仲直りしたよ!
ふぅー!間に合ってよかった。あと少し遅れたらエレナはもう‥‥考えるだけで恐ろしい。くそぅ、久しぶりに怒りMAXだぜ!あの蜘蛛女だけは絶対に許せねぇ!
「エレナ、ごめんよ。俺が倒すまで休んでいてくれ」
「‥‥」
エレナは意識を失っているようだった。俺はエレナに結界を張り地面に寝かせた。
「おい!蜘蛛女、よくもエレナに酷いことしてくれたな。俺はお前を簡単には殺さないからな。自分から死にたくなるぐらいまで後悔させてやるよ」
カインは怒りで我を忘れそうになっていた。
「エクス!こい!」
エクスがカインの手元まで飛んできて握りしめた。
『ぐすん(涙)!マスターもっと早く来てくださいよ!エレナが殺されそうだったんですよ!この役立たず』
「あぁ、その通りだよ。俺が早めに仲直りしてればよかったんだよな」
俺が意地を張らなければよかったのに‥エクスに言われるのは腹か立つがその通りだ。
そして俺は蜘蛛女まで歩いていく。蜘蛛女は不思議そうに俺を見つめた。
「子供?もしやお前も勇者か!?」
俺は即答した。
「違う、普通の8歳児だ」
アラクネは唾を吐き出してながら叫んだ。
「違うわけあるか!?普通だったら私の結界に入れるわけないのよ!?どう見ても勇者でしょ?聖剣呼んだら手に収まるって勇者しかできないでしょ!?」
「やれやれ、あの程度の結界なんて、俺にしてみればないのといっしょだ。あんな薄っぺらい結界なんて8歳児なら誰でも破れるだろ」
「普通破れないから!でも面白い子ね。さっきの女勇者より楽しませてくれそうじゃない。まず、あなたをじわじわ殺してから憎き女勇者を殺すわ。あなたが回復してくれたおかげまた遊べるわね!私のスライムちゃんを殺した憎き女勇者を」
「え!お前もエレナにスライムを殺されたのか?」
蜘蛛女は気に食わないが気持ちはよくわかる。
「お前も?私の癒しのスライムちゃんはあの女勇者にテイムを上書きされたあげく自分でテイムしたスライムちゃんを自らの手で殺した鬼畜勇者なんだ〜」
「えぇ!?チョコはお前のスライムだったの!?えぇ!テイムって上書きできるんかい!?‥蜘蛛女悪い俺がテイムした。だからエレナじゃなく俺を恨んでくれ」
「お、お、お、お前か〜〜私のスライムちゃんを〜〜!もう許せないわ!お前ら2人じわじわ殺すつもりだったけどすぐにぶっ殺してやる」
「出来るもんならやってみな!《聖剣エクスカリバー全解放リミッター解除》」
『ウホホーイ!力がみなぎる〜!マスター神気は絶対使わないで下さいね』
「あぁ、使わないさ。使うと一発だからな」
ピカーーーーン!虹色に光り輝き聖剣が最終形態に変化した。刀身が伸び周りには赤、緑、青、黄、黒、白の玉が円を描いて浮いている。カインにも変化があった。髪は黒から白に、黒眼から紫眼に。
そして辺り一体真っ白になり聖域化した。
「な、な、何その力?ありえないわ‥‥こんなの勇者のレベルじゃない‥‥も、もしかしてお前が3年前私の同僚を殺したのね!?こんなの魔王様や四天王様でも倒せないわよ!」
アラクネはさっきの余裕はなくなり全身が震えだした。もう自分では太刀打ち出来ないと悟ってしまった。当初のエレナとアラクネと対峙した時のエレナの状態と同じになってしまった。
「そんなの忘れた。いくぞ!蜘蛛女、楽に死ねると思うなよ《閃光斬》連撃」
シーーーーーン‥‥無音になった。カインの連撃は神速で剣を振ったためカインは何もしていないようだった。
「‥‥何ともないじゃない。驚かせるんじゃないわよ。次は私からいくわよ。《金剛糸》」
アラクネは鉄をも切れる金の糸を吐いた。
カインは避けなかった。そして糸に絡みついてしまった。
「ふふふ!もうお前は動けなくなったわ。動けば私の糸で真っ二つよ」
アラクネは勝ちを確信した。
「蜘蛛女、こんな糸は俺には効かない」
カインは気合いを入れて簡単に糸を弾きとばした。
「え、私の金剛糸が‥嘘でしょ!ちっ、このヤロー!‥あ、あれ‥」ドスゥン!ドン、ドン。
