俺2人に稽古付けてるよ!
俺はエレナと毎日のように剣の稽古をしている。本当はグータラしていたいがエレナが毎日木刀を持って遊びに来るので仕方なく稽古の付き合いをしているのだ、トホホ。そして‥
「せいっ!」
鋭い剣撃で俺の木刀に衝撃がずしりとくる。
それも連撃だ!本当に8歳?って思うぐらいの威力だ!
冒険者ランクでいうとB級ぐらいあるだろう。冒険者の中では中間ぐらいの強さだ。
ランクはF級からS級まである。S級にもなればドラゴンを1人で倒せてしまう。
A級からS級までの差はものすごくあるのでS級はこの王国には5人しかいない。俺が死んだあとはこのS級と勇者達で王都を守っているって村長から聞いた。
俺が前世勇者の時に手伝ってくれれば過労死しなくて済んだのに。まぁ、S級と勇者達とは仲悪かったからなと過去の事を思いだしながらエレナの連撃をうけとめていた。
「どう?ケイン?」
汗をぬぐって、ほてった顔で
聞いてきた。
エレナもかわいくなったなとボッーと見つめた あれから3年たちショートカットから長髪になりかわいらしい女の子になっていた。将来は美人さんになるだろう。
「何ボッーとしてるの?」
「かわいいなって」
「‥かわいい!?」
あ、やべ!心の中の声でちゃった。うん?エレナの顔が赤くなってきたぞ。もしかして照れてるのか?
「にいに、しゅごーい!?かっこいいーにいに」
トテトテとアリスが抱きついてきた。妹はいつも俺達の剣の稽古を見学している。
「そ、そうか?かっこいいか!アリスは相変わらずかわいいな!ヨシヨシ」
俺はアリスに癒されながらアリスの頭をなでなでしてると‥
「カイン!私とアリスどっちがかわいい?」
エレナが食い気味に聞いてきた。そして俺は即答したのだ。
「そんなのアリスに決まってるじゃん!」
「にぃにだいちゅき!」
満面の笑みで答えてくれた。
「ぐふぁーー」
俺は胸を押さえながら膝から崩れ落ちてしまった。余りにも可愛いさに気絶寸前まで追いやられた。さすが俺のマイエンジェル。
「カインのバァカーーーーー」
エレナは涙を浮かべながら走り去ってしまった。ごめん、エレナよ。俺は嘘を付けないんだ!
「にいにはわたちのものなんだから」
ボソッとアリスはエレナの逃げた後ろ姿を見ながら呟いた。
◆◆◆
俺はもう1人稽古をつけている。それは父さんだ!父さんは3年前の魔族の前で何も出来なかった自分に後悔している。もし俺がいなかったらエレナは殺され、母さん、村人達も殺されていたかもしれないと父さんは自分を責めていたのだ。そんな姿を見て俺は父さんの力になりたいと思い毎日ではないが稽古をつけているのだ。
ズガァーン!
「うぐっ!まだだ、カイン!俺はまだまだ出来るぞ!もう一度だ!俺は強くならなきゃいけないんだ!!」
父さんが勇者みたいに立ち上がった!くぅー!かっこいい!
俺に何度も何度も倒されても立ち上がってくる、まるで不死身の勇者だ。
「俺の斬撃を耐えれるんだから父さんはもうA級を超えるぐらいの強さはあるよ。まあ、S級まではいってないけどね」
「こんなんじゃ駄目なんだ!もしまた、魔族が現れたら俺は今度こそみんなを守りたいんだ!もう後悔したくないんだ‥カイン」
折れない心!父さん!ラノベの主人公みたいじゃん!最近は髭も剃ってイケメンになってるし!このまま俺と稽古していればきっと‥
「にいにまだぁ!はやくあちょぼ!」
アリスは30分くらいじっと稽古が終わるのをまっていたが飽きてしまったようだ。まだ3歳だからね!
「アリスもう少しだけカインを貸してくれ!あと少しで何かを掴めるかもしれないんだ!」
父さんはアドレナリンがでて興奮しているようだ。俺もあと少しで父さんは一皮剥けると思っていたが‥
「やだーぱぱなんてだいっきらい!」
「ぐぅふぁあ〜バタン」
アリスの渾身の一撃で父さんは死んでしまった(気絶しただけ)もう体力の限界も来ていたんだろう。
「あぁ、父さんご愁傷様!南無阿弥陀」
俺は父さんに回復魔法を掛けアリスの元に向かった。
父さんは確実に強くなってる。もう少し鍛えれば確実にS級クラスになると俺は確信している。
だからガンバ父さん!
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