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野生子グマの人生変転記  作者: きこうダきこう
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第45話 授業-石集め-

 今日もこれからレックスのクラスの授業に参加する事となった。しかも今回はアリスのクラスとも一緒なんだけど、昨日のレックスの話ではさらに今までの授業とは違う感じみたい。


 そう、昨日の帰り道にレックスは「ベアーズ、明後日亜人族の領土との領境にある鉱山でアリス達のクラスが色々な鉱石を採掘するみたいなんだけど、その前に鉱山を見回るためと、当日アリス達が採掘している時の警護や魔物の討伐のために僕達も行く事になったんだ」(そうなんだ)


「そういうわけだから、明日と明後日はお前も2日続けて僕達に付き合ってもらうことになるからな」と言ってきたので、レックスと長く一緒にいられる事が分かりコク(うん!)と大きく頷いた。


「はは。えらい嬉しそうだなぁ」(だってレックスと長くいられるんだもん!)等と会話をしたり思ったりしたのだった。



 そして当日。レックスが迎えに来てみんなの所に戻り、「それじゃあ出発するぞー!」「「はい!」」バーミリアンのおっちゃんの声で出発した。


 移動中今回は2人ずつで行動するみたいで、みんなそれぞれの相手と話したりしていた。ちなみに、レックスはジャックってヒトの男の子と一緒になった。


 暫くして鉱山ってレックスが言っていた山のふもとに着いてバーミリアンのおっちゃんが色々話をした後、バーミリアンのおっちゃんからボク達 (ボクとレックスとジャック)に先頭を歩くように言ってきたので、バーミリアンのおっちゃんの後に続いて山を登りだした。


 山を登りだしてバーミリアンのおっちゃんからボクとレックスに「魔物の気配を感じたらすぐに知らせてくれ」と頼まれていたからボクもレックスも周りを警戒しながら登っていった。


 そうしたらやっぱり(っ! この匂い······)途中でボクが匂いを嗅ぎ付けたり、レックスが気配を感じ取ったり、またバーミリアンのおっちゃん自身が姿を見かけたりして魔物(みんなオークって言う魔物だった)と遭遇し、その都度バーミリアンのおっちゃんがレックス達に指示を出して倒していった。



 そうして目的地の場所に着いたみたいでバーミリアンのおっちゃんが「ここが明日採掘に訪れる場所だ!」と叫んだ。


 レックス達もその辺りから見た光景に驚いたりしていた。その後またバーミリアンのおっちゃんが色々言った後にそれぞれ別れて行動することとなり、ボクはレックスとジャックの後に続いた。


 そしてある所まで来たところで「この辺りが僕達の担当みたいだね」「そうだね」と言い合った後2人で周りを見回りだしたので、ボクも2人の真似? をして周りを見回った。


 暫くして特に問題ないと2人が確認しあったところでみんなの所に戻った。



 その時、ピクッ!(この匂い!)ボクが突然ここまで来る時に感じたのと同じ、オークの匂いを感じ取った。


 そのためクンクン、クンクン(こっちの方からだ!)と匂いを感じ取った方向を見た後に唸り出した。


 そんなボクの様子にレックスが気付いて「どうした? ベアーズ」と尋ねた直後、ズシーン! ズシーン!(うわっ!)と物凄い地響きを感じた。


「この揺れは、まさか!?」とバーミリアンのおっちゃんが叫んだ後ボクが唸っている方を見たら、やっぱりさっき会ったオーク······より少し大きい奴がこっちに向かって来ていた。


「バーミリアン先生! あれはまさか!?」「あぁ、"ハイオーク"で間違いないだろう」(ハイオーク?)「やはり」とバーミリアンのおっちゃんともう1人先生って呼ばれているスティーブンのおっちゃんとで向かって来ている奴の事を話した。


(今まで会ったオークとは違う奴なのかなぁ?)と考えていたらバーミリアンのおっちゃんが「全員今すぐこの辺りから避難するんだ! スティーブン先生、先頭をお願いします!!」と叫び、「分かりました! 皆さん、こちらです!!」と言ってスティーブンのおっちゃんがみんなを連れてその場を離れて行った。


 そしてその場にはバーミリアンのおっちゃんだけが残るみたいだけど、(······そういえば、今まで会ったオークには感じなかったけど、あのハイオークって奴どこか懐かしい感じが······)と記憶を思い返したら、(あっ······まさかアイツって、あの時森の中で遭遇した奴と同じ奴なんじゃあ!?)と思い出した。



