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野生子グマの人生変転記  作者: きこうダきこう
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第7話 見たことない生き物

 ある日今日もレックス達の所へ遊びに行こうと森の中を駆けていたら、(あれ、あそこにいるのって?)偶然すぐ近くにレックスとアッシュ、あとアリスの姿を見掛けたのだった。だけど······。


(どうしたんだろう? 3にんでかくれんぼしているみたいに······)なぜか3人は草むらに隠れるように潜んでいたのだった。


 そんな3人に近寄ろうとしたら、ズシーン! ズシーン!(わっ!)突然地面が大きく揺れたのだった(な、なんだぁ!?)。


 周りをキョロキョロ見渡してみたら、(っ!?)少し離れたところに今まで見たことがないとてもとても大きくて恐ろしい顔をした生き物がいたのだった。


(ひょ、ひょっとしてレックスたちはアイツにみつからないようにかくれていたのか?)そこでようやくボクも理解した。


 そのためボクもレックス達同様アイツに見つからないようにひっそりとしていた。ところが突然ガサッ!(えっ!?)と音をたててレックスが草むらから出てきたのだ。


(レ、レックス!?)ボクが驚いているとレックスはそのままその生き物を誘うようにその場から離れていった。


 そこでボクも顔を出して(な、なんで?)と思っていたら、さっきの所からアッシュとアリスが出てきて2人はムラの方へ走って行ったのだった。


 その様子を見てようやくボクも(そうか! レックスがアイツをひきつけているあいだに、アッシュとアリスにたすけをよびにいかせたのか!)と理解した。


 だけど、(このままじゃあレックスがアイツにころされちゃうかも)そう思ったボクはすぐに住み処へ走った。


 そして住み処に戻り父ちゃんがいる事が分かると、「とうちゃん! とうちゃん!」「ん? どうした、そんなに慌てて?」


「レックスがみたことないおそろしくておおきないきものにおいかけられているんだ」「ホントか!?」「うん!」「どの辺りでだ?」「あっちのほうでみかけて、それからあっちのほうにレックスがはしってったよ」とさっき見たレックス達のいた場所とレックスが走ってった方を父ちゃんに知らせた。


「分かった。父ちゃんが様子を見てくるから、お前はここにいるんだぞ!」「うん、わかった」そう言って父ちゃんは出掛けた。


(レックス)父ちゃんに任せたけど、ボクはレックスの事が心配でたまらなかった。


 あれから大分時間が過ぎたが、父ちゃんが帰ってくる様子もなかったため、(とうちゃん。レックス)レックスだけでなく父ちゃんの事も心配になってきた。


 その時、ガサガサッ! スゥっと父ちゃんの姿が現れたのだった。


「とうちゃん!」「ただいま」「おかえり! レックスは?」「ああ、無事だよ。今頃レックスのムラのヒト達とムラに帰っているはずだよ」「よかったぁ。アイツは?」「俺とレックスとで倒したよ」「とうちゃんとレックスで!?」あんな大きな生き物を······凄い。


「ああ。俺が奴と対決しようとした時、レックスが後ろから奴に何かを投げて注意をそらしてくれたお陰で倒せたんだ」「そうだったんだ」「ああ。それと、あの生き物なんだがなぁ」「うん」「アイツは恐らく、"まもの"と呼ばれている生き物の1体だと思う」「まもの?」今まで聞いた事がないことばだった。


「ああ。俺達以上に他の生き物から恐れられている存在だ」(ボ、ボクたちいじょうに!?)


「俺達が他の生き物を襲うのは、自分達が生きていくための食料にするためだろう?」「うん」以前父ちゃんにそう教えてもらったことがある。


「だが奴らは特にそんな理由もなく、恐らく自分達がただ楽しみたいから他の生き物を襲ったりしているんだよ」「そ、そんな理由で!?」「ああ。だから俺達以上に質が悪い奴らなんだよ」


 父ちゃんの話を聞いて改めてまものという生き物が恐ろしい存在だと分かり、その上でレックスと父ちゃんが無事で良かったと思ったのだった。


 ちなみに、この時ベアーズやレックス達が遭遇した魔物が(ハイ)オークと呼ばれている魔物だったとベアーズが知るのは、大分先の事であった······。


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