第24話 お休みの日の生活
(うーん)今日もボクはいつも通りに起きたけど······。
(あれ?)いつも起きる頃の時間になってもレックスが起きる様子が無かった。
(どうしたんだろう?)と思いつつレックスの眠っている枕元に近付き、頭に手を置いて(レックスー。朝だよー)と揺り起こそうとした時、ピタッ!(あっ、そういえば昨日の夜)そこで昨夜レックスから言われたことを思い出した。
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「ベアーズ。明日と明後日は学校がお休みで授業は無いんだ」(ジュギョウが、ない?)「だから、朝もゆっくり出来るし、お前とも1日ずっと一緒にいられるんだよ」(ずっと、いっしょに? ······やったぁ!)レックスとずっといられると聞いてボクは喜んだ。
しかしその後「だけど」(ん?)「明日は図書室って所に行ってちょっと読みたい本があるんだ」(としょしつ? よみたいほん?)「だから、明日の······午前中だけはちょっとお前とはいられないんだ」(そんなぁ)とボクはしょんぼりした。
「そんなしょんぼりすんなって。明日の半日だけなんだから。それ以外の時は一緒にいられるんだからさぁ」と言われ、渋々コク(分かった)と頷いた。「ありがとう」とお礼を言われたのだった。
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(って言われてたっけ)その事を思い出し、起こすのをやめ(ならボクももう少し寝よーっと!)と思って再び眠った。
その後「う、うーん」(ん?)レックスの声が聞こえ、ちょうどボクもうっすらと意識が戻りだした時だったので目を覚まし、改めてレックスの枕元に向かった。
するとレックスもボクに気付いて「あぁおはよう、ベアーズ」(おはよう、レックス)と挨拶をしてから起き上がり「お前には学校がお休みだからって関係ないか」(うん、ない)と言わんばかりの表情でレックスを見ていた。
それからレックスが身じたくをした後「それじゃあ朝ごはん持ってくるね」(うん!)とレックスは部屋を出て行った。
ボクだけになったところで、(レックスがとしょしつって所に行ってる間、何してよう?)と考え出した。
けど特にやりたい事もないし、この部屋の中でやれそうな事も無かったので(のんびり眠ってよう)とする事にした。
その時ドアの開く音が聞こえたのでレックスが帰って来たと思いそちらへ向かったら······。
「おはよー、ベアーズ」(あれ?)なぜかレックスと一緒にアリスもいた。
(何でアリスも?)と思って首を傾げたら、「ベアーズ。午前中はアリスと過ごして欲しいんだ」(え? 何で?)と思ってたら、「レックスから午前中に図書室で調べ事をしたいってさっき聞いて、それならベアーズは私が面倒を見るわって言ったのよ。私は今日は特に用事がなかったから」と話してくれた。
それを聞いて(······まぁ、いっか)どちらでも良いと思ったのでコク(分かった)と頷いた。
「ありがとベアーズ」「よろしくねっ!」コク(うん)と話しが済んだところで朝ごはんを食べた。
ボクがごはんを食べた後、みんなで部屋を出て「それじゃあアリス、ベアーズ」「うん、じゃあねレックス」(バイバーイ)と部屋の前でレックスと別れた。
「とは言ったけど、何して過ごそうかベアーズ?」とアリスが聞いてきたけど(うーん)本当にこれと言ってやりたい事が無いんだよなぁと思っていたら······。
「あら、アリスちゃん?」(ん?)後ろの方から声が聞こえたのでアリスが振り向いたら「あ、お姉ちゃん」(メリッサ)そこにはメリッサがいたのだった。
「どうしたの? ベアーズちゃんを抱いてレックス君の部屋の前で」「実は······」とさっきまでのアリスとレックスのやり取りをメリッサに話した。
「そうだったの」「ええ。それでこれからどうしようかなって考えてたところ何です」(そうそう)と話したら、「じゃあ、今からアッシュとお買い物に行くんだけど、一緒に行かない?」と聞いてきた。
