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Leaf  作者: 附和 実咲


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7/7

騎士(ナイト)の称号

「こちらへ…」


ナピカルは開いた左をソウタの右側に向けた。

すると突然、アンティーク風の扉が現れた。


「あなたを保護する場所へご案内します。安全な所ですので大丈夫です。」

この時だけ、ナピカルはソウタと視線を合わせて言った。


ナピカルは扉をゆっくりと開けました。

扉の向こうは白く、輝いているようにも見えてよく見えなかった。

「私が扉を閉めますので先に行ってください。」


ソウタはナピカルの声が申し訳なさそうに聞こえました。


その空間に入った途端、ソウタは音を失う感覚に襲われる。

さらに、脚を何かに引っ張られるような奇妙な経験

頼りの視界が迷子になってしまう世界

息だけは普通にできるようで安堵した。


あと少し、もう少しで、窮屈じゃなくなるよ


急に女の子の声が響いた。

誰か近くにいるのか?わからない

わかるのは、繋がった手の温もり


いつの間にか、ナピカルが先導していてくれていた。

もしかしたら、「女の子」はナピカルと関係しているのかもしれない


空中を歩いているような、浮いているような状態を続けて、

温もりだけを確かに感じて、ソウタは何処か懐かしさをおぼえた。


ずっとずっと前にも、同じ事をしたかもしれない

そんな根拠のない予感がした。


ザッ…ザッと、音が少しずつ戻ってきた。

「…もう少しで、出ます。」

ナピカルの声はかなり疲れた様子だった。

気付くと手は汗でぐっしょり濡れていた。

自分自身も思っていたより疲れていたのかもしれない

汗で汚してしまい、今度はソウタが申し訳なく思った。


目の前には先が光って見えない扉が開いた空間

ナピカルの緊張が手を通して伝わる、けれど、足はとても軽く感じた。体がとても動きやすくなり、スイスイ空間に向かって進んでいった。


魔道士と言っていたから、何か魔法を使ってくれているのかもしれない

一緒にいて間もないが、ナピカルの優しさは伝わってきた。


命を賭けてもいい。この子は誰かの為に自分を捧げる人だ。

この子を守れる人間が必要だ。

そんな人はいるのだろうか。

理由は分からないが不安になってきた。


ナピカルが守ってあげたくなるような人だからだろうか。


また引っ張られる感覚がやってきたが一瞬で消えた。

景色より先にナピカルの様子が気になった。

視界がはっきりして目の前の姿に動揺した。

ナピカルが肩で息をしていた。手の汗も凄かった。


「大丈夫か?」

「…すみません、だい、じょうぶです。」

心配させてごめんなさいと言った風に、ナピカルは手を離そうとした。


「大丈夫に見えない。こういう時は頼った方が良いと思う。」

手を離さず、ナピカルの目を見て言った。


ナピカルはまた困ったような顔をした。


「あら、【騎士役】があらわれたのかしら?」

急に現れた気配と涼やかな声に

ナピカルを背にしてソウタは前に出た。


強く握りしめていた手の上にナピカルはもう片方の手をそっと添えた。


「お義母様、どうやら転移してきたのだと思います。」


「よく精神を保っていますね。とても強い意思を感じます。」

足元まで届く漆黒の髪を微動だにせず、微笑を浮かべた女性は、ソウタから視線を外さない。


ソウタは警戒心を強めた。


「トートさん、こちらはセンティニウス・センティメンタル様…この世界Leafの天界を治めている方で、私の養母でもあります。」


「失礼、珍しい転移者だったのでつい」

言ったもののセンティニウスはまだソウタを見ていた。


「トートさん、心配要りません。ここは転移してきた人達を一時的に保護する場所でもありますし、お義母様は信頼できる方です。」

手を離そうとしないソウタに、ナピカルは諭すように話しかけた。


「ソウタで良い」

「…え?」

「俺の事はソウタと呼べば良い。」


ナピカルはますます困惑したような表情になった。


「あなたの【騎士役】、適任者が現れたようでホッとしました。」





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