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とある男の独白
◇
流れる銀の髪に、エメラルドの瞳。
龍にまたがって宙を舞い、渦まく風の奔流を携える少女。
あるとき彼女は、極熱の炎のなかへと飛びこんでいた。
炎に身を焦がされながらも、懸命に剣を振るいつづけながら。
「私が造るんだ!
夢の国を、この空に!!」
またあるときは、万物が凍てつく冷気にその身をさらして。
凍えるからだに鞭うちながら、夢への想いを叫びつづける。
「そこをどきなさい、ミネスポネ!
私が進む道を、妨げるな!!」
だが、彼女が背負う使命はあまりに重く。
あるとき彼女は、極電圧の雷にその身を撃ちぬかれた。
ーーあぁ、そうだ。
護り、護られ……。
私はこの人とともに、生きていきたい。
何度も傷つき、倒れ、翼を折られながら。
そのたび彼女は立ちあがり、宙へと舞いあがった。
そうして戦いつづける彼女を、俺はただ、ただ支えてあげたかったんだ。
ーーこれは『夢の国』を造る彼女と、それを支える俺の物語。