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ルクスエリア
「ライト・スポット」とも呼ばれているここは、いかにもアンティーク感漂う街灯が1つだけ、その周囲にだけ花壇も何も置かれていない、殺風景な場所だった。
良く言って「趣がある」
一般の人は何も感じずに通り過ぎるこの場所は、ナピカルにとっては重厚感あふれる場所だ。
この空間だけ異様に気温が低い
肌にまとわりつく空気がそもそも違う
感受性の高い人間が感じる共感覚
巫女としての役割を持つ彼女は、定期的に見回りをしている。
傍から見れば、古風な衣装を着た少女が祭事を行っているように視える。
当の本人は意識を持っていかれまいと地の足の在りかに集中した。
千年も前から変わらず立ち続けている街灯は当時、神様と魔王が出会った場所であり、
ここ数百年の間では不定期に異世界から人が飛ばされてくる、
とんでもなく曰くつきの場所なのだ。