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マリアの遺体

赤馬、箒に跨り、カルツとブルースの二人は、聖母達のいた村へ向かった。


ブルースは赤馬を忌々しそうに見つめる。

「なんだよ、乗れなかったからって拗ねるなよ」

カルツの言葉にブルースは激昂する。

「ガキ扱いしてんじゃねぇよ!

そのクソ馬に乗れたからって調子のるなよ!」

カルツはやれやれ、と言い返さなかった。

「まぁ、馬は置いといて、今から俺達はあの

大量の聖母を相手するわけだけど、俺は

なんとかなるにしろ、お前はどうやって戦うんだ?」

ブルースは箒のリアボックスを叩く、

「この中に兄さんの魔法を詰めた瓶を大量に

用意した、これでなんとか凌げると思う」

カルツが興味深そうにリアボックスを見る。

「ブルースに兄弟がいたとはな、でも、

いつの間に用意したんだ?」

「俺と兄さんの視界は共有されてるから、

俺が兄さんに魔法で郵送してもらった」

ふーん、とカルツは相槌した。

「お前は大丈夫なのか?

死体が無ければ戦えないだろ」

カルツは赤馬から溢れ出るハラワタを指差す。

「赤馬がさっき沢山死体食ってたろ、そんだけ

で十分だよ」

ブルースが震え上がる。

「お前…糞に塗れるつもりかよ!

戦ってる時に俺に近寄るなよ!」

「糞じゃねぇよ!胃袋から直接出すの!

それに赤馬自体が死体だからコイツで踏み荒らせばすぐ終わるだろう」

赤馬が鼻を鳴らす。

「見えてきたな、聖母達の村が…」

「ここら辺で止まろう、ホラッ」

カルツが赤馬を制止する。

広い荒野に不自然な時計台が聳え立つ村を

岩陰から観察する。

「やっぱり、気配はない…全員家にいるのか?」 

前回来た時も村に人の気配はなく、奇襲を

受けたので注意深く二人は観察する。

「囮を使おう」カルツは赤馬の穴の空いた腹へ

指を突っ込み煙を撒く。

腹の穴から丸呑みにされた死体が降りてきた。

「胃液クセェなコイツ!」ブルースが鼻を塞ぐ。

「行ってこい」カルツの命令に従い死体が村へ

向かって行く。

死体は村の中央付近にまで近づくが何も起きない。

「襲われないな…前に死体を撒いたせいか?」

前にシナモン達は聖母達がマリアと呼ぶ聖母を殺して最後にその死体を村へバラバラに

して戻している。

「そのせいかもな、聖母ってのはまだよくわかってない生き物だからな…もしかしたら

マリアを殺した事で皆、自害してるかもしれん」

次の瞬間!死体が触手の様な物に捕まり

視線から消える。

「…自害はしてないようだな、ヨシっ俺行ってくるわ」

ブルースが箒のリアボックスからバズーカ

を取り出す。

「これに瓶を詰めてっと」

「何が起きるんだ?」

見ておけと言わんばかりにブルースが

バズーカを構える。

そして聖母達の家に向かって発射する!

着弾と同時に炎の渦が舞い家に大きな穴が

あく。

「威力高いな…ってか家から何か出てきたぞ!」

バズーカで開けた穴から死体を襲ったで

あろう触手がこちらを見ている。

その触手の先から胎児の形をした肉塊が

ハイハイでブルース達に向かってくる。

「まずい!見つかった!どうするんだ!」

ブルースが胎児が出てきた事でパニックに

なっている。

「どうしようか、てかお前がバズーカ撃てば

いいじゃん!」

あっ、とブルースが恥ずかしそうに向かってくる赤ん坊にバズーカを喰らわした。

着弾し炎の渦と煙が湧いている。

「ビビる事なかったな…」

「お前しかビビってないし、それも赤ん坊に」

カルツに馬鹿にされ、ブルースは憤慨した。

「黙ってろ…あれ?」

ブルースが目を細めて煙の中を見つめる。

なんと煙の中から赤ん坊が何事も無かった

かの様に向かってきていた。

「効かない!カルツどうしよう!」

「情けない事言うな!とにかく殺さないと…

死体を向かわせる、」

カルツがまた赤馬から死体を出し向かわせる。

「あの赤ん坊を踏み潰せ」

死体は赤ん坊に向かう、そして目の前まで

行き足を上げ、頭から踏み潰した。

「…なんだ、弱いじゃん!」

ブルースが調子乗った。

次の瞬間、赤ん坊が爆音を鳴らして大爆発

する!

