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前回2話更新出来ませんでした…

予定の時間よりも少し早く待ち合わせの場所へと赴く。その場に待ち合わせた人がいるのを見て急ぎ足で向かった。



「すみません。お待たせしました」



「いいえ、シルヴィア殿こそお早いですね。大丈夫ですよ。さして待っておりませんから」



「それなら良いのですが」



「本日は時間を作って下さりありがとうございます。今日は私にエスコートさせて下さいね、シルヴィア嬢」



差し出された手に自身の手を重ね微笑む。



「お願いしますわ、ジークフリード様」



顔を見合わせ少しの沈黙の後、二人揃って笑い始める。思っていた以上に愉快で気が合う人らしい。


今日はあの連絡から三日後。タイミング良く彼の休みの日時と被ったらしく、彼から今日の日付を指定された。



「ふふ、前に言った通りの対応でいいかしら?」



「ああ、構わないよ。それにしてもあの時も思ったけど振る舞いが素晴らしいね」



「貴方こそ。私は猫をかぶっているから」



「俺もだよ。どうも貴族のそれは肩が凝る。さて、あっちに馬車を待たせているから行こうか」



「結構遠いのかしら?」



「貴族街のお店じゃくつろげないと思ってね。中心街でも充分満足のできるお店は多いから。シルヴィア嬢は貴族らしい振る舞いはあまり好きではないのだろう?」



「ええ、その通りよ」



貴族街のお店はどうも貴族特有の見栄を感じさせるものが多い。その空気が苦手な私としてはありがたい申し出である。人のことをよく見ている人なのだろう。隊長として部隊員に慕われる理由がよく分かった。


彼にエスコートされたまま少し歩き、待たせていたであろう馬車へと乗る。馬車が動き出したのを感じながら言葉を交わした。



「さて、と。まともな挨拶をしたことがなかったので改めてしましょうか。


魔術師団副団長そして魔導師の名を与えられていますシルヴィアです。以後御見知り置きを」



「騎士団第三部隊隊長のジークフリードです。こちらこそよろしく。前は尽力本当にありがとう。助かった」



「問題無いわ。騎士団がちゃんと機能しないのはこっちも困るもの。それに面倒事を抱えているのは何処の組織も同じだし」



「魔術師団も…?」



「ええ、騎士団程の人数も居ないし、何か大事を起こすまでの気概があるわけでも無し。そういう訳でどうにも出来ていないけれどね」



「それは…俺に言っても大丈夫だったのかな?」



「少し調べれば分かる事だもの」



事実隠してすらいない事で調べたら本当に直ぐ分かる。保身からでは無く本心から此方を案じるように見える彼を見て笑を零した。



「優しい人ね」



「助けられた恩があるからね」



「普通の貴族なら恩をその本人から着せられない限り積極的に返そうとはしないわよ。義理堅い人じゃない限りね。余計なものは背負わないに限るもの。


っと、こんな気分の下がるような話はやめましょうか。楽しい話でもしましょう?」



「それもそうだね。それじゃあ少し聞いてもいいかな?俺が魔法も良く使ってるのは知っているだろうけど、シルヴィア嬢の魔法の使い方が普通とは違うって聞いてね。


サポートとか攻撃とかに使うのは想像がつくんだけど、戦闘以外の使い方っていうのはどういう使い方なのかな、と」



「詳しい話は聞いたことなかったの?」



割と有名な話だと思っていたんだけど…



「騎士団の奴らはそこまで詳しいこと知らなかったからね。俺だって式典とかで良く顔を合わせているけど実際使う所を見る機会もないし、だからシルヴィア嬢達が一般的に言われてる攻撃魔法を使ってる所も見たことはないけど」



「確かに私も騎士団の人達と会うことがあまりないからね」



そういう考えに落ち着き、実際に見せた方が分かりやすいだろうと魔力を練る。使ったことが分かりやすい様に一つ指を鳴らして魔法を操った。


一瞬にして変わった周りの風景に驚いたのか彼は目を瞬かせる。



「これは…」



「私が良く孤児院とかで見せてる魔法ね」



視界に映るのは宙を水の生き物達を象った水が自由に泳ぎ舞い踊る姿。魚やお伽噺の妖精、人魚。様々なそれ等が思い思いに動き回る。見る人によっては幻想的に見える風景だろう。


また一つ指を鳴らし魔法を解いた。



「凄いな…」



「子供達はこういうものが好きだからね。それに魔力操作の訓練にもなるし」



「魔力操作…成程。確かにあれだけ多くの水を精密に自在に動かすのはコントロール能力が求められるな」



彼も魔法をよく使う人だから直ぐに想像がついたのだろう。テンポ良く会話ができるのは楽でいい。



「魔法はコントロールが優れいていれば魔力のロスも少ないし、扱うのも簡単になるもの。時間があって面倒に思わないのなら練習してみればいいと思うわ」



「そうしてみるよ」



強くなることに貪欲なのだろう。酷く楽しそうに笑う姿を見て、本当に自分と気が合う人なのだと再認識する。


話を終えた直後動き続けていた馬車が止まり、外から声をかけられた。



「丁度到着したみたいだね。お手をどうぞ」



「ええ」



再び彼の手を取り馬車を降りて彼の案内通りに歩き出した。

もうちょっと余裕をもって更新出来るよう頑張ります

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