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雨の日 弍

「ぁあ、暇だな」


先程、私は、昼飯を済ませたところだ

しかし、ただただ湖に突っ立っているのも、どうにも暇だ。


「少しばかり、廻ってみるか」


誰に言う訳でも、聞かれる訳でもなく

私は、周辺を廻ってみることにした。


雨が降っている

しかし、この程度の小雨なら、周辺に行く程度、どうということは無い

はずだ。


まぁ、先のことばかり気にし過ぎてもいけない

どうせなら、気侭に生きるのがよい

まぁそれも、私の持論ではあるが


周辺をぶらついて居ると、

ふと、見覚えのある模様の奴が、1人、歩いていた。


こんな所で見るとは珍しい

彼の同族は、それ程遠くまで行かないと聞いたのだが

やはり、彼は「変わり者」なのだな


「おぉい、君」


私は、彼に少々大きな声で呼び掛けると

ふわりと降り立った。


「やぁ、君、久しぶりじゃあないか」


「おぉ、久しぶりですね。貴方は、確か、前に湖で会った・・・」


久しぶりに会う知り合い

久しぶりの会話

ついつい、会話も弾んでしまうものだ


「いやはや、君、本当に旅が好きなのだなぁ」


「覚えてくれて何よりです。まぁ、貴方の様に、ひとっ飛びという訳ではありませんがねぇ」


「あぁ、さて、君」


「どうかされましたか」


「出会い、なんかはどうなんだい」


「いえいえ、全くです。」


「はは、私の方も全くだよ」


私たちも、もうすぐ伴侶を迎える齢になる。

独り身同士、会話も盛り上がるものだ


「それこそ、私は伴侶が出来ても、渡ってゆかねばならんからなぁ、君はそうとも行くまい。どうするんだい」


「まぁ、勿論、旅は出来ないでしょうなぁ。でも、旅をやめてもいいって程の、魅力的な方に出逢いたいものですよ。」


「違いないな」


会話に耽って居ると、小雨も止み、雲が多少晴れ、もう日が傾き始めていた。


「おや、もう夕方か」


「時間が経つのは早いものですね。特に、楽しい話をしていると」


違いない、良き友を持つと、やはり良いものだな


「さて、君、どうする」


「私は、そろそろ寝床に帰ります。まだ数日程ここに居るつもりですよ。」


「なら、私も帰るとしよう。私は、明後日程の明朝に、ここを発つことになっているからな」


「ではまぁ、また、寂しくなりますな」


「なぁに、いずれまた会えるだろうよ」


そして、私は、帰る為に羽根を暖め


「では、またいつか」


彼に別れを告げ、湖に戻った。

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