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プロローグ2 ソウ遠クナイ未来
――――そう遠くない未来。
あの“誘い”を断れば、今後起きる全ての出来事に関与することはなかったと、気がついた。
気づく頃には、何もかもが遅すぎて、過去の出来事は、走馬灯のように駆け巡る。後にも先にも残るのは、虚偽と自責の念。
思い出を一つ一つ噛みしめる。
幸せだった。楽しかった。
何の疑いもなく与えられた出来事は、全て真実だと受け止めた。
けれども、それは泥のように汚く。
泡のように儚く、蛇ように絡み付いて離れず絞め殺される。
僕は馬鹿だと何度も罵り、過去の出来事をやり直せたらどんな対価も支払うと、何度も思った。
どんなに足掻いても変わらないことだってあるのだと知る。
作者の 九条 です。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
ゆっくり更新ですが、暇潰しがてらに読んでいただけたらと幸いです。