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Episode31;ジョーの反撃

 

 §中東シリア アレッポ北方 ダービク平原 1516年8月(到達年月)2369年6月(現在年月) 


 最初の小競り合いはオスマン側が仕掛けたが、マムルーク側の古参兵からなる前衛に阻止された。敗れたオスマン軍の先鋒は多数の死者と負傷者を置き去りにして、一旦本隊が布陣する丘に向って駆け去った。一瞬、六万五千対八万の大軍が衝突する戦場となった草原に不気味な静寂が訪れる。

 その時、軍楽隊メフテラーンが雄叫びのように吹き鳴らす喇叭ズルナ太鼓ダウルがオスマン陣営を鼓舞するように響き渡る。兵卒長がその鍛え抜かれた銅鑼声で「来るぞ!構えろ!」と叫び、居並ぶ白いターバンがピタリと動きを止めた。

 丘の麓、人馬の群が草原に横隊で布陣している。そのオスマン陣営に騎馬の集団が襲い掛かろうとしていた。マムルーク朝の黄色い旗印と長い槍が波を打つように広がって行く。騎馬集団の後ろからは半月刀を振り回し気勢を上げる数万の軍勢が突進して行った。


分析官アナリスト、予測を」

 腕を組んで草原を見下ろす女が言うと、隣に控えていた若禿の目立つ三十代男性が答える。

「後五分ほどで両軍が激突します。マムルーク朝のサイ・ベイ率いる右翼と中央、スウードンの騎兵による突撃でオスマン軍はおよそ一時間ほど防戦に追われます。史実ではその後、オスマン親衛イニチェリ軍団の銃撃と八百門に及ぶ砲兵隊の砲撃によりマムルーク騎兵は阻止され、指揮官のサイ・ベイとスウードンは戦死、密かにオスマン側に寝返る約束をし、左翼に布陣したアレッポ太守ハーイル・ベイが混乱に拍車をかけ――」

「講釈はうんざりだよ!要点を」

「す、すみません、大尉。えっと、考え得るミッションは、押されるオスマン軍中央の後方、皇帝セリム一世の本営に仕掛ける可能性と、裏切り者でこの戦いのオスマン側勝利に貢献するアレッポ太守ハーイル・ベイの抹殺の二つです」

 情報部の少尉が告げると女大尉は、

「ミドランドとシンの両班はセリムの本陣を警戒、指揮はミドランドが執れ。私の班はハーイル・ベイだ。少尉は私と来い!」

 TP作戦部の精鋭、機動執行の三つの班は二手に分かれて中世の戦場へ舞い降りる。亜空間に置いたオリジナルを二つに分割、そのちいさな方はするすると戦場の上空を滑るように移動、やがてそこだけ静かなマムルーク軍の左翼中央上空に達する。

「あれか?」

「そうです」

 そこでは長い顎鬚を蓄えた中年の男が両腕を振り回し、唾を飛ばして大声で何かを力説している。聞き入る彼の部下たちは皆、手を振り上げて怒りを露わにしている。

「マムルークのスルタンは我々古参の兵だけを敵に向わせ、子飼いの連中を安全な後方に置くように命じている、と。嘘を並べて焚き付け、自軍の士気を喪失させているのです……」

