1度目の過労死だよ!
あれ?体に力が入らない。周りが慌てて騒いでいるようだが何も聞こえない。たぶん自分はもうじき死んでしまうんだろう。死因は過労死だ。
俺は幼い頃に両親がいなくなり祖父母に育てられた。あの頃は貧乏だったが幸せな生活だったと思う。俺にはいもがいて妹の為に大学資金を貯めるため朝夜問わずブラック企業で働いた。だがもう心も体も限界に達してしまったのだ。でも俺の保険金で妹は大学にいけるからいいだろう。妹には悪いが肩の荷が下りた気がする。
今度生まれ変わるならグータラな生活したいな。神様がいれば願いを叶えてくれるかな。
学生の頃読んだラノベのような異世界で勇者になって魔王を倒して英雄になるのもいいな。
そして俺は意識を失った。
これが一度目の過労死だ。
◆◆◆
「‥う、ここはどこだ?」
辺り一体真っ白で音も匂いも感じない不思議な空間で目覚めた。この空間はものすごく落ち着く、このままここで過ごしたい。
「いいよ!別にここにずっと居ても、暇だし。」
人の気配も感じないし、音のない空間なのに頭によく響く。もしかして自分の考えが筒抜けなのではないだろうか。
これは!もしや!異世界あるあるの女神様だ!
「違うよ、女神じゃないよもっと上の神様だよ。あと君の思考は筒抜けだよ」
やはり、俺はこれから異世界転生するんだ!ハーレム勇者になり魔王を倒し女の子達とウハウハなエッチな生活が待ってるんだ〜!!
「うん、半分正解で半分違うよ。ハーレム勇者にはならないよ。そんなラノベみたいにならないから」
ならないんかい!でも半分正解という事は異世界で勇者になれるんじゃん!
ヤッホ〜イ!厨二病の血が騒ぐぜい。やっぱ死ぬ前に神様に願って良かった〜!
「良かったね願いが叶って。キミこの空間の神気のおかげで心労もなくなって元の明るい性格の状態に戻ったようだね。でも本当に異世界転生していいの?このままここにいてもいいよ」
あれ、俺の事知ってるんですか?確かに昔は明るかったような気がする… そうか、この落ち着く感じが神気なんだ。
久しぶり元の自分に戻った感じだ。体も軽いし今なら空も飛べそうだよ。
「飛べないよキミ、カラダないし。今魂だけの存在だよ。これから次の転生先の身体つくるから要望があったらいってね」
じゃあ、イケメン、高身長、頭脳明晰、スポーツ万能でお願いします!
「了解!う〜ん、はい完成!」
ちよっと〜!全然要望通りじゃないじゃん!?元のままの容姿じゃん。全然変わってないじゃん!
「ただ要望聞いただけだよ。キミの要望通りすると時間かかるしめんどいんだよね。でも3歳分若返らせてあるよ」
3歳分なんてそんなにかわらないよ!?もうこのままでいいんでチート級のスキルとか下さい!勇者だから魔力無限とか再生能力とかステータスMAXとかお願いします。
「無理、そんな事始めからしたらキミの身体壊れちゃうよ。まあ、しょうがないから僕の神気少しだけあげる特別だよ。はじめは弱いかもしれないけど頑張ればキミのいった通りにチート能力になるよ。俺ツェーみたいにラノベ主人公になれるかもね」
マジっすか!俺がんばるっす!ではそれで異世界転生でお願いしやっす。
「ふふふ、調子いいね!まずは魂を身体に移すね。‥‥‥はい、完了。神気も移したし異世界に送るよ。いいかい?」
『あれ、神様が視えるようになった!神様めちゃくちゃ綺麗ですね。女神様みたいです!!」
「僕は男でも女でもないよ。創造神だし。視えるようになったのは僕の神気をあげたからだよ」
『めちゃくちゃすごい神様じゃないですか!』
「ちょうど向こう側から異世界召喚の儀式してるから、こっちが無理やり介入してキミが召喚されるようにするね」
『はい、俺を転生させていただきありがとうございます神様!俺頑張って魔王倒して平和な世界にします』
「まあ、ほどほどに頑張ってね。勇者は他にもいるんだし。じゃあ、今度は身体には気をつけてね」
光に包まれ男は異世界召喚された
「さてと久々に仕事したからカップラーメンでも食べようかな」
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