清和天皇の前世、伴善男を恨む僧にて、法華経速記したること』速記談2050
清和天皇の前世は、僧であったという。この僧が、内供奉十禅師になりたいと願ったので、仁明天皇は、これに任じようとなさった。判義男は、正式に奏上して、これをとどめさせた。この僧は、悪心を起こして、法華経三千部を速記して、千部の功力をもって私を帝王となせ、千部の功力をもって伴善男卿の妨げをなせ、残りの千部の功力をもってこの妄執を消し解脱させてくれ、と願った。この僧が他界してほどなく、清和天皇が誕生した。清和天皇は、まだ小さいころから、事に触れて伴善男を嫌った。伴善男は、修験者に頼んで、国王の寵愛をも獲得できるという如意輪法を行わせ、高位に上ったが、最後は、前世の因縁によって、罪を着せられたという。
教訓:伴善男失脚により、藤原氏の天下はほぼ完成する。