爆発はまるでブルースのバズーカの様だった、そしてまた煙の中から頭が再生した

赤ん坊がハイハイしてくる。

「もしかして、あの赤ん坊…俺達の攻撃を

取り込んでるのか?」

「多分、そんな所だろう…つまり赤馬なんかで

攻撃したら、赤ん坊に踏み潰される可能性が

ある…それにアイツの頭…元に戻ってる、

つまり、アイツに攻撃もできなければ、

ダメージも与えられない」

絶望的な状況でブルースは何かを思いつき、

赤ん坊に近づく。

「!?何やってんだブルース!」

カルツの制止も聞かず、ブルースは赤ん坊を

抱え上げる。

「やっぱりだカルツ、これは罠だ、

コイツは何度も再生するし、攻撃も返すが

コイツからはなんの攻撃もない、

ただの赤ん坊だ」

カルツは安心のあまりへたり込んだ。

「わかったらなら先に言えよ!

自殺しに行ったんかと思ったわ!」

驚きのあまりカルツの口調が変わる。

「コイツ何かに使えそうだし、持って行こうぜ」

ブルースは腰に赤ん坊を吊るし村の方へ向かった、それを追いかける様にカルツも向かう。

「この触手から出てきたよな…」

二人は触手の前まで行き、それを観察する。

「とりあえず、この触手をやっつけよう。

ブルース、バズーカ」

「あいよ」

触手の出ている家の穴にまたバズーカを

撃ち込む、触手はギューっと耳につんざく

悲鳴の様な耳鳴りの様な音をあげて縮んで

いった。

「赤ん坊より簡単だったな…死んだか確かめて

くれよ」

ブルースに言われ、カルツが煙を家に撒く。

次の瞬間!触手を含め何体もの聖母の死体が

ドタドタと穴から湧き出してきた。

「うわ!なんだこの量!ここの聖母は全員

死んだのか?でもじゃあこの触手はなんだ

ったんだ?」

意味のわからない現象が続き二人は戸惑う。

「まぁ、聖母の体を手に入れたんだし、もう

帰ろう…ここは不気味だ…」

ブルースの意見に賛成し死体達を連れて二人は拠点へ帰ろうと歩く。

二人の後ろから眩い光が辺りを照らす。

「うわ!眩しっ」

光は太陽の光を超える程強くなっている。

「愚かな者達よ…我が子を返しなさい…」

「女」の声が二人を呼び止める

「誰だ!」

振り向くと時計台よりもさらに上、空の上に

巨大な聖母がいた。

「私は「マリア」、貴方達に殺された者です。

ですが、完全には殺せてなかった…

私は神に選ばれ、今や神と同等になったの

です」

母性溢れ出る声でマリアは話す。

「なんか、落ち着く声だな…ってそんな事は

どうでもよくて、お前も聖母だよな!

カルツ!殺そうぜ!」

「おう!でも、デカすぎないか?

どうやって戦う?」

ブルースは箒に乗る。

「俺はコイツに乗って上から爆撃する

お前も乗れ!」

バズーカを構えてブルースとカルツが上昇する。

「愚か者!神を殺そうと言うのですか!」

マリアの指先から触手が伸びる。

触手を華麗に避け、ブルースが一発バズーカを打ち込む!

ねじれた首に着弾し首の筋肉が覗く。

「クソッ皮膚が消し飛んだだけか…」

「これ使え」カルツがブルースに何かを

渡す。

「神の名の元に貴方達を消します!」

指先だけでなく体中から触手が伸びる

「待ってください!マリア様!」

二人に触手が当たる直前、マリアを誰かが

呼び止める。

そこには、カルツ達を騙し討ちした聖母

「アカ」がいた。

「なぜ止めるのですか!」マリアが攻撃を

やめて、アカの方へ注目する。

「彼らは貴方を恐れていて攻撃している

だけです。マリア様は攻撃などしては

いけません!彼らは迷える子羊です!」

アカの言葉を聞き、マリアはアカを手のひらに乗せて微笑む。

「勇敢に抗議するその姿、とても美しいです。

でも、彼らは私の子供達を連れ去ろうとして

いるのです。仕方ない戦いなのです」

アカはうつむく。

「どうしました?」

アカはマリアへ微笑み返す。

「死ね」

アカは隠し持ったブルースのバズーカを

マリアの口の中へぶち込んだ!

「ギャアァァァァァァッッッ」

アカは何発もバズーカをマリアに撃ち込み

地面に落ちた。

「上手くいったな、「騙し討ち」」

「そうだな!」

カルツとブルースがハイタッチする。

なんと、カルツがアカを操っていただけだった。バレてもおかしくないが、聖母は疑う事をしないという性質を上手くカルツは利用

した。

「騙したなぁ〜!!!」口から煙を吐き、

体中がズタボロになったマリアが血走った目をたぎらせて凄い勢いで箒へ倒れてくる。

「アイツ、こっち来てるぞ!」

カルツが言い切る前にブルースは箒で全速で

走る、だが、マリアを避けられそうにない!

「避けきれない!」

次の瞬間!マリアに集中していたブルースは

操作を誤り、二人とも箒から落ちてしまう。

「終わりだぁ!」

二人はマリアに押し潰されてしまった。

辺りに静寂が走る、マリアは怒りを発散させ

ゆっくりと目を瞑る











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