第3話 ヒトによるケガの手当て
突然小さいヒトが現れたので、「グゥー!(な、なんだよ! なにしにきたんだ!)」と言わんばかりにそいつらに対して唸りだした。
それを見て1体はビビりだしたけどもう1体はビビらず、それどころかボクに向かって何かを語り掛けてきたのだった。
何を言っているのか分からなかったが、1本の足 (腕)でボクの方を指してきた後にもう1本の足 (腕)の上にあるモノを示した。
さすがにその動きを見て(なにをいいたいんだろう?)と思ったので唸るのを止めた。
それから2体はボクに近付いてきてモノを示した方のヒトがそのモノをボクのケガした所にぬってきた。
直後、「い、いったぁー!?」動き出そうとした時と同じぐらいの痛みを感じたので思わず叫び、暴れだそうとした。
すると「······!」「······!」2体のヒト達が何か言い合った後、モノを持っていなかった方のヒトがボクの体を抑え出した。
「な、なにすんだ! はなせ!」当然ボクは激しく暴れたんだけど、そんなのは気にしないようにもう1体がまたケガした所にさっきのをぬりだした。
何度もぬられた後に「いっ、い······あれ? いたく、なくなってきた」何と痛みがなくなってきたのだった。
「······」ぬっていたヒトが何かを言ってぬるのを止め、ボクを抑えていたヒトも地面にボクを離してくれたので恐る恐る足を動かしてみたら、痛みもなく普通に歩けるようになったのだった。
「や、やったぁ! あるけるー!」ボクは心の底から本当に喜んだ。そんなボクの様子を見て2体のヒトはその場を離れていったのだった。
「やったぁ! やったぁ!」と喜んでいたら、クンクン(······あれ、このにおいって?)突然漂ってきた匂いを嗅いだところ、「とうちゃん? ······とうちゃんのにおいだ!」何と父ちゃんの匂いを感じたのだった。
(きっとボクがかえってこないからさがしにきてくれたんだ)そう思ってボクは父ちゃんの匂いを嗅いで探しだし、(こっちか!)匂いのした方に向かいだした。
そしてクンクン、クンクンと匂いが強くなってきて、(このさきだ!)そう思って目の前の草むらに入って出たところ、何と父ちゃんがさっきボクのケガを治してくれた2体ともう1体のヒトを襲おうとしていたのだった。
その光景を見てボクは咄嗟に「とうちゃん!!」と叫んだのだった。父ちゃんもボクの声が届いたことでヒトを襲おうとしていた動きをとめ、ボクの方を見てくれた。
「おぉ息子よ、無事だったか。アイツらからお前の匂いが漂ってきたから、お前に何かしたのではないかと思ったんだ」「ちがうよとうちゃん、ぎゃくだよ! あのちいさいヒトの2たいがケガをしてうごけなくなっていたボクをてあてしてくれたんだよ」
「そ、そうだったのか?」「うん!」「そうだとは知らずに」そう言うと父ちゃんはヒト達の方を向いて「息子を助けて頂いてどうもありがとうございました」と頭を下げたのを見てボクも「ありがとうございました!」と頭を下げた。
「じゃあ行こうか」「うん!」そしてボク達は草むらの中に入っていったのだった。
「それにしても良かったな。親切なヒトに遭遇出来て」「うん! ほんとうによかったよ。とくに······」「特に?」ボクに何かをぬってくれたあのヒトと出会えたことは本当に良かったと今でも思っており、そこでふと立ち止まり後ろを振り返って(またあのちいさいヒトとあえるといいなぁ)と思ったのだった······。