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新作魔道具と御礼

外出していた為遅くなりました。

騎士団での揉め事から数日。細々とした雑務が片付き、昨日漸く揉め事に関わるきっかけとなった本来の目的である魔道具の作成へと取りかかることが出来た。


残す所は後少しだった為直ぐに終えることができ、いつも頼んでいる彼等と連絡を取ってみたところ今日予定が空いているとのことで急遽約束を取り付け会うことになった。



昼近くに城下の街並みを目的地へと向かいながら歩みを進める。目的地の周り一帯は治安も良く、屋台が商店が立ち並び、賑やかな様子が目に入った。

並ぶ店を眺め、時に立ち止まり品物を見繕いながら時間前に目的地である冒険者ギルドへと到着する。



ギルド内へ足を踏み入れ、待ち合わせの人物達がいるかどうかくるりと見渡した。



「シルヴィアさん、こっちです」



私を呼んだのは淡い水色の髪を纏め、晴れ渡った空の色を溶かし込んだような瞳を持つ一人の女性。知り合いであり、今回待ち合わせたの一人でもある。彼女のいるギルド内の飲食スペースへと向かい、彼女向かいの席へ座った。



「お待たせレイヤ」



「そんなに待ってないから大丈夫ですよ」



「ジャンとビルは?」



「軽食買いに行ってます。シルヴィアさんもお腹に空きがあれば食べて行かれてはと思って。多分そろそろ…」



「あ、遅くなっちまったか」



「お前が悩みすぎなんだよジャン」



近くまで来て話しかけてくるのは二人の男性。濃い茶色の髪とモスグリーンの瞳を持つジャンと灰色の髪とワインレッドの瞳を持つビル。二人揃って背が高い為、座っているこちらとしては見上げる羽目になる。



「お前だって迷ってただろ」



「なんだと、お前の方が僕より時間掛かってただろ」



「はいはい、そこまで」



いい加減話に入ることすら出来なさそうだった為、二人の会話を強制的に切る。



「悪ィ」



バツが悪いように顔を顰めるその様子を見て軽く笑った。



「相変わらず仲が良いみたいだね」



「そりゃあいいさ。良くなきゃ生き残れねぇしな」



「今回はなんですか?」



二人が座るのを見届け盗聴防止の魔道具を起動させる。聞かれて困るものでは無いけれど商業ギルドに登録する前に作品の盗作が出回っても困るしね。



「今回はこれよ」



そう言い、昨夜完成したばかりの魔道具を取り出す。見た目は前世の風鈴のような形をしたガラスの中に術式を刻まれた魔石があり、下部には魔力華の花が覆っている。



「何ですかこれ?」



「照明の魔道具よ。誰でもいいから魔力を流してみて」



「それじゃあ私が…」



レイヤが魔力を流すと同時に魔道具が浮き、光り始める。昨夜動作確認はしたけれど問題なく動くようで良かった。



「あれ、浮きましたよ?…それにこれ、光の強弱が変化する?」



「着眼点が良いわねレイヤ。その通りこの魔道具は持ち主の意思によって光の強弱が変化するわ。例えば、夜に使ってる最中襲われたら見えないように光を消したり、逆に光らせて目くらましにしたりね。後、浮くのは手が塞がらないようにと思ってね。浮いた状態で後をついてくるように設定したから。


魔法使いにはあまり意味の無い、魔法使い以外の人向けの魔道具だけど」



剣士であるビルや盾役のジャンのような魔法を主に戦わない人向けの魔道具で魔法使いであるレイヤには実際あまり意味の無い魔道具である。好奇心の元で作り始めたものだからこんなものだろうと納得しよう。



「それじゃあ、ビルや俺みたいな奴らが対象の魔道具なのか?」



「ええ、ジャン。魔法使いは光球を出せばこと足りるもの」



「相変わらず凄いですねシルヴィアさん」



「何となく思いついたから作ってみただけだもの。まあ、そういうことでいつも通り試作使って感想くれるかしら?


良かったらこのまま売りに出せるし、実際使った人の声を聞いて改良点があるのならそこを変えるから」



「おう、任せとけ」



「それじゃあお願い。ああ、この魔道具使わない時魔力貯めておけるからその機能も使ってみてね」



「分かりました」



「それと酷い怪我はしないようにね」



「勿論ですよ。話が一段落した所で軽食はいかがですか?お昼時ですし、まだ食べていないならご一緒できればと思っていたので」



「レイヤも言ってたわね。問題ないのだったらお邪魔しようかしら。貴方達の最近の話も知りたいし」



「私もシルヴィアさんとお話したいです」



嬉しそうに目を輝かせるレイヤを見て無下にはできないなと感じる。城で役職についている私が忙しいのは勿論、冒険者として活動している三人とゆっくり時間が取れることもそうそうない。レイヤ達としても久しぶりに会えた私と話したいと思うのも当然だろう。


今回も少しばかり長引くだろうか…


そんなことを考えながら二人が買ってきた食べ物を手に取り、四人で語り始めた。



彼らとの出会いは後程。彼等視点で書けるといいなぁ…

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