愚考天使と泥人形
生まれた時から役割や、
重荷を背負わされていたとしても、
それを全うするとは限らない。
大地に森が増え始めた頃。
ある日神は言いました。
これからお前の名前は天使だ。
そして私が生まれました
ある日神は言いました。
お前には私の命令に忠実で残忍な人形を作ることを命ずる。
私はコクリと頷きました
ある日神はいいました。
人形作りの素材は泥や石だけを使うように。
私は少し動揺して俯きました。
ある日神はいいました。
明日、地の下へ降りてもらうが準備はいいか。
私は鞄に大事なものを入れて寝床へと向かいました。
ある日神は言いました。
人形を作った後、
地の下を発展させるのだ、それがお前の生涯の役目になる。
そう言われた後、
私は大きな光に包まれました。
ある日私は呟きました。
此処が地の下の森なのか。と
ある日私は呟きました。
泥をこねるのは大変だ。と
ある日私は呟きました。
泥をこねてもう何日が経ったのか。と
ある日私は呟きました。
森の木が増えてきたなあ。と
ある日私は呟きました。
やっと腕が出来上がった。と
ある日私は呟きました。
やっと足が出来上がった。と
ある日私は呟きました。
やっと大きな頭が出来上がった。と
ある日私は呟きました。
胴体には沢山の花を混ぜてみよう。と
そして、
空が青々と見えたある日私はこう呟きました。
やっとやっと彼が誕生出来た…。と
私とまた違った綺麗な顔をした彼は、
キョロキョロと目を動かして、
びっくりしたように私を覗き込んでいました。
それからしばらくした、
ある星が煌く日、私は彼に呟きました。
君の名前は――ストックだよ。と
その名前は――
見つめる未来。
豊かな愛。
平和。
思いやり。
愛の絆。
そんな意味を持つ花の名前。
名前を聞いた彼は、
にっこりと微笑んで、
私の手を優しく包んでくれました。