 情報部の少尉は独り言のようにそう言うと、歴史的瞬間に立ち会う興奮からか、目を輝かせ、唾をごくりと飲み込む。ちらりと横目でそれを見た大尉は、

「あれは一番嫌いな野郎タイプだな」

「嫌いでも何でも助けなくてはいけません!失礼……」

 思わず言ってしまい顔を赤らめ謝る少尉。大尉は少尉の方を見ずに無表情のまま、

「失礼なのは私の方だ。済まない」

 手段を選ばず冷徹に任務を遂行すると言われる大尉の意外な面を目にした少尉は、一瞬不意を付かれた。

「あ、いいえ、そんな」

「『スクープ』を使うと思うか?」

 大尉の方は既にスティックを取り出し、杖のように立てている。

「どうでしょうか?もし、容疑者エリザベスが来ていれば躊躇せずに使うと思いますが」

 大尉は何も言わずに下界を眺めていたが、やがて。

「フレンチドール」

 大尉が虚空に呼び掛ける。

「おい、フレンチ、聞こえているんだろう?」

「聞こえているわよ、シンディ・クロックフィールド。こちらもミシェル・フォッシュという名前があるんですけど。ちゃんと呼んで頂きたいものだわ」

 電脳通信でも刺々しい声がミシェルの不機嫌さを十分に示す。女大尉=シンディは肩を竦めると、

「悪いが仕事中だ。細かな礼儀まで気が回らない。あんたと違ってカリブの田舎生まれなもんでね」

「それはどうも。以降、気を付けてくださいな」

「それより、反応はないか?」

 シンディの声に緊迫感を感じたミシェルもがらりと態度を改め、

「今の所は。でも、『スクープ』は小範囲なら数秒でスタンバイ可能だと言うわよ」

「ならばしっかり箱を抱えていてくれ」

「了解。ちゃんと知らせるから」

「当然だ、フレンチドール」

 シンディはミシェルが憤慨し悪態をぶつける前にさっさと通信を遮断してしまった。



 §南米連邦・ブラジル マナウス州 TP本部 2369年5月(7日前) 


 『フランク城砦の惨劇』から三日後。TPは長官発令による非常事態体制となり、本部は作戦部・情報部・補給支援部の中心三部署から人員を相互補完、部署を超えた臨時シフトを発動した。世紀常駐隊も通常の情報部管轄から作戦部主導に切り替えた。これは守りから攻めの体制に切り替えたとも言える。

 通常は亜空間侵入情報や世紀常駐隊からの前兆警報で出動する機動執行・機動捜査の各班は重点世紀に予め配置、警報と共に素早く展開した。

 それまで各班が追っていた重要事件捜査は一時凍結し、捜査チームも一旦解散。掻き集められた作戦任担ライセンスを持つ人員は機動執行の精鋭の指揮下、各世紀で情け容赦のない逮捕劇を繰り返す。

 情報部の人員も各世紀に散ってこれらの機動捜査・執行班に随行、今まで何かとライバル関係が取り沙汰された作戦部・情報部がこの時ばかりは一丸となってTCの排除・逮捕に専念した。そのため、ジョーの率いるプロジェクトはそれまでのTCから英雄たちを護りつつエリザベスを追う、というかせから開放され、エリザベスを一刻も早く拘束・確保する専属チームに生まれ変わった。


 生まれ変わったのはチーム編成だけではない。連続勤務に喘いでいたアチソンやミシェルが呼び戻される。そして猫の手も借りたい騒動の中、三日間の休養を申し付けられた。半強制的に入院させられ、睡眠療法や精神安定療法が施される。アチソンたちだけではない。嫌がるジョーも副長官命令で拘束され、強制的に入院させられた。


 三日後。退院した彼らは別人になった気分で作戦部に戻った。

「さてさて、本命チームのご帰還だ」

 迎えに出た作戦部長のニックが副長官のセシルに秘話を送る。

「給料分の働きをしてもらわないとな」

 セシル・ウォーカーは黙って頷くと、自ら一人ひとりと固く握手し、ミシェルの両頬にキスの挨拶を送った。


 作戦部のブリーフティングルームで待っていたのはキャシーとリチャーズ捜査官、そして四名の機動執行班長。

「では、ここから先はお前に託すよ、ジョー」

 セシル・ウォーカーはそう言うとニック部長を伴って去って行く。

「オヤジ、済まない」

 副長官はその秘話に背中を見せたまま片手を上げ、振り返らなかった。

 ジョーは一瞬瞑目し、去って行く義父に一礼すると部屋に入る。ドアが閉じると静まり返った室内に張り詰めた空気が流れた。

「お待たせしました」

 ジョーの顔には何時もの笑みがない。

「これでなんとかエリザベスを捕まえる算段が出来た、と思う」

 室内は静まったまま。

「時間は限られている。要点だけ話す。質問のある者はブリーフティングの最後に各自一つだけ許す。いいかな?」

 誰も発言する者はなく、幾人かが首を縦に振った。

「まずは、最新情報だ。エリザベスについて興味深い事実が出て来た。リチャーズ捜査官」

 リチャーズは咳払いをすると、

「2109年の大晦日のことだ。この日は当時『テイトの悲劇』と呼ばれ世間を騒がせた日でもある。皆さんも既に知っておられると思うので詳細は省くが、テイト一族の主であるオレグが急死、訃報を聞いて駆け付けた長男のファヴリ、次男エルヴィン、三男クロードの三名が、主人の死によって狂気に駆られた老執事により殺害され、屋敷に火が点けられ炎上した。最初、この事件もカチンスキーの手が加わっていないかと調査したがカチンスキーはこの時標ポイントに現われた形跡はなかった。この事件によりエリザベスは莫大な遺産のほぼ半分を相続するに至り、それが基金としてこの二十四世紀まで運用され、ほぼ倍近くまで増えていることは報告済みだ。過去のカネは現在では使えないが、こういう方法で現在まで残せば立派に使える。これが今回の事件の資金源だと踏んだが、証拠がないことには抑えようがないと、インターポリスも手を拱いている。どうも引っかかったので、彼らが執事に殺される直前を調べたところ……見たまえ」

