聖剣の日常だよ!
私は聖剣です。見た目は子供のおもちゃの剣のままです。それには理由があります。もうそろそろ来る時間になってしまった‥
バタン、ドアが開いた。
「‥あぁ聖剣、なんて神々しいんだ!勇者の聖剣が家にあるなんて‥‥」
目をキラキラさせながら男が入ってきた。それはマスターの父君である。
父君はマスターが家にいない時を見計らって、部屋にこっそり入ってくるのだ。毎回剣を手にとり、うっとりしている。‥とても気持ち悪いです‥ 剣を頬擦りし始めたと思ったら剣を上に突き出して叫んだ。
「光れ!俺の聖剣」
光らないですよ父君よ!これただのおもちゃの剣ですから。毎回私はこの光景をドン引きしながら見ています。
何故このような状況になってるかには理由があります。
前に魔族を倒した後、聖剣を貸す約束をしてしまいましたがマスターにどうしても父君には貸さないでと号泣して懇願したら代わりにもう一つの剣を貸したのが勘違いの始まりでした。そのおかげで私の貞操が守られております。
だからバレないようにおもちゃの剣のままでいるのです。
バタン、ドアが開いた。
「あなた、またおもちゃの剣で遊んでるの?いい歳して勇者ごっこしてないで早く仕事しにいきなさい!」
「おぉう!この事はカインに秘密だぞ!じゃあ、いってくるな」
父君が慌てて立ち去りました。ふぅー、良かった!いつバレるか毎回ヒヤヒヤしているのです。母君に感謝!あれ?母君が私の所を見てるような!?
「あなたも大変ね」
バタン、一言を残しそのまま部屋から出ていった。
えぇ、バレてる!?
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