俺幸せだよ!
「ここかな!魔王いますか〜!」
俺は魔王城の地下に転移してきた。急に小さな子が現れ魔王は驚いていた。
「なっ、なっ、なぜ!ここに人間の子がいるんのだ!この魔王のプライベートルームにはワシ以外誰も入れないよう結界が張ってあるのに!」
禍々しい魔力を纏った浅黒な肌に角の生えた大柄男が騒いでいる。
やっぱ、こいつは魔王だろう。魔王のプライベートルームにいるんだし。一応聞いてみるか。
「うるさいな〜 あんた魔王でいいんだよね?」
「いかにもワシは魔王じゃ、見ればわかるじゃろ、このオーラと存在感が魔族の頂点、魔王じゃ〜!!」
やっぱ魔王だった、よかった。間違えた場所に転移したと思っちゃったよ。だって、この部屋全部ピンク色で魔族の女の子の絵画とかわいいぬいぐるみだらけだし。
「いい趣味してるね魔王。これじゃあ誰も入れられないね」
「そうなんじゃよ、ワシかわいいものが大好きなんじゃよ。毎日おっかない顔だらけの臣下達をみてると癒しが必要なのじゃよ。
違〜〜う、なぜ人間の子がここにいるのだ!どうしてワシの魔力を浴びて普通に会話しておるのだ!」
「え、このぐらいの魔力たいした事ないよ。ここに来た理由はね俺の村まで攻めてきそうだから魔王を倒しにきちゃった」
さてと、夕食前に帰らないと両親に心配させちゃうから、さっさと終わらせて帰ろうか。
「ハッハッハッ!このワシを倒せると思っておるのか?ワシは最強の魔王だぞ!前の魔王のように一撃でやられた雑魚とは違う!人間の子如きに倒せると思うのか?勇者を何人も殺してきたこのワシが。ハッハッハッ!お前も小さくてかわいいから奴隷にしてかわいがってやるよ。この最強魔王がな」
うわ〜、魔王の結界破って転移してるんだから相手の力量わかるよね普通!この魔王、余裕こいてて大丈夫かな?まぁ、いいか。
「じゃあね、魔王」
自分の拳に神気を溜める
ブォーーーーーン
「なんじゃ!この気は?勇者以上じゃないか!いや違う、神気じゃないか!なぜ、神がここにいるんじゃ〜〜!神がこの世界に介入していいわけあるか〜」
「神じゃないし、普通の村人だし、バイバイ変態魔王」
ズゴ〜〜〜〜〜〜〜ン!!!
やべ、やりすぎちゃった。久々だったから神気溜めすぎちゃったよ。魔王城が半分消滅し拳の射線場にあった山も消滅し辺りいったい焦土と化した。早く誰にもみつからずに家に帰らなきゃ。誰も魔王を倒したのが俺だってわからないよね、俺5歳児だし。
夕食に間に合うためにさっさと転移しよ。遅れると母さんにお尻ぺんぺんされるし。母さん約束守らないとおっかないんだよね。たぶん魔王より強いよ絶対に!
もう魔王を倒したから脅威はないはず。残党は王国軍か勇者が相手するだろうし。どのくらい王国軍が強いかわからないけど。まあ、関係ないからいいや。
◆◆◆
いや〜ギリ間に合った(汗)!母さんにお尻ぺんぺんされなくて済むよ。母さん門限に超厳しいんだよ!!今回も魔王倒せてよかったな。!自分で最強魔王っていってたくせに、ワンパンでやられるなんて弱すぎでしょ。
まあ、これで平穏な生活が戻ったよ。
マジックバックからヤギ乳を出してドアを開けた。
「ただいまあ〜〜〜〜!!ヤギ乳絞ってきたよ!疲れた〜。もうお腹ぺこぺこだよ。お腹と背中がくっついちゃうよ!」
「おかえりなさい、ありがとうねカイン。今日はカインの好きなシチューだよ。手洗ってからお食べ」
「やった〜!久しぶりのシチューだ。今日は何かいいことがあったの母さん?」
「ふふふ、お父さんが帰ってきたら教えるね♪」
何となくわかるけどね!母さん妊娠してると思う!鑑定スキル使う必要ないぐらい母さんの態度でわかっちゃうよ。両親はず〜っとラブラブだもんね!!最近、夜はハッスルしてたし!!!
さてと早く手洗ってた〜べよ♪
「ドッガァン!!」
ドアがものすご勢いで開いた。
「ただいま!帰ったぞ。今日は大きな熊を狩ってきたぞ!ナンシーすごいだろ〜!!庭に置いてあるから後で解体するからカイン手伝えよ」
「ちょっと!!あなた、またドア壊れちゃうから静かに開けなさいよ。あと、カインはまだ五歳なんだから刃物は持たせちゃだめよ!もう(溜め息)、そんなことより早く食事にしますから手洗ってきて!その後に大事な発表カインにあるんでしょ!?」
「おう!?そうだったな!カイン驚くぞ〜。早く飯たべて発表しないとな!楽しみにしてなカイン」
「たのしみだな♪」
◆◆◆
「「「森の恵みに感謝!いただきます」」」
お!今日のシチューは特別に美味しい♪
やっぱ、弟か妹が産まれるし、両親も幸せそうだから自分も幸せに感じて料理がおいしく感じるのかな!
これが平穏な家族幸せな生活なんだろう。
日本で働いてる時も前回の勇者の時もほとんど1人で食べてたから美味しく感じなかったのかも。まあ、過労死するぐらいだから味覚もおかしくなってたのかな?
まあ、過去の事はいいか今幸せだし!
「では、発表するぞカイン!なんとナンシーが妊娠しました〜。カインに弟か妹が産まれるぞ!?嬉しいだろ!」
「本当に?じゃあ家族が増えるんだね!やった〜!早く一緒に遊びたいな〜♪弟だったら砂遊びと鬼ごっこと隠れんぼがしたいな♪妹ならおままごとお人形遊びするんだ♪それから家族みんなでピクニックに行くんだ♪」
ふっふっふ、通算20代後半の精神だけど我ながら5歳児の反応百点満点だ!!
「‥‥‥‥」
母さんが沈黙している
「なぜカインが5歳児のような反応してるんだ!?カインは毎日ぐーたらしてるからそんな活発な子供のようや事は絶対しないし、そんな考えも絶対しない」
父よ、なぜ俺の事そんなにわかってるんだ!?
母よ、なぜ沈黙!?
いままで完璧な子供を演じてきたというのに‥‥
「カイン、あなたはすぐに顔にでるからわかりやすいのよ。もう少し隠す努力をしなさい。‥もしかしてカイン私が妊娠してるのわかってたわね?」
母さんがものすごい眼圧でこちらを睨んでくる。母さんは嘘にも厳しいのだ。正直に言う事にした。
「‥‥知ってたっていうか母さんの様子でわかっちゃんだよ。あと最近夜うるさかったしね。」
母さんが恥ずかしそうに真っ赤な顔になっている。
「‥‥ゲイツ、もう少し大きな家でも建てましょう‥‥」
「‥‥そうだな!大きな家建ていっぱい部屋のある立派な家作るぞ!ナンシーあと何人でも産んでも大丈夫だぞ!あと壁も厚くしよう」
父さんも少し恥ずかしそうだったがすぐに復活した。あと何人子供が生まれるのかニヤニヤしながら妄想している。
これが一般的な平穏な生活だよね
「おめでとう母さん、父さん!後2人ぐらい頑張ってね!」
この幸せが続きますように‥‥
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