表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
野生子グマの人生変転記  作者: きこうダきこう
40/60

第40話 しろいおっちゃん

 その日の夜。レックスの部屋で眠っていると、突然目の前がとても明るく眩しくなった。


(······うーん。まぶしいなぁ)と思っていると「ベアーズ、ベアーズよ」ボクを呼ぶ声が聞こえたので目を開けてみたら、窓の外からボクの顔にだけ向かって光が入ってきていた。


するとまた「ベアーズよ、久しぶりじゃな」声をかけられたので「だれ?」と声の主に聞いてみたら、「もう忘れてしまったか? 森にいる時に何度か会話をしたはずなんじゃがのぉ?」と答えた。


(森にいる時にかいわ? ······あっ、あーーーっ!)そこでようやく思い出したのだった。その声が森にいる時レックスの事で何度か声をかけてきた事を······。


「思い出してくれたみたいじゃな」「うん! ホントに久しぶり」ボクが答えた直後、何と目の前の光が突然形を変化させたのだった。


(えっ、ええっ!?)ボクが驚いているうちに目の前の光はヒトの姿に変化したのだった。


(あれ? この姿、どこかで······)目の前のヒトの姿を見た途端、ボクはそう思った。


 そう、目の前に現れたのはハウルの家の中の上の方に姿が書かれてて、ハウルが初代と呼んでいた初代ハウルその人であった。しかしベアーズはその事(ハウルの家で姿を見た事)をすっかり忘れていた。


「だ、誰?」とボクが尋ねたら、「儂か? んー······とりあえず、儂の事は"しろいおっちゃん"とでも呼んでくれ」「し、しろい、おっちゃん?」「そうじゃ」「······分かった」とりあえずはそれで良いかと思った。


 するとしろいおっちゃんが「それにしても良かったのぉ、ベアーズよ。レックスと一緒に過ごせれるようになって」と言ったので「うん! ホントに良かった!」と喜んで答えた。


「そうか。それでベアーズよ。今回お主の前に現れたのは、儂からある"頼み"があるからなのじゃ」「たのみ?」


「うむ。これから先にじゃがレックスを始め、こ奴らの周りで色々な出来事が起こり、その中にはレックス達も予期せぬ事態となり、彼らの未来に大きな影響を与えてしまう出来事も出てくるのじゃ」「えっ!? それどういう事?」


「詳しく話すことは出来ないんじゃ。それで、そうした事態が起こった際に儂もレックス達の手助けをしてやりたいと思っておるのじゃが、見ての通り儂は生身の体ではない故に何かをしてやる事が出来ないんじゃ」「そ、そんなぁ」


「そこでじゃ。もしそうした事態になった場合、一時的にそなたの体を貸して欲しいのじゃ」「え······か、からだを?」しろいおっちゃんから突然そう頼まれて驚いた。


「うむ。一時的にお主の体の中に儂の意識を入れさせてもらい、体を借りてレックス達に協力してそうした事態を防ごうと思っておるのじゃ」と聞いた直後、間髪入れずに「良いよ」とボクはしろいおっちゃんに答えた。


 その答えを聞いて流石にしろいおっちゃんもキョトンとした表情を浮かべた。


「い、良いのか? 体を貸すというのがどういう事なのかや、貸したらどうなるのかなど聞かなくて?」「うん。だってそうしたらレックスが助かるんでしょ?」


「まぁ、そうじゃが?」「だったら良いよ」とこれまた間髪入れずに答えた。


 するとしろいおっちゃんは「······ハッハッハッハッハッ!」突然笑いだし「ホントにそなたはレックスの事が大好き何じゃな。分かった、ではその時にはお主の頭の中に直接儂から語りかけ、体の自由を使わせてもらうからな」「分かった!」


 そうやり取りをした後「ありがとな。では今夜はこれで帰るとしよう。じゃあな、ベアーズ」「うん! バイバイ、しろいおっちゃん」と挨拶をした直後、しろいおっちゃんの姿は部屋からいなくなった。


 その後ボクはレックスの方を見て(レックスのためになるんだったら、何でも良いや)と思ってまた眠りについたのだった······。

次話より2年生編となります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