「えっ、良いんですか?」「うん。別に今日は2人とも本当に必要な物を買いたくて一緒に出掛けるだけだったから」「なら、そうしよっかベアーズ?」とアリスが聞いてきたのでコク(別に良いよ)と頷いた。
「なら決まりね」「はい!」(うん!)と一旦アリスの部屋に行って出掛ける準備をした後、アッシュと待ち合わせている場所に向かった。
既にアッシュがいたのでメリッサが「アッシュー!」と声をかけ、アッシュもこっちを見た時アリス(とボク)がいた事に驚いていた。
そうしてメリッサから色々 (レックスの用事の事も)話を聞いて「なら行くとするか」「うん!」(おー!)とアッシュも同意してボク達は出掛けた。
まずアッシュが買いたかった物が売られている何かの薬や草(薬草)が売られているお店に行った。
そこでアッシュが買い物を終えたら今度はメリッサが買いたかった物が売られている色々な小物が売られているお店に行った。
そこでメリッサの買いたかった物を買うついでに、アリスも欲しかった物があったみたいで一緒に買った。
その後は特にどこかのお店に寄るような事もなく王都の中を散策した。
そうしてお昼ごはんの時間になったので、アッシュとメリッサがよく行くお店でボクがいても入れる所に向かいみんなでお昼ごはんを食べた。
お昼ごはんを食べながら、話はレックスの事で盛り上がっていた。
「しっかしレックスもよく図書室に行ってるよなぁ」「ホントよね。子供の頃村にいた時もお父さんの部屋にあった本を頻繁に読みに来てたし」「そういえば、そう言ってたわね。でも、それも理由があったんでしょ?」
「うん。子供の時はきっと将来トロルが村を襲ってくる事に備えてだっただろうし」「学校に入学してからはアリスちゃんの事で命の石の事を調べていたからだったみたいだしね」(へぇー)
「んじゃあ、今は何でだ?」(そうそう)アッシュがそう不思議に思い、ボクもそう思ったから心の中で同意した。
「前にレックスに聞いてみたら、『他に特にやりたいと思う事が無いから、ついつい図書室に足が向いちゃうんだよねぇ』って言ってたわ」「はははっ! そんな理由かよっ!」「うん」(なーんだ)
「そうしたら皆から"図書室の番人"なんて呼ばれ出されたり、顧問の先生から来年図書委員会に来ないかって誘われてるしね」「ホントに凄いよなぁ」(へぇー、そうだったんだ)などと話していた。
するとアリスが「委員会かぁ。確か2年生は全員強制参加だったんだよね?」「そうそう。ほんで3年生は任意で参加出来るみたいだぜ」
「ふーん。私は何に入ろうかなぁ?」「なーに言ってんだ。お前ももう決まってるようなもんだろ?」「え?」「委員会の中には、"保健委員会"があるんだよ」
「あっ! じゃあ」「うん。アリスちゃんなら間違いなく保健委員会でやっていけるわよ」(うんうん、そうだね)「ありがとう、お姉ちゃん」
「うん。······ねぇ、アッシュは来年どうするの?」「うーん。そういうメリッサは?」「私はまた図書委員をやるつもりよ。レックス君が図書委員になるって言ってるんだし」
「そっか。なら俺も続けるかな」「そういえば、お兄ちゃんは何の委員会に入ってるの?」
「俺か? 俺は風紀委員会だよ」「ふ、風紀委員会!?」「何だよ?」「ううん。何か似合ってるなぁって思って」
「どういう意味だよ!」「アハハハハッ」「フフフフフッ」とアッシュが怒り、それをアリスとメリッサが笑っていた。
それから3人はお店を出てレックスが帰ってくる頃かもという事になりキシュクシャに戻った。
キシュクシャの前に来た時、ちょうど向こうからレックスもやって来た。
(あっ)「おーい! レックスー!」アッシュがレックスに呼び掛け、レックスもボク達に気付いた。
「あれ? 皆で出掛けてたんだ?」「うん。偶然お姉ちゃんに部屋の前で会って、お買い物に誘われたの」「そうだったんだ」(うん)などと話しながらボク達はキシュクシャの中に入って行った。
そして、それからと次の日は約束通りレックスとずっと一緒に過ごしたのだった。