 そう、昔森の中でレックスとアッシュとアリスが草むらの中に隠れていて何してるんだろうと思った時、近くで見かけた魔物とそっくりだった。


(これまで会ったオーク達は多分体の大きさが違っていたから分からなかったんだ)などと思っていたら「ベアーズ、行くよ!」とレックスに声を掛けられた。


 けど、(レックス、アイツってあの時森で会った奴だよ)と言わんばかりにレックスを見つめた。


 そんなボクの様子に気付いたレックスもハイオークを見出して、ようやく「ひょっとして、あの時森で見かけたのと同じ奴か?」と聞いてきたので、コク(うん、そうだよ)と頷いた。


 そんなボクの反応を見てレックスはジャックに何かを言った後にバーミリアンのおっちゃんの方に向かい、また2人で何か話をした後に2人してハイオークの方を見た。


 その様子を見て(2人してハイオークを相手にするんだ)と察し、(ならボクも······)と思って2人の隣に並んだ。


 その直後ハイオークはボク達の間近に立っていた。



 まずレックスがハイオークの背中に回り込んで目を閉じじっとしていた間、バーミリアンのおっちゃんが「さぁ、来やがれぇ!」と()()()大きな声を出してハイオークの気をこちらに向けさせた。


 そのバーミリアンのおっちゃんの誘いに乗ってハイオークはバーミリアンのおっちゃんを攻撃しようと持っていた斧を振り下ろした。


 その攻撃を何とか避けた直後、「先生! 奴の弱点は背中です!!」とレックスが叫んで伝えてきた。


 その直後今度はレックスに対して斧を振り下ろしたけど、それをレックスもかろうじて避けた。


 直後、「レックス! 取り敢えず奴の足を狙うぞ」「分かりました!」と叫びあって攻撃の機会を狙っていた。


(それなら······)ボクは2人のいない方から「ガウ! ガウ!(おい! ここにもいるぞ!)」と吠えてハイオークの注意を向けさせた。


 するとボクの誘いに乗ってハイオークは「こんなところにも鬱陶しい奴が、いやがったかぁ!」と言いながら斧をボクに振り下ろしてきた。


「うわっ!」それをボクもかろうじて避けた。その直後、「でやぁー!」「おりゃあー!!」ズバッ! ドガァッ! レックスとバーミリアンのおっちゃんがそれぞれ片方の足を攻撃した。


「ぐぅ!」さすがに攻撃を受けてハイオークも体勢を崩したが、「お、おのれぇ」すぐに立ち上がった。


 その後はまたボクが「ガウ! ガウ!(どうした! さっきの威勢は!)」とハイオークを挑発してボクに攻撃を向けさせ、その隙にレックスとバーミリアンのおっちゃんが足を攻撃するが繰り返された。



 何回かその行動を行った後レックスが手に持っていた物を持ち替え、それをハイオークに投げて足に当たった直後に「ぐわぁっ!」とうとうハイオークは地面に倒れた。


 その直後「いよっしゃーー!」(うわっ!)バーミリアンのおっちゃんが叫んだと思ったら空中に飛び、「おりゃあーーー!!」と叫びながら降ってきて······ドガっ!(っ!!)倒れたハイオークの背中に物凄い攻撃を与え、「ガッ······」小さな叫び声を上げた直後ハイオークは全く動かなくなった。


 ボクとレックスがそんなハイオークを黙って見続けていると「よし! やったな、レックス!」ってバーミリアンのおっちゃんが言い、レックスも「は、はい」とバーミリアンのおっちゃんの雰囲気に呑まれてそう答えた。


「しかし、本当にお前には驚かされてばかりだな!」ってバーミリアンのおっちゃんは言ったけど、(今はおっちゃんに驚かされている)って恐らくレックスもそう思ってるんだろうなぁと感じた。


 そうして「何はともあれ、取り敢えずは皆の所へ戻るとしよう」「はい!」と2人が言い合ってみんなの向かった方に歩き出したのでボクも後に続いた。



 暫くしたらみんなの姿が見え「「おーい!」」2人が叫ぶとみんなこっちを見だした。


 みんなの所に着いてバーミリアンのおっちゃんとスティーブンのおっちゃんが話し出し、バーミリアンのおっちゃんからハイオークを自分とレックス(とボク)で倒したと話したら全員が驚いていた。


 その後はみんなで山を降り、ふもとに建っている建物で次の日の朝まで過ごすこととなった。


 建物の中では一緒に行動し合っていた者同士が同じ部屋となったため、ボクはレックスやジャックと一緒の部屋となり、部屋に入ってからはジャックがレックスにハイオークと戦った時の事を聞いていたけど、ボクはその近くで疲れたこともあってすぐ眠りについたのだった······。

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