コンタクト
いざ教室へ
教室に入り自分の席に鞄を置いて二度寝の体制に入る。
静寂な空間によって眠気は直ぐに訪れた。
「……朝の挨拶位して入ってこないのかしら」
「!?」
突然の声に下がり始めていた瞼が一気に開き眠気も吹き飛んだ。
慌てて声の方へ視線を送ると一人の少女が席で文庫本らしき物に姿勢を落としていた。
「…すまん、気付かなかった。」
「……そう。」
彼女は文庫本から視線を逸らす事無く短く呟き会話が終わる。
たしか…水谷尚っていったか……。
彼女、水谷尚は俺と同じ位の年齢で【操者】を目指している。
クラスでも無口で誰かとつるんでいる様な事も無く、悪く言えば孤立している感じだ。
……まぁ俺も同じなんだけど。
ただ彼女が俺と明らかに違うのは、彼女は今の学園内で一番【操者】資格習得に近いという事か。
見た目はとても小柄で小学生かと見間違える程だが、それだとクラスが同じな訳が無いので違うだろう。
長いストレートの銀髪に
小さな顔はとても整っており、精巧な人形…そう画像で見た事のある【ドール】の
様だ。
クラスの奴等が話していたのを聞き耳たて
ていたら告白等もかなりされているらしい。
……かなり見た目で背徳的な感じがするんだか、みんなロリ○ンなのか?
「……」
おっと、失礼な事を考えてたら彼女がこっちを見ていたよ、危ない。
「何か気になる事でもあるのか?」
誤魔化し気味にそう問い掛けると彼女は俺を見つめたまま再度呟いた。
「貴方、誰?」
……俺、泣いてもいいかな。
ちょっと短くしちゃいましたか。