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蜜蜂
続きですよ。
【彼】一之瀬君に気付いたのは、つい最近の事だった。
【マリオネット】の模擬戦のあと一度だけ
言葉を交わした事があったのだけど、
その時に近付いた彼の身体からの【匂い】に気が付いた。
ホンの一瞬だったけど、間違いない、【私達】が間違え様のないあの【匂い】。
咄嗟に言葉にしてしまわなかったのが助かった位で、驚愕、動揺、歓喜した。
それ以降は彼の事を気付かれぬ様に、常に見続け、考えた。
何故彼から。
彼の年齢から結びつける事が出来ない筈なのに、彼からの【匂い】が消える事は無かった。
出来れば彼ともう一度接触する機会が欲しい。
只、人目が気になる。
具体的な接触方法が見つけられないままの
毎日を過ごしていた中での、今日の朝の接触。
やはり彼からの【匂い】はあり、間違いは無い筈。
後は私に【彼】が気付いてくれる為には…
彼に【彼】へ私の存在を届けてもらおう。
どうか上手くいきます様に。
そう願いながら、彼の帰りを見送った。
続きそうです。