 リチャーズが各人の前に擬似窓を開き、平面映像を流す。

「画像が荒く3Dでないのは屋敷の中にオリジナルを構築出来なかったからだ。屋敷には当時としては最高級のセキュリティシステムが入っており、隠しカメラも設置出来なかった。これは潜入調査員が自らの電脳に記憶したものを取り出している。彼はダクトスペースに一昼夜張りこみ、この映像をものにしたんだ」

 リチャーズは隣のキャシーの擬似窓を覗いて皆が見ている画像を確認しながら、

「この屋敷はちょうど虚数域の歪みが見られるポイントに建っていて、実体化も屋敷の中では上手くいかなかった。こういうことは自然界でも普通に起き得るので最初は気にも留めなかったが……ここだ」

 リチャーズは皆の注意を引く。画面は大きなベッドの前に立っている三人の人物に近付く黒衣の人物を映し出す。画像が時折乱れ、音声が入っていないので何を話しているのかは不明だったが、三名が驚いているのが良く分かる。

 やがて黒衣の人物の後ろに赤い光が。そして。

「何だ。ちゃんとゲートを開いているじゃないか」

 目付きに凄みのある執行班長の一人が呟くとリチャーズは頷き、

「その通り。虚数域の歪みは見せ掛けだ。ここには何かの妨害装置が仕掛けてあった。そしてその解除方法を知っている人物だけが亜空間から出入りすることが出来る。それがこの黒衣の女、エリザベスだ。彼女が亜空間に消えた直後、執事が三人を射殺する」

「なるほどな。これで三人の殺害はエリザベスの仕業、つまりはカチンスキーの目論見という可能性が出て来た訳だ」

 アチソンが言うとリチャーズは、

「可能性ではないよ。当時の首都警察に安置された執事の遺体から無断で脳細胞組織を少しばかり拝借し検査した結果、例のドラッグ『ワイルドローゼス』が検出されたんだ」

 リチャーズはジョーに頷くと座る。

「ありがとう、リチャーズさん。これでエリザベスが犯人であることが確実となった。そこでだ。我々はエリザベスの挑戦を受けて立つことにする」

 ジョーは両手を演台に置き、深く息を吸い込むと話し始めた。

「私とアチソン、ミシェル、キャシーの四人で機動本部班とする。リチャーズさん、済まないがここでTP本部との連絡役をお願いする」

「了解した」

 緊迫した空気にも笑い出してしまうはずのリチャーズは厳しい顔付きを崩さず、今日はガムも噛んでいなかった。

「レーダー少佐、トラヴィス大尉、アナン大尉、クロックフィールド大尉の四名はそれぞれ遊撃第一小隊から第四小隊の隊長として重点世紀に待機して貰う。一つの小隊に機動執行三班を付ける。その内一班は普段皆さんが率いる班だ。他の二つの班と共に七つほどの世紀を担当する。厳しい任務だが、頼みます」

 AD(紀元後)、BC(紀元前)合わせて二十四班ある作戦部のエリート、機動執行課から特に選ばれた四名。それぞれがTCから畏れられ渾名を頂戴する存在だった。

「レーダー少佐の第一小隊は紀元前をお願いする。現時点での年紀到達限界はBC七百年辺りなのでBC三世紀に待機して貰う。いいですか?少佐」

 二十世紀中盤の世界大戦中にスカウトされた『ティーゲル・アイ』の異名を持つベテランは張りのある声で、

「了解した」

「トラヴィス大尉は第二小隊。一世紀から七世紀までを担当、待機ポイントは四世紀辺りでどうでしょう?」

「了解だ」

 アナン大尉が第三小隊で八世紀から十四世紀、クロックフィールド大尉が第四小隊、十五世紀から二十一世紀と分担が決る。

「二十二世紀から現在までは通常配備で常駐隊とTP作戦部が管轄する。我々本部はエリザベスの潜在可能性の高い世紀へ常に移動する。また、各小隊は管轄世紀の常駐隊から無条件で補給と支援を受けられるようにしてある。通信キーと補給支援の段取りは、後刻リチャーズ捜査官から皆さんへ送信する。出発は各小隊の準備が整い次第速やかに、即ちこのブリーフティング終了後となる。作戦規定と細かいマニュアル類は一時間以内に送付する。質問を受けましょう」

