠れるのです。


 そこへフライ返しを片手に持った、茶色のくるくる、まき毛ぬいぐるみの熊ベアーがやって来る。


 ベアーは、ヨイショ! ヨイショ! とサラのベッドによじ登り彼女の上に乗りフライ返しをフリフリして「起きてー!」と叫ぶのだが、幸か不幸かぬいぐるみベアーはぬいぐるみなので軽いのです。


 サラは、全然起きません。


「起きて!今日のオムレツは、牛乳の量もバッチリで、チーズとろとろ、フワフワなんだよー!」


 その声を聞き私は、おめめばっちり起きました!

「本当、ベアーすごい成長! すごい!」


「うんうん、ちょっと焦げたけどね」


「ちょっと焦げたか……でも、ベアーが作ってくれるだけで、すごくいいよ! ヨッ! 最高の落とし物!」


 そんな事をベアーを拾った私は、毎日やっていてとても楽しく、素敵な日々です。


「ベアーのフワフワオムレツ、すごくフワフワで、すごく美味しい!」


「そう? そう? すごく美味しい?」


「うん! だからおかわりお願いします」


 私はお皿を両手で前に出しお願いするが、「ごめん、もう卵なくなっちゃった」


「まあ! ベアー 卵何個つかった?」


「全部で、6個! 使いすぎ? でも、すごくフワフワで美味しかったでしょう?」


「でも、いつも3個だとにわとりさんが大変よ。でも、誕生日にはお願いね。私は、フワフワオムレツ大好きだもの」


「うん、任せといて!」


 すごくオムライスが美味しいかったから、今日の魔法は成功しそう。魔法の大鍋に、今年1番最初に降ったゆき、冬の寒さの中に負けない緑の葉っぱ、ローリエ、それらを一晩煮込んだものに、作り置きの魔法のソースを混ぜれば、冬にもお花が咲く魔法の肥料が出来上がる。


 魔法使いの大きな黒い鍋の中には沢山の葉っぱが浮いたり沈んだりしています。それを魔法が掛かった大きな木のしゃもじがゆっくりかき混ぜる。料理が魔法の効果でピカピカ光だした鍋をゆっくり、ゆっくりかき混ぜ丁寧に手間と呪文を唱えながら煮込むと、それだけきれいに咲き続けます。


 その時です! 庭に残った少しのゆきを掃除していたはずのベアーが、ほうきを頭の上でフリフリしながら、魔法使いの小部屋の扉を開けて入って来きました。


「サラ、聞いて僕は木こりのロッドさんに、素敵な話を聞いたんだよ!」


「ベアー、勝手に入って来ちゃだめだよ!」


 私がそう言った時は、ベアーのほうきからポチャリと雪どけ水が鍋の中に落ちて入ってしまいました。


「「あっ」」ベアーと私は、しばらく魔女のお鍋の中を見ていると、雪どけ水の入ったところから、ピカピカ光る光がすーっと消えていってしまいました。


「こらあー! ベアーここは勝手に入っちゃだめって言ったでしょう!」


「サラ、ごめんなさい」


「だめ! だめだけど、もう一晩煮込めばなんとかなるからこの魔法は大丈夫よ」


「そうなの? 良かった」


 ベアーは目をゴシゴシしながら言いました。ベアーは涙が出ないけど、涙が出るほど悲しかったのかもしれません。

「でもね、お客様のお薬や、危険な魔法もあるから気をつけて」


 そう言って、私はベアーのほっぺをつつきます。ベアーは恥ずかしいのか、ほっぺを押さえて頭を右へ左へ振りました。


「あっ、そうだ! 木こりのロッドさんが今日ぐらいに、願いの流れ星が降るって行ってたよ! すごいよ! 卵4個分くらいすごいの」


 ベアーは両方のほっぺをおさえて、おしりをフリフリします。小さな丸いふわふわしっぽが、右へ左へ大忙しです。


「お願いを叶えてくれる、流れ星が欲しいのベアー?」


「すごく欲しい」ベアーは深呼吸をするように、両腕で大きなまるを描きながら、大きな声で言いました。


 ある日、私の前に現れたたくるくるふわふわのベアーは、以前の記憶がありません。


 もしかして、元のおうちに戻りたいのかな? そう思うと少し寂しい気持ちになったけど、会いに行けばいいかもしれない? ベアーの家のタンスとうちの家のタンスをつなげても楽しそう。


 でも、思い出す代わり、うちでの事をすべて忘れてしまったら悲しいから、やっぱりお手伝いやめようかな? と、思ったりしました。


 でも、それをとても喜んでいるベアーに伝える事は出来ませんでした。


 つづく


 

見ていただきありがとうございました!


また、どこかで!

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