アラクネ地面に倒れた。アラクネの蜘蛛の足全部、本体の両腕がいつのまにか切り落とされていた。
「うぅわぁ〜〜!わ、わ、私の体が‥‥‥」
切断面から血が吹き出しアラクネは達磨状態になり地面でのたうち回った。
「おい、まだこんなんじゃ、死なないよな蜘蛛女、まだまだこれからがお楽しみなんだ」
カインはニヤリと笑みを浮かべながら手を伸ばしアラクネの頭を片手持ち上げ目玉を両方くり抜き潰した。
「グチャ、グチャ」
「ギギャーー!やめろーー!」
アラクネは悲鳴をあげているが、カインは気にせずに今度は腹に聖剣を突き刺した。致命傷にならない場所に。
「グヘェ、もう‥‥さっさと殺せ‥‥殺してくれ‥‥」
聖剣の聖なる力で内臓も焼かれたアラクネの心は折れてしまった。
「いや、まだ殺さない。お前も俺達にやろうとしてたんだろ?ハッハッハッ!まだ楽しもうぜ蜘蛛女」
カインは怒りのせいで感情が抑えられなくなっていた。カインの中に眠っていた闇の力が目覚めてきたのだ。
「次はどこを刺そうかな?まだ死んでくれるなよ」
カインが聖剣をもう一度突き刺そうとしたら‥‥
「カイン!もうやめて!そんなことするのカインじゃないよ!カインは優しいグータラで普通の8歳児でしょ!もう私は大丈夫だから。これ以上やったらカインじゃなくなっちゃうよ」
エレナはいつのまにか意識を取り戻していた。
「くそぅ、エレナに見られてたか‥‥わかったよエレナ。おい蜘蛛女、エレナに感謝しろよ。もう死ねるんだからな」
シュッ‥ カインが聖剣を縦に振った。
「あ、あぁ」
アラクネは真っ二つになりあっけなく死んだ。
そして聖域が解除されカインはいつもの黒眼黒髪に戻った。
「カイン‥正気に戻った?」
「あぁ、エレナのおかげだ!ありがとな。はぁ、俺の変な所見せちゃったな‥‥俺の事失望しただろ‥」
カインは自分の欲望を抑えられなくなって闇落ちしそう自分をエレナに見られ落ち込んでしまった。
「失望なんてしないよ!さっきはいつものカインじやなくて怖かったけど、私はどんなカインでも絶対に失望なんてしないよ。また同じようになったら私が助けてあげる!だから今度は私が強くなってカインを守ってあげるね」
エレナはさっきのカインが怖かったが自分の為に怒ってくれたカインの事は嫌いにはなれなかった。むしろ闇落ちのカインもカッコいいと思ってしまうほどに。
「‥エレナ、何で俺なんかに‥‥」
「‥カインのことが大好きだからよ!優しいカイン、グータラなカイン、いつも助けてくれるカインが大好きなの!」
エレナは勇気を振り絞ってカインに伝えた。
「えぇ!?こんな俺の事が好きなのか?俺でいいのか?」
「うん♡」
「そうか‥ありがとな俺のこと好きになってくれて。俺はエレナのこと‥‥」
俺はまだエレナの事はただの幼馴染としか見ていなかったら困ってしまった。
「‥カイン無理しないでいいよ!カインはまだ幼馴染としてのままなんでしょ!私いつまでも待つから。カインの気持ちが決まったら教えてね!」
「あぁ、ありがとう、待っていてくれ!」
「じゃあ、カイン仲直りのハグしよ!」
「急だな!まぁ、仲直りのハグだったらいいか」
2人は抱き合った。何もあたらなかった
「今。胸がないって思ってたでしょ!」
な、な、な、なぜわかったんだ!?恐ろしい子だ!元勇者の俺の心を読むなんて!!
『‥‥マスター顔にでてるからすぐに誰でもわかりますよ‥‥ でも仲直りできてよかったですねマスター!!』
「あぁ、エクス、その通りだ‥本当によかったよ」
ステータス
名前 エレナ8歳
称号 カインの天敵勇者
レベル 09/99
攻撃 15/99
防御 18/99
体力 13/99
魔力 09/99
属性 火1/5
雷1/5
光2/5
スキル 強化 剣術(連撃)
閃光撃(勇者専用)
閃光撃、聖剣の力を借り一時的に攻撃力2倍になり、聖なる力を扱える。
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