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決死


「屈め!」咄嗟に言われて、シナモンは窓の下へ頭を縮めた。

「どうしたってんだ!」シナモンが同じ様に屈む兵士に問い詰める。

「「ブルースカート」が攻めてきたんだよ!

この療養施設の東側の基地の壁を破壊して、住民達を…殺し回ってる。

だから、顔を上げたらすぐ死ぬと思え!」


シナモンは銃弾は平気なので忠告を無視して窓から飛び降りようとした。

その時、同じように反射的に顔を上げた患者の顔に長細い針の様な物が刺さる。

「あああぁ」声にならない悲鳴を叫び、悶え苦しんでいる。

「あぁ!みんな!そいつから離れろ!」

兵士が叫び、必死に逃げようと膝をついて必死に逃げる。

針の刺さった部分がドンドン膨れ上がり、それは無数の針が皮膚の下から溢れそうになっているように張っていく。

「まずい、お前ら俺の後ろに下がれ!」

シナモンは急いでその患者の首を捻りちぎり、窓から捨てた。首は空中で爆発し、無数の針を飛ばして落下した。

「コイツはやばいな」シナモンはその場で待機して、状況の変化をまった。

数分経ち、大勢の足音と悲鳴が施設内に響き渡る、そしてその足音は上へと上がるつれ大きくなり、遂に場所が把握できるくらいに大きくなり、姿を現す。

足音の正体は大勢の信者達だったが普通の信者と違い、動きにキレがあった。

信者達は整列を組み五階の患者や医者に銃口を向けた。

シナモン以外は手を挙げて降伏を表した、

シナモンは右手の大砲を向けて威嚇する。

「いきなりか弱い患者達を襲うなんてビビってんのか」

信者達はシナモンの言葉には反応せず、整列も崩れない。

信者達の群れの中から一人、他とは違い上半身が三つ、顔に包帯を固めてパトランプを頭につけた他の信者とは違う雰囲気を漂う改造人間が前に出てきた。

シナモンはそいつに既視感を覚えた。

その改造人間は手を向けてシナモンに指をさした。

「お前はレッドスカートじゃない。

ん?その大砲は教祖様に似ているな

お前が噂のガキか」

改造人間の指した指と手は鎌に変化した。

「私達はお前を捕まえる事が目的なんでね、

ここで投降してもらおうか!」

信者達は手を挙げている患者達に容赦なく

さっきの「針」を撃ってきた。

シナモンは咄嗟に「腸」を床に撃ち込んだ。

腸は一瞬で膨らみ、針を防いだ。

「クソッお前ら突っ込め!」

信者達は捨て身で突っ込んできた。

シナモンは背中のポンプを殴った、すると

赤子は絶叫をあげて血を体に一気に供給し、腸は一瞬で回復した。

続けてシナモンは「肺」を撃った、肺から煙幕が廊下を包み、そのうちにシナモンは窓から飛び出た。

「逃げたぞ!どこ行った!」

改造男は信者達を押し除けて一人の患者の胸ぐらを掴んだ。

「あの男がどこに行くかわかるか?」

恐ろしく冷たい声に患者は震え上がり声を出そうにも出せなかった。

「…クソ」改造男は患者を器用に鎌で輪切りにした。

大勢の患者が悲鳴や絶叫をあげて逃げ回る。

「片付けておけ」

改造男は信者達に命令し、鎌を自分の胸あたりに集中して刺した、そして体の内部から裏返るように鎌で切り裂き、虚空間に消えた。



シナモンは急いで宿舎に戻って、ブルース達を呼びに行った。

だが、既に宿舎は襲われた後でブルース達の姿はなかった。

シナモンは宿舎を出て教団を探した。

「探しているのはコイツらか?」

シナモンは聞き覚えのあるその声に悪寒が走った。恐る恐る振り向き右手を構えるとそこにはブルースカートの本教祖こと「ブルースカート」がいた。

ブルースカートはシナモンが教団にいた頃より痩せて、印象的だった筋肉はとうに衰えていた。そしてブルースとカルツを信者達に持たせてシナモンを見下げた。

「シナ…モ…ン逃げるん…だ、コイツは…強すぎるる」ブルースが血の混じった咳をした。

カルツは生きてはいるようだが、目を開けない。

「この「裏切り者」の処分は後にするとして、

息子よ…おまえが必要なのだ」

教祖は今にも倒れそうな腰を上げて、シナモンの前に行く。

「シナ…モ…ンに近づく…な」

ブルースが杖を構える。

その瞬間、信者達が槍で一斉にブルースを串刺しにする。

「グッそれでも…」ブルースは魔法を放った。

ブルースを刺した信者達の腹に槍と同じくらいの風穴が空き、みんな倒れた。

「ブルース!!」シナモンは体中穴だらけで血が吹き出していた。するとブルースは自分の目に手を突っ込んだ。

「この目は…レズの…場所がわか…る。レズを助けて…やっ…てくれ」

ブルースはそのまま目をシナモン手渡し、動かなくなってしまった。

「ブルース…逝っちまった」

ブルースの目をまだ温かった。

教祖はシナモンに近づいてきた。

その瞬間シナモンは教祖の胸を腎臓で撃ち抜いた。

「無駄だ、やめなさい」

子供に言い聞かせる様に教祖はシナモンに近ずく、不思議な事に教祖の体には傷が無かった。

