エピソード3:恋の事件
少しだけあらすじを変えました
高校生になって2日目、学校に登校したらちょっとした揉め事が起こっていた。
「おはよ,ってなにこの空気!?」
教室に入ったら物凄くどんよりとした重い空気が流れていた。
それも、クラス全体からではなくクラスで一番窓際の席からだ。
「ねぇ、この空気どうしたの?」
俺よりもはやく登校していた翠に聞いてみた。
「あぁ、おはよう。ええっとね、あの窓際の席のひと…得田奏汰くんが陽香に告った。
で、陽香は振った。一目惚れだったんだって。」
「なるほどね。だからこんなに空気が重いんだ。」
奏汰はこの世の終わりみたいな顔をしている。
まるで転生初日の勇者が魔王に挑むみたいな顔だ。
「どんな風に告白したんだ?」
少し気になったので聞いてみた
「漫画とかであるような感じ。率直に自分の気持ちを伝えてたよ。」
「へー。ところで陽香は?」
「トイレに行ってるよ。」
「おー遥斗じゃん。おはよー」
うわさをすれば陽香がトイレからもどってきた
「おはよ。」
すごい普通な状態で戻ってきた。告白を気にしている様子は全くない。
…なんか話していたら窓際の方から変なオーラが飛んできた気がしたが気のせいだろうか。
「ねぇねえ、遥斗、聞いてよ。私ついさっき告白されたんだ~」
ぶっこみやがった。ふられた本人がいる教室でぶっこみやがった。
天然なのかわざとなのか。
いや、何にも考えてなさそう。たぶん天然なんだろう。
「あんまそういうことはいわないほうがいいと思うよ。」
翠が言ってくれて陽香もきずいたようだ。
「あっ、得田くん、ごめんね。」
とどめを刺しにいった。
「大丈夫、だよ。」
死にかけの病人みたいなかすれた声で答えた。
陽香、もうやめてあげて!
「みんなおっはよーう、って、どしたのこの空気?」
約束どうり遅刻しないできた葵が俺と全く同じ反応で聞いてきた。
俺たちは今までの経緯を説明した。
説明した後に葵の方をみたら、彼女はなんだかよくわからない表情を浮かべている。真顔だけどすこし軽蔑するような表情で窓の方をみた。
「告白早すぎだろ。出会って1日だぞ!」
「一目惚れだったんだって。」
葵の表情の軽蔑の割合が高くなった。
「へーそうなんだ。」
少し低いこえでそう言った。
なにか思うことがあるのだろうか。
そんなこんなで話をしていたら担任が来た。
「おーい席につけー。お、今日は全員いるな。須田、今日はちゃんと来たんだな。」
「明日からもちゃんときますよ!」
元通りの声のトーンで答えた。
「んじゃ朝のホームルームだな、といっても高一は今日は授業ないからこのまま1時間目につなげるな。
今日は幾つかの連絡の後に委員を決めて、再来週にある遠足の班決めだ。
まず連絡からだな。」
簡単な連絡が始まった。適当な先生だと思っていたけどこういうところはちゃんとしてるんだな
「以上で連絡は終了だ。次に委員だな。先生は学級委員が決まるまではやるから、決まったら後は学級委員中心でよろしくな。まず、やりたい奴いるか?」
…誰も手をあげない。
「誰もやらないなら、やります。」
隣の席から手が挙がった。翠だ。たしかに昨日の連絡でも計画を立ててまとめてたしリーダーに向いてそうだ。
「お、樋口、やってくれるか。んじゃもう一人副学級委員をやってほしいんだが、誰かいるか?」
「はーい、私やります。」
葵が手を挙げた。一体彼女に任せて大丈夫なのだろうか?
「須田か、お前、大丈夫か。会議とかに遅刻するなよ」
どうやら先生も同じ考えらしい。
「もぅ、先生はしつこいな~」
結局他に立候補者もいなかったので彼らに決まった。
ちなみに俺と陽香は文化委員になった。この学校の文化委員はすごい人気だった。男女合わせてクラスの1/3くらいが立候補していた。
その後も委員は順調に決まっていった。
「おっ、結構早く終わったな んじゃ次は遠足の班だな。先に遠足の詳細を説明するから一旦聞いてくれ」
そこから遠足の説明が始まった。
どうやら遊園地に行くらしい。そして、そこでBBQをするんだとさ。贅沢だな~。
「てことで4人班を10個作ってくれ。班分けは任せる。」
先生の合図の後に各々誰と組もうかと考えていた。
かくゆう俺はもう決めていたけどな。
「ねぇ、一緒に組もうよ」
陽香と翠と葵の3人と組むことにした。
他の人にも声をかけられたけどやっぱり知ってる人といた方が気が楽だよね。
…陽香はクラスのほぼ全員から声をかけられていた。すごい人気だ。
「お、小鳥遊のところ決まったか、ならこっちに班のメンバーを書きに来てくれ。」
俺らは先生のところに名前を書きに行った。
「あっさり決まったね。」
「俺らは昨日から交流あったしな。」
まだ班が決まっていない人もちょくちょくいるようだ。
ただ、ほとんどの人は上手いこと3人組のところや2人班のところに入っていったり、声を掛けてもらったりしていた。
しかし、誰も窓際には声をかけに行かなかった。なぜなら得田奏汰がいるからだ。
朝の告白から一気にクラスの腫れ物扱いだ。
誰も彼を引き取りたくないから我先にと3人組のところや2人班のところはまだ組む人を決めてない人に一緒に組もうと声をかけに行った。
「よーしみんな決まったな、いや、一班まだだな。流川の班か、そこ今何人だ?」
「3人です。」
「ならあと一人決まってないな。誰だ、残ってるやつ?」
奏汰が黙って手を挙げた。
「得田か、流川、得田をお前らの班に入れてやってくれ。」
「えっ、、、わかりました。」
明らかに不満な声で答えた。
嫌なんだろうということがひしひしと伝わってくる。
しかし、奏汰以外に組む人もいないし先生からの頼みとあっては断れなかったのだろう。
渋々彼が班に入るのを了承していた。
「はは、よろしくね。」
「あっああ、よろしく、、、」
奏汰が挨拶をしても、流川は物凄くひきつった顔で答えていた。
「よし、これで班も決まったことだしここからは自由時間だ」
なにも良くないと心の中でツッコミを入れつつ俺たちは自由時間を過ごしていった。