 一斉に手が上がる。ジョーはアナン大尉を指す。

「交戦規定だけでも今、お教え願えないか?」

「無条件での現状判断許可です。但し後で収拾の付かなくなるような無茶はしないでくださいよ」

「エリザベスを発見した場合は?」

 と、これはレーダー少佐。

「即逮捕、確保願います。後は現状判断で」

「関連質問だ。それはやむを得ない場合容疑者を殺害しても、と取って構わないか?」

「判断を委ねます。但し最優先は皆さんの安全ですからそのつもりで」

 マナー違反承知で煙草シガー代用品の『思考制御タブレット』を舐めているトラヴィス大尉は冷笑を浮かべ、

「この作戦に期限はあるのかな?」

「ありません。エリザベスが確保されるまで続きます」

「全力で?」

「叶う限り全力でお願いします」

「任せろ!」

 シンディ・クロックフィールド大尉は静かに、

「担当世紀を超えての応援は?」

「エリザベスが発見され追跡されるまでは指示があるまで担当世紀内で行動してください。エリザベスの所在が明らかとなった場合は緊急で移動して頂く場合がありますので、よろしく」

 ジョーは何かあるか?とアチソンを見るが、彼は黙って首を振り、横に座ったキャシーは片手を振って顔を伏せる。

 最期にミシェルが尋ねる。

「皆さん張り切ってらっしゃるのは結構だけど、『アイスクリームスクープ』にはどう立ち向かうの?」

 その問いにジョーは今日初めて笑顔を見せる。

「こいつだ」

 今まで何処に隠していたのか、ジョーが取り出したのは何の変哲もない黒い箱。両手にちょうど収まり重さも捧げ持つジョーを見るにさほどには見えない。

「その黒い箱が?」

ミシェルが疑い深そうに眺めると、

「ドレクスラーさんの最新作だ。『スクープ』をコンスタンチノープル郊外で初めて見た時に頼んでおいたんだ。そこにいらっしゃるクロックフィールド大尉の活躍で大体の仕掛けが見えたから対抗策もトントン拍子に進んでね」

 ジョーは箱を置くと、

「『アイスクリームスクープ』は最初、空間の遮断から始まり数秒後に収斂、圧縮が掛かる。閉ざされた空間の中にある物質に圧を掛けて拘束すると、一箇所に穴を開け虚数域との連絡路を作る。すると遮断した空間は境界線から先、きれいさっぱり虚数域の亜空間に吸い出され、残された実体部分との境界線は我々が付けた渾名通りざっくりと削り取られたように見える、とまあ、こういうことだ。大尉は何も知らずにミシェルたちが拘束された空間にマシンを突入させた。スクープの弱点はここさ。内側からは強固で開放出来ないが、外側から、ああ、亜空間や過去世界からの異分子侵入ではあっという間に穴が開く。境界線はたちどころに消え去るんだ」

 ジョーは演台に箱を置くと、

「どうやら『スクープ』はエリザベス本人かそれに近い人間が操っている、と見る。大穴が開く瞬間に近くにいるはずなんだ。だから我々は『スクープ』が出来る瞬間に居合わせるようにしなくてはならない」

  ジョーは長広舌に一息吐くと、数人が頷くのを確認する。

「さて、『スクープ』の仕組みは分かったけれどそれを仕掛けられたと気付く方法がなかった。この黒い箱はそいつを察知する装置だ。ソフトとしてピッカーに組み込む作業も行なわれているけれど、今回の作戦には間に合わないから試験機を借りて来たんだ」

 そこで箱を持つと、最前列に座っていたミシェルの前に箱を置く。

「ミシェル。こいつを後生大事に抱えていてくれ」

「私が?」

 ブラックダイヤモンド=シンディの名前が出、自分たちが助けられた時を思い出し顔を歪めていた彼女の眉が上がる。

「簡単だ。こいつは近くでスクープが待機状態となると同期して震動する。同時に座標が指定された人間に通報される」

「近くってどの位?」

「地球クラスの範囲はカバー出来る。年紀ではプラスマイナス二年程度だそうだ。まだ実地試験はしていないから、まあ、こいつはテストみたいなものだ」

 ミシェルは怪しげに箱を受け取ると、シートの傍らに置く。

「では、よろしいか?」

 ジョーは一同を見渡すと、

「かかれ!」



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