「何が目的なんだ!急に大勢率いてこんなとこまで来やがって!」

シナモンは教祖の胸ぐらを掴んで、圧をかけた。

教祖は動じずにゆっくりと抵抗した。

「話してやるから手を離せ」

シナモンは教祖を投げ飛ばした。

「いたたっやっぱり子供は難しい…

私達がおまえに会いに来たのは、「お前の体」をもらうためだ」

「何言ってるかわかんねぇよ」

シナモンは反抗期の子供の様に言い返す。

「見ての通り私の体は虫の息だ…

再生だって遅いし身体能力だって落ちた。

だからおまえの体に乗り換えるんだよ」

急にそんな事を言われシナモンはさらに逆上したが、言い返す事はしなかった。

「なんで息子ごときに「臓器砲」を引き継がせたか分からないのか?全ての欲という感覚を捨てた私が人間の女を犯してお前を作った理由がわからないか?私は私の目的がある、その為にはもっと生きなくてはいけないんだ!」

身勝手で最低な理由と自分の存在価値を言われてシナモンの頭の血管ははち切れそうだ。

「あぁそうですかと差し出せるか馬鹿野郎!

どっちみちお前を殺すつもりでいたんだ、それにそんな体とそこらへんの弱っちい信者達で俺を殺せると思ってんのか!」

教祖は薄ら笑いを浮かべた。

「私は帝国の力を使いお前を強化した。 私の器としてな、だからそんなわけがないだろう」

教祖は信者達の群れの中に目を向けた。

「お前も懐かしいだろ」

信者の群れから出てきたのは、シナモンのよく知る人物だった。 

そいつは長く白い耳と白い毛、右手に鉤爪をつけて、もう片手にバズーカをもっていた。

顔を鉄の仮面に覆われていたがシナモンはそいつが誰かすぐにわかった。

「「猫」じゃないか!生きてたのか!?」

猫はブロ共和国で「猫の弟」に硫酸をかけられ

口に銃弾を詰められて、死んだはずだった。

「コイツはもう「猫」と呼べる位じゃなくなったのですよ。

コイツはこれからのブルースカートの主戦力となり、ブルースカートの道を切り開いていく「ブルーロード」です!」

「ブルー…ロード、ふざけたこと言ってんじゃない!猫!正気になれ!なぜ教祖につくんだ!」

シナモンの声はブルーロードの耳には入っていなかった。

「ブルーロード」教祖が名前を呼んだ瞬間、跪き頭を下げた。

「私からのお願いです。あの男を殺しなさい」

ブルーロードは鉤爪を光らせ、シナモンに赤い目を向けた。

「クソッ猫やめろ!」シナモンの声虚しく、猫は

「CAT二号」からワイヤーを放ち、その勢いでシナモンの顔を蹴り飛ばした。

「やめろって言ってるだろ!」

シナモンは遂に右手を向けて、大腸を撃った、猫を傷つけずに捕獲するつもりだった。

だが、猫は目に見えないスピードでかわして、シナモンの背中を鉤爪で切り裂いた。

切り裂いた所から発火し爆発してシナモンは吹っ飛んだ。

「グッ」シナモンの背中のタンクは割れて血の赤子が爆発で死んでしまった。

「なんで赤子を殺すんですか馬鹿者!」

教祖が猫に怒号を浴びせる。

「せっかく帝国に頼んでつけさしたものを壊しおって!」

ブルーロードは教祖の方を向き、真顔を見つめた。

「今だ!」シナモンはブルーロードを「小腸」で捕まえた、そして右手を思い切り引っ張りブルーロードを地面に叩きつけた。

ブルーロードは何事も無かったかのように起き上がった。

そして、シナモンに急接近しそのまま胸を貫いた。

シナモンは抵抗も出来ずに倒れ込んだ。

そして、鉤爪を抜いた瞬間爆発して上半身と下半身がバラバラになり、動かなくなった。

ブルーロードは背を向けて教祖の元へと戻った。

次の瞬間、ブルーロードの足が止まる

シナモンが「何か」ブルーロードの脳に撃ち込んだのだ。

シナモンの体はそのまま死んでしまった。

「ブルーロード…もうちょっと綺麗にころしてくれないと…赤子も殺しちゃうし、これだから「脳なし」は」

教祖がブルーロードを蔑む。

ブルーロードは教祖から言葉の槍をかわしながら「いつも通り」にまた信者群れへ帰っていく。

その瞬間!ブルーロードに強烈な頭痛が襲う

改造されたブルーロードには痛覚といった神経がなく痛みを感じるはずがないはずが、初めて感じる痛みにわけが分からずに座り込む。

(入れたみたいだな)頭の中から今さっきまで聞いていた声が響く。

(おまえに俺の脳神経をぶち込んだ、これからはおまえの肉体で世話になる)

シナモンは死に際に脳神経をブルーロードの頭に入れた事でブルーロードの神経は千切れシナモンの神経にぬりかえられ、今はその途中というわけだ。

ブルーロードはどうしようもなく、ただ消える事が良くない事だと理解しどうにか走りだした。

ブルースカート教団を無視して走り、走り、走り込んだ。だが、頭痛は止まないどころかもっと酷くなる一方だった。

遂に体が言う事を聞かなくなり、意識も消えていった。












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