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野生子グマの人生変転記  作者: きこうダきこう
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第9話 アリスと待ちぼうけ

 レックスとアッシュが魚釣りをしながら話をした2日後。


(きょうもレックスこないのかなぁ?)昨日も今日もレックスが森の方に来ないようなのでボクはレックス達のムラへ向かった。


 ムラに入りレックスの住み処のレックスがいつもいる所を覗いたが、(あれ? レックスがいない)レックスがいる気配が全くしなかった。


(レックス、どうしたんだろう?)と思っていたら「おぉ、ベアーズ」(あっ、レックスのとうちゃん)ボクのすぐ傍にレックスの父ちゃんが来ていた。


「レックスに会いに来たのか?」「ガウ!(うん! そう!)」「残念だが、レックスはアッシュと昨日旅に出て村にはいないんだ」「ガ?(えっ、たび。いない?)」


 レックスの父ちゃんからレックスがいないと聞かされ、ボクは固まってしまった。


「お前には話しても大丈夫だと思うが、(実はもうじきこの村をトロルって魔物の大群が襲ってくるんだ)」コクコク(しってるしってる)と首を縦に振った。


「ん? ひょっとして······お前もレックスからこの話聞いてるのか?」コク(うん、きいてる)と頷いた。


「なら問題ないか。で、そのトロルの襲撃を何とか防ぐ方法をな······」(ん?)そこまで言ってレックスの父ちゃんはある方向の遠い所を見だした。


「今日は見えているがあの山のてっぺんに住んでいる賢者様に聞いてくるように頼んだんだ」と見ている方の遠くにうっすらと見えている山のてっぺんの方を手で示した。


(そうだったんだ)とボクは理解した。「だから何日で帰ってくるか分からないんだ。すまんな、せっかく会いに来てくれたのに」そうレックスの父ちゃんはボクに謝ってきたけど、ボクはレックスの父ちゃんの説明をすんなり受け入れてその場を離れ、ムラの入口まで戻った。


(しょうがないよ、だって······)入口まで来たところで後ろを振り向き、(そうしないとみんながころされるんだから)とムラにいるヒト達を見渡し、それから住み処に帰った。



 それから数日は住み処の近くやいつもの川の辺りでボクだけで遊ぶようにし、レックスの父ちゃんから説明を受けた日から4日過ぎた頃に(もうかえってきたかなぁ?)と思いつつムラに様子を見に行った。


 するとムラの入口に作られていた囲みの一部にアリスが座っているのを見掛けた。


(あ、アリス!)と思ってアリスの傍に向かった。するとアリスもボクの事に気付き「ベアーズ。······うっ、うっ」と突然泣き出しそうな声をあげた。


(えっ、なに?)さすがにボクも近寄るのを留まった。しかし逆にアリスがボクに近寄って来た。「ベアーズ!」と泣き声で叫びながら(なにー!?)······。


 そしてボクを抱き締めた後に「ベアーズ。レックスとアッシュお兄ちゃんが私が王都に出掛けている間に2人で旅に出たんだよ!」と話してきた。


(あぁそっか。アリスぜんぜんみかけなかったとおもったら、ムラにいなかったんだ)とボクはアリスが泣きながらボクを抱き締めている事を気にする事なく、アリスの言ってきた事を理解した。


 そこへ「おぉベアーズ。久しぶりにレックス達の様子を見に来たのか?」レックスの父ちゃんがやって来た。


 コク(うん、そう)と頷くと「残念だが、まだ帰って来てないんだ」(みたいだね)レックスの父ちゃんからそう聞き、アリスの様子を見てそう感じた。


「えっ、ひょっとしてベアーズ。レックス達が旅に出たこと知ってたの?」と聞いてきたから、······(うーん)暫く何も反応しなかったけど、アリスからどういう反応が返ってきても仕方がないと決意してコク(うん、しってた)と頷いた。


「そっか。ベアーズも置いてきぼりされたんだ」(あれ?)怒ってくるかと思ったけど、意外にも同情されてしまった。


 それからは暫くアリスと一緒に入口の囲みに座って(ボクはアリスに抱かれて)レックス達が帰って来ないか待ち続け、大分経ってからボクは住み処に帰る事にした。


 帰りながら(ホントにレックスたち、いつかえってくるんだろう?